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写真で見る スズキ「イグニス」

 スズキから“ありそうでなかった”という1.2リッタークラスのコンパクトクロスオーバーが2016年1月に正式発表された。名前は「イグニス」。2015年の東京モーターショーで世界初公開されたクルマで、その仕上がりから発売間近と感じられるクルマだった。イグニスの名前は従来型のスイフトが欧州で販売される際に用いられた名前で、日本国内にこの名前のクルマが登場するのは初。

 ボディサイズは3700×1660×1595mm(全長×全幅×全高)と、軽自動車よりふたまわり大きなサイズだが、登録車としてはかなりコンパクト。このコンパクトサイズのボディを引っ張るのは、スズキ独自のマイルドハイブリッドシステムを備える直列4気筒1.2リッターのK12C型デュアルジェットエンジン。

 搭載するマイルドハイブリッドシステムは、減速エネルギーによる回生発電と最長30秒の加速アシストを行なうシステム。ISG(モーター機能付き発電機)と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせ、JC08モード燃費はグレードや駆動方式により変わって25.4~28.8km/Lを実現した。

 トランスミッションは全車CVT。前輪を駆動する2WDモデルと、ビスカスカップリング式の4WDモデルが用意される。装備によってグレードは3タイプで、駆動方式と合わせて全6タイプが用意される。

 スタイルは、リアドアからCピラーまでの形状の相似性から「アルト」の兄貴分といったイメージ。コンパクトな全長ながら見た目のボンネット長を確保してしっかりとした2BOX感を演出、クロスオーバーモデルらしいボディラインに仕上げた。タイヤは四隅に張り出し、特にリア側はフェンダーアーチとともにリアタイヤの存在感を強調している。

 ブラックアウトしたA/Bピラーやヘッドライト周りまで一体化したブラックのフロントグリルでクロスオーバーの力強さを演出している。さらに最上位グレードのHYBRID MZに標準装備するプロジェクタータイプのLEDヘッドライトと、ヘッドライトユニットの外周をU字型に取り囲むLEDポジションランプがさらに眼力を強くしている。

 インテリアは未来感を演出したものとして、撮影車のようにグレードやボディカラーによってオレンジのアクセントが付く内装パネルも用意される。メーカーオプションとなるメモリーナビゲーションはApple CarPlayにも対応。iPhoneの画面を車両の画面に映し出し、iPhoneのアプリを車載ディスプレイで操作可能になる。

 また、安全装備も充実。メーカーオプションとしてステレオカメラ方式の衝突被害軽減システム「デュアルカメラブレーキサポート」を全車に設定。衝突による被害を軽減する自動ブレーキや衝突警報などを行なう。また、車線逸脱警報や誤発進抑制機能、先行車発進お知らせ機能などが追加される。

スズキの新型「イグニス」。グレードは最上位のHYBRID MZ。ボディカラーはクロスオーバーの力強さやアクティブさを表現したという「フレイムオレンジパールメタリック」
ボディのアクセントの1つであるリアのフェンダーアーチの張り出し。ボディ後方は絞り込んでおり、角度によっては実際以上に非常に短くコンパクトなクルマに見える
ボンネット側面のガーニッシュ。エスクードとの共通性を感じさせる演出
ハイブリッドを強調するエンブレムはフロントフェンダーに装着
HYBRID MZのみに標準装備するLEDヘッドライト
ポジションランプもLEDで、ライトユニットを囲むように点灯
ヘッドライトの光源はLED。1つのライトでロービームとハイビームを切り替えて点灯
ターンシグナルもライトユニット内に一体化
フォグランプもLEDが光源のタイプ
アルトと共通性のあるイメージのリアドア周辺の形状。エアアウトレット風の造形は、古くは1970年代のフロンテ クーペやセルボのスタイルを由来とする
ルーフ後方に備えるアンテナ
フューエルリッドは左側後方
リアハッチに備えるイグニスのエンブレム
HYBRID MZとHYBRID MXは、ブラック塗装のアルミホイールと175/60 R16サイズのタイヤを組み合わせて採用
リアコンビネーションランプはブレーキランプの光源にLEDを使う。ヘッドライト点灯時はLEDが弱く点灯
ブレーキ操作時は強く赤く光る
ターンシグナルは電球によって点灯する
バックランプは左右とも白く点灯
リアフォグランプの点灯状態。リアバンパーのステアリング位置と同じ右側に埋め込まれている
ハイマウントストップランプ
エンジンは直列4気筒DOHC 1.2リッター。67kW(91PS)/6000rpmの最大出力と118Nm(12.0kgm)/4400prmの最大トルクを発生する
駆動方式は基本は前輪駆動。4WDモデルはビスカスカップリング方式で後輪も駆動する
ホワイト、オレンジがアクセントのインテリア
HYBRID MZのみ、ステアリングホイールやシフトレバーなどが本革巻きとなる
運転席の足下にはアクセルペダルとブレーキペダルを設定。パーキングブレーキは手で引き起こすサイドブレーキタイプ
HYBRID MZはパドルシフトを装備。7速マニュアルモードを操作できる
ステアリングスポークのスイッチ類
メモリーナビを装備するとハンズフリーのスイッチも追加される
エンジンスタートスイッチはステアリングの右側にある。エントリーグレードのHYBRID MGのみ従来的なキーを差し込むスタイルとなる
メーターパネル右側には、トリップメーターやメーター照度調整のスイッチがある
運転席シートヒーターを全車標準装備。4WD車は助手席シートヒーターも追加される
メーターパネル。エンジン始動前の警告灯が全点灯したところ
メーターパネル右側はマルチインフォメーションディスプレイになる
オプション装備のメモリーナビ。全方位モニターなどと同時にセット導入となる
独自性の強いデザインが与えられたエアコンの操作パネル
センターコンソールはボディカラー別にオレンジかチタンの加飾パネルが設定される
シフトレバーの前方には、走行モードや安全装備のスイッチをレイアウト。その左右にはDC12VのソケットとUSBポートがある
ソケットにはカバーがついており、誤って電極に異物が混入しないよう保護
USBポートは右側。こちらにもカバーが付いている
ドアトリムにもホワイトやオレンジのアクセントがある
ドアアームレストにパワーウィンドウなどの操作スイッチを設定
リアシート。ヘッドレストは左右分だけだが、中央席分のシートベルトもある3名乗車
HYBIRD MZとHYBIRD MXのシートは5:5分割で前後スライドとリクライニングが可能。スライド量は165mm
フロントシート。シート表皮は全車ファブリック
メモリーナビとセットオプションの全方位モニター。4つのカメラの映像による俯瞰映像を画面表示できる
全方位モニター用のフロントカメラはスズキのメーカーエンブレム下に設置
左右の映像はドアミラー下のカメラを使う
リアカメラはリアハッチの少し左側にオフセットしてレイアウト
リアのラゲッジスペース
トノボードのリードを外したところ
アンダーフロアに収納スペースがある
ボードを外したところ。リアシートはもっとも後方まで下げている
リアシートを前にスライドさせたところ。荷室容量は133Lから258Lに増加する
左右別々にシートスライドが可能
右シートを前方にダイブダウン
両方のリアシートを格納すると荷室容量が最大の415Lに拡大する

【追記】撮影車と市販車で一部仕様が異なる場合があります。ご了承下さい。

(正田拓也/Photo:高橋 学)