5年目となり、内容充実。「モータースポーツジャパン2011」リポート
新旧モータースポーツマシンが東京・お台場に集結

「モータースポーツジャパン2011」

2011年10月29、30日開催



 「モータースポーツジャパン2011 フェスティバル イン お台場」が10月29、30日の2日間にわたり、お台場特設会場(東京都江東区青海)にて開催された。

モータースポーツジャパンのスーパーバイザーを努める近藤真彦監督(中央)

 5年目の開催となるモータースポーツジャパンは、都心のド真ん中、観光のメッカでもあるお台場地区で、SUPER GTやフォーミュラ・ニッポンをはじめとするさまざまなカテゴリーのモータースポーツ車輌が新旧問わず一堂に集結。クルマの魅力や楽しさを「見て・聞いて・体感する」をコンセプトに、モータースポーツの感動やクルマの魅力、運転の楽しさを伝えようというイベント。名誉会長に石原慎太郎東京都知事、スーパーバイザーに近藤真彦監督を迎え、例年どおり特別観客席を除き入場無料での開催となった。

 今年はお台場駅や東京テレポート駅を結ぶプロムナードにメインステージを設置。昨年同様のモータースポーツエリア(A会場)、クルマふれあい広場(B会場)に、ヒストリックカーやレプリカ車輌の展示スペースとなるC会場を加え、充実した大会となった。

 まずは新設されたC会場から紹介していく。このエリアは事前に申し込みしたユーザーの貴重なヒストリックカーや、レプリカ車輌を展示するスペース。会場周辺の駅を結ぶ遊歩道に設置された。また、従来モータースポーツエリアに設置されていたメインステージもこちらに移された。

穏やかな日差しの遊歩道に並ぶ貴重なヒストリックカー。当時のレーシングカーやラリーカーのカラーリングのレプリカ車輌も見られる。多くの人が1960~1970年代のクルマに足を止めて見入っていた
レプリカは1980年代~現行車が中心。どのクルマもスポンサーカラーをまとったスポーツカーの独特の存在感が見事に再現されている。それにしてもランエボシリーズやR32スカイラインの人気は高く、そのマニアックなチョイスと仕上げのレベルの高さには驚くばかり
プジョー206のレプリカにはプジョージャポンオフィシャルのライオンさん達が応援に会場の至る所でクルマ談義が青森、福島、宮城のブースも。それぞれの地域の特産品がズラリ。塩竈市(宮城)のご主人ウエアにはBARホンダのロゴ。懐かし~
特設テント内「モータースポーツミュージアム」には、本物のレーシングカーがずらりと並ぶ

 メインステージでは1日を通じ、さまざまなカテゴリーのプロドライバーによるトークショーが行われていた。

SUBARUドライバートークショー。STI辰己氏を加え、これからのレース観戦が一層面白くなるような本音トークが炸裂していたフォーミュラ・ニッポン、F3のトークショーには近藤真彦監督が参加。女性ファンが多く、しかも多くの人がフォーミュラ・ニッポンの観戦経験あり!!グランツーリスモを使った対決では、ドライバー同士の舌戦が

 モータースポーツエリアとなるA会場では、トヨタ、日産、ホンダ、スバルなど、モータスポーツ活動を行うメーカーのブースを設置。レーシングマシンのデモ走行エリアもあり、メイン会場とも言えるエリアだ。

 今年ル・マン総合優勝20周年を迎えたマツダ787Bのスペシャルデモランを始め、最新フォーミュラカーから、懐かしいグループAカルソニックスカイライン(R32)、エッソウルトラフロースープラ、最新ラリーカーがエキゾーストを響かせ所狭しと走りまわる。トヨタ7など歴史的な名車や懐かしいモデルも展示され、「モータースポーツジャパン」の名にふさわしい豪華な展示車は見応えのあるものだった。今年は、特別観覧席に専用カフェを併設した、「プレミアムパドック」が新設された。

フォーミュラカーが走るには少々狭い会場だが、小暮選手の走行テクニックは驚くべきものがあった。給油、タイヤ交換のデモもあり、レースの雰囲気を楽しめた。赤いマシンはF3
SUPER GTは最新マシンから、JGTCマシンまで走行。脇坂選手(写真右下)は当時のレーシングスーツで、2002年のチャンピオンマシン「スープラ」をドライブし、ファンを沸かせた
いまだ人気の高いグループA時代のR32カルソニックスカイライン(写真左)、日本車唯一のル・マン総合優勝車マツダ787B(写真中)、そしてレクサスの誇る最新マシンLFAニュル24時間参戦車輌(写真右)と、貴重なモデルが走行エリアには目白押し
ミノルタカラーが懐かしいトヨタ90C-V(写真左手前)や、NSX(写真中)をはじめ数多くのル・マン参戦車両が並ぶ「JAF GP富士スプリントカップ」のブースには、SUPER GTマシンなどが展示されていた
スバルはGT300クラス参戦中のレガシィB4(写真左)、今年のニュルブルクリンク24時間でクラス優勝を成し遂げたインプレッサ(写真中)、そして日本で唯一人の世界チャンピオン新井敏弘選手の駆るインプレッサのラリーカー(写真右)が走行。特に新井選手の走りは圧巻!
ラリーカーも数多く走行。僅か2年弱の参戦だったスズキSX-4 WRCの走行は貴重
走行エリアではトップドライバー同士のチーム対抗カート対決も催され、佐藤琢磨のいるホンダチームが優勝
そのほかパイクスピークヒルクライム出場EV(写真左)の走行や、ダカールラリー出場車(写真中)、パトカーなど、さまざまな車種の走行・展示があった

 デモ走行や車輌展示以外にもタイヤメーカーや日本レース写真家協会(JRPA)、自動車雑誌、各種グッズ販売店など、多くのブースが出店し、会場を盛り上げていた。

車輌以外にもエブロ(ミニカー)のアウトレットコーナー(写真左)、オートレースのPRブース(写真中)、Xbox専用ゲーム「Forza Motorsport4」試遊体験(写真右)など、各種のブースが出展していた

 クルマふれあいエリアと名付けられたB会場は、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)や国内外の自動メーカー協力のもと、数多くの試乗車の同乗体験試乗や「母と子の楽ラク運転講習会」、カートの体験、ソープボックスモックカー作りなど、親子で楽しめるイベントが盛りだくさん。また、各メーカーの最新モデル展示も充実していて、まさに「クルマふれあいエリア」の名にふさわしい個所となっていた。

TFM、J-WAVE、東京モーターショーのコラボ企画「耳カー」も登場ロールオーバー(横転)体験でシートベルトの有用性を再確認。
国内外の最新モデルを一挙展示。発売直後のフリードハイブリッドも
シボレーは日本未導入のクルーズ(WTCCレプリカ)も展示親子で作るソープボックスモックカー

 「モータースポーツで日本にPOWERを!」をテーマとした今年のモータースポーツジャパン。プロフェッショナルドライバーの素晴らしい走りや、彼らの普段着の笑顔にも接することができ、来場者にとってはモータースポーツを少しだけ身近に感じることができたのではないだろうか。新しい試みも採り入れられており、今後の発展にも期待が持てるものになっていた。

 今シーズンの国内のビッグレースは、チャンピオンが決定するフォーミュラ・ニッポン最終戦もてぎ(11月5日、6日開催)と、そのフォーミュラ・ニッポンとSUPER GTが同時に見られる富士スプリントカップ(11月11日~13日開催)のみとなる。ぜひ、どちらかに足を運んでいただき、彼らの本気の走りを見ていただければと思う。

(高橋 学)
2011年 11月 1日