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まだまだ行くゼ、雪の志賀高原!

前回から引き続き、「WINTER MAXX 02(ウインターマックス ゼロツー)」で雪の志賀高原を走りまくりの旅路。ドライ路面やシャーベット路面、さらに圧雪路を走ってきました。

今回の走行で使っている「WINTER MAXX 02」は、従来品「WINTER MAXX 01」よりも氷上ブレーキ性能で12%向上、氷上コーナリング性能で3%向上しています。従来品も「滑る気が全然しない!」という高性能スタッドレスタイヤでしたが、そこからさらに性能UPしている「WINTER MAXX 02」は、かな〜り安定感・安心感のある走りを見せてくれました。

実際にドライ路面でも剛性感があってヨレたりせず、違和感や心細さはありません。乗り心地もいい。シャーベット路面や圧雪路でもほとんど滑ることなく、余裕と安心感をもって走ることができました。

しかしこの先、新雪が積もった降雪路や、恐怖のアイスバーン、さらには雪道のひとつの難関である「先行車のタイヤで氷が固まり磨かれた上り坂」にも突入していきます。しかも、クルマはマニュアル車で、ドライバーの筆者は20年以上ぶりのMT車の操作! さらに、クルマは登りの雪道に弱いFF車! さすがの「WINTER MAXX 02」とは言え、ちょっと心配な気がしますが、さぁどうなるんでしょう。

ともあれ、「WINTER MAXX 02」で雪山を走り回って、その実力を検証していきます。また、「WINTER MAXX 02」の大きな魅力でもある耐摩耗性能についても、実際にほぼ1年履き続けて検証してみました。スタッドレスタイヤ選びの参考になさってください!

  • 編集部スタッフのアテンザにWINTER MAXX 02を装着して志賀高原を走りまくり♪

  • 旅のお供はWINTER MAXX 02の開発に携わった熊本曜馨氏。WINTER MAXX 02の技術を教えてもらいました

標高が増すと、そこは新雪! 吹雪いてる〜!

都心から長野県に向かい、さらに志賀高原へ。既にシャーベット路面や圧雪路を余裕で走破した「WINTER MAXX 02」について、改めて「やっぱり頼りがいのあるスタッドレスタイヤだなぁ」と感じた筆者です。もうこのタイヤ履いてれば余裕っしょ! スキー場だろうが高地の温泉だろうが、楽勝で行けちゃうっしょ!

なーんて余裕をカマしていたら、突然の雪道。標高が増したらイキナリ深めの雪道です。しかもけっこー吹雪いている。たっぷりの雪を久々に見た筆者からは、先ほどの余裕が一気に消滅。内心ドッキドキで運転しているんでした。

こういった新雪が積もった道で大切なのは、スタッドレスタイヤの溝によって路面に強靱な雪の柱をつくる「雪柱せん断力」の高さ。ふわふわの新雪を、路上にしっかり根付いた雪の柱へとつくり変え、これを足がかりにして「スリップすることなく前進」する必要があります。高い「雪柱せん断力」が必要というわけですが、「WINTER MAXX 02」にはもちろんソレが備わっているのは前編でもお伝えしたとおり。

刻一刻と変わる山の天気。突然吹雪いてきました!!

  • カーブでも安心の手応え

  • 雪の上に残ったパターンの跡は雪中せん断力の高さの証

実際に「WINTER MAXX 02」で新雪の路面を走ると、柔らかいはずの新雪をグッと掴んで走っているという感触があります。とりわけ加減速時。むちゃな加減速を除けば滑った感じがなく、制動力や駆動力がしっかり路面に伝わっているように感じられます。

また、横方向の安定感も良好。「WINTER MAXX 02」の高い「雪柱せん断力」は、前後方向にも左右方向にも効果を発揮していて、コーナーでの滑りにくさもしっかり実感できます。同時に、「WINTER MAXX 02」の剛性感がありますので、カーブに入っても不安感がなく安定的に走り抜けていけます。

こういうタイヤで新雪を走ると、「新雪の下には氷があるから滑って怖い」みたいな緊張が大きく払拭されます。安心し、リラックスしつつ走行できますので、「わ〜新雪のなか走るのって楽しい〜!」みたいな気分にも。高性能スタッドレスタイヤって、やっぱり冬のドライブも楽しくしてくれるんですね〜♪

いっちばんヤバそう! 凍った橋の上でも安定の走り

なーんだやっぱり「WINTER MAXX 02」って全然滑んないじゃ〜ん! 楽勝じゃーん! とか再びカマした余裕も、これを見たら消滅。橋の上のアイスバーンです。橋の上の道路って、上からも下からも冷やされるので、すぐ路面が氷結。アイスバーンになっちゃうんですね。また、橋は必然的に交通量が多いので、路上の雪などがクルマにどんどん踏み固められて、カッチカチで分厚いアイスバーンになっちゃうわけです。

こういう道、マジで怖いですよね。首都圏の近くでも真冬だと「凍った橋の上」を経験します。筆者の場合はクルマだと「WINTER MAXX 01」を履いているので問題ないんですが、徒歩や自転車だとホント怖い思いをします。滑ること滑ること。ツルッツル!

ともあれ、そういう道を、借り物のマニュアル車で走るのは、いつもに増して恐怖です。しかも同乗者がいるし。さらに雪国ですので、首都圏近郊の「凍った橋の上」よりも強靱なアイスバーン! 怖っ!

朝早い時間の橋の上。地熱もないので完全に凍っています

と思って心臓ドキドキ&体ガチガチで走行したんですが、やっぱり「WINTER MAXX 02」は安定の走りを見せてくれました。滑らない! じつは途中、マニュアル車のクラッチ操作をトチったりして、不意に急加速してしまったり、強めのエンジンブレーキをかけたりしてしまいました。内心「(あっヤバ、滑る!)」とか思ったわけですが、危惧したほど滑らず、滑ったとしてもすぐに安定を取り戻します。や〜っぱり「頼れるタイヤ」です、「WINTER MAXX 02」。

また、スタッドレスタイヤでありながら高剛性の「WINTER MAXX 02」は、アイスバーンの様子をドライバーにしっかり伝えてくれます。滑らかなアイスバーンなのか、そろばん路面が育っちゃったような走りにくいアイスバーンなのか、すぐわかります。路面状況を把握できるので、落ち着いて運転することができます。

そんな感じで、凍った橋の上を何カ所か通過しました。実際に走ってみて感じるのは、まあ「滑らないな〜」ということもあるんですが、「ちゃんと止まれること」「ちゃんと曲がれること」も大きかったです。滑らない、止まる、曲がれる、という要素。

たとえば交差点が絡む凍った橋は、不安感がダブル。橋の上のアイスバーンで「滑るかも!?」という不安がひとつ。もうひとつは交差点で「ちゃんと止まれるか!?」という不安感です。

でも無問題でした。フツーにギュッと制動。アイスバーンをフツーに走れて、停止すべき位置でフツーに止まれるので、緊張し過ぎず安心して走れます。

橋の先にある信号。信号の手前はさらに磨かれて滑りやすいので緊張の瞬間です

一日中、日が当たらないトンネルの中も実は危険な場所です。が、WINTER MAXX 02なら安心

また、動画のなかにもありますが、アイスバーンのループ橋。かなり標高がある場所で、厚めのアイスバーンに加えて新雪も少々ありつつ交通量も多いので、条件はかなり悪いです。加えて、ループ橋ということで、ずーっとカーブ! なんですが、「WINTER MAXX 02」ではフツーの道を走るように通過できちゃってます。

本格雪国のマジなアイスバーンでも大丈夫じゃん「WINTER MAXX 02」! さすが最新型。頼もしい〜♪ 今年は「WINTER MAXX 02」を履いて、プライベートで志賀高原にスキーに行こうかナ! とか思いました。

ツルツルに磨かれた上り道、FF車だけど……どうなる?

まだまだ標高が上がります。そして出てきたのは、下がアイスバーンでその上に積もった雪が少し溶けているという、かなり厳しい状態の路面。撮影のため車外に出て歩くと、すぐツルリと滑っちゃう感じです。しかも、そこは、上り坂!

今回の道中でも劇的に悪条件だった上り坂。途中スタックしてチェーンを履かせている車もいたほどで、そのやばさはハンドル越しにもしっかりと伝わってきます

クルマを降りてみると雪の下は完全な氷で、撮影してても転んじゃうぐらいのかなりひどい状況

今回走行しているクルマはFF車。前輪駆動車は、上り坂では過重が後輪にかかり、前輪からは過重が抜けがちです。ゆえに、上り坂では地面に駆動力を伝えにくくなります。これが雪道となると、駆動輪の前輪がスリップしやすくなってしまいます。

実際、今回のようなひどい条件だと、確かに前輪から過重が抜けてスリップしそうな感覚が。ただ「WINTER MAXX 02」の場合、タイヤの挙動がドライバーに伝わりやすく、現在のタイヤの状態がよくわかります。たとえば「今、少し滑った」「轍を乗り越えた」「グリップしている」といったことが明確に伝わってきます。

ですので、FF車で前輪がスリップしやすくても、「あっ今スリップしたからアクセルを少し戻そう」と即座に対処できます。同様に、滑らないギリギリまでアクセルを踏んだり、あるいはブレーキ操作をすることも容易です。

そんなふうな「履き心地」がある「WINTER MAXX 02」ですので、コンディションが悪い雪道に入っても、すぐに「こんな感じで運転すれば滑らない、安定する」ということが掴めるんです。結果、ツルツルに磨かれちゃった上り道でも、確実かつ安心して走ることができました。

「WINTER MAXX 02」なら、早めに履いて長めに使い続けてもダイジョーブ!

さまざまな冬の路面を走り抜け、雪山を下りてきました。それにしても、どんなコンディションでもちゃ〜んとグリップして走り、安定して曲がることができ、しっかり止まれる「WINTER MAXX 02」。今回の雪山はけっこー厳しい路面状況が多かったんですが、期待以上の性能を発揮してくれたという印象です。

高速道路から雪山、街中まであらゆるシチュエーションで期待以上の走りをしてくれたWINTER MAXX 02

それと「WINTER MAXX 02」について、絶対注目すべきなのが性能の「効き長もち」で、かつ「ロングライフ」という要素。新素材「液状ファルネセンゴム」が配合されたことにより、ゴムの柔らかさがより長く保たれ、その結果タイヤとしての性能が「長もち」になりました。また、「WINTER MAXX 02」は混ぜ物が少ない「高密度ゴム」でつくられていて、これにより「ゴムがすり減りにくい」=「より長距離走れるロングライフのタイヤ」になりました。

性能長持ちでロングライフ。従来のスタッドレスタイヤよりも長い年月性能を維持して、しかもより長い距離を走れるわけですが、これは安全や実用性に直結しています。

WINTER MAXX 01と比べてあらゆる面で性能が向上。特にライフ性能がさらに進化したのに加えて効き持ち性能が大幅にアップ

まず一般のスタッドレスタイヤは「すり減りやすい」わけですが、そうなると冬場に雪が降るタイミングのギリギリ直前まで「タイヤ交換しないでいる」ということがありがちです。「まだ雪が降らないのにスタッドレス履いちゃったらムダにすり減ってモッタイナーイ!」というわけですね。

同様に、冬が終わりに近づいたら、「まあもう雪もないだろいし、長く履くとすり減っちゃうから」という理由で早々にタイヤ交換。スタッドレスタイヤはなるべく短い期間だけ使って、すり減らさず長持ちさせようと思ってしまうのは、誰もが同じです。

そこで「WINTER MAXX 02」。すり減りにくいロングライフタイヤなので、冬になる前に余裕をもって履かせてられますし、完全に雪が降らなくなる季節まで長めに履かせておけます。

遅めに履いて早めに使うのをやめちゃう「すり減るのがモッタイナイ」のスタイルですと、「来週スタッドレス履こうと思ってたら突然ドカ雪が降っちゃった〜」とか「もう春だしと思ってスタッドレス使うのやめた途端に雪が!」みたいな憂き目に遭いがち。雪が降らずとも、冬の前や後の季節まで、日陰のアイスバーンの危険はつきまといます。ともかく、せっかくスタッドレスタイヤを所有しているのに……ですよね。

余裕をもって早く履き、十分先まで履かせておいてもすり減りの少ないロングライフタイヤ「WINTER MAXX 02」なら、そういう残念な問題も起きません。また、タイヤ交換の時期を手前と後ろにずらせますので、タイヤ交換オーダー客殺到のガソリンスタンドや量販店などで長時間待たされるストレスもありません!

毎年雪の予報が出ると大混雑するスタッドレスタイヤへの履き替え。WINTER MAXX 02ならライフが長いから早めに交換できてしまう

そういうメリットを持ったロングライフタイヤであり、さらにタイヤ性能自体が長持ちする「WINTER MAXX 02」。年月が経過してもタイヤが本来持つ性能が落ちにくく、具体的には一般的な使い方であれば、4年経過後も高いタイヤ性能を維持。前述のようにゴムのすり減りにくさもありますので、実質「4年使えるスタッドレスタイヤ」になりました。

実際に1万km、履き続けてみた

今回の撮影、実は昨シーズンの冬に行っているのですが、「WINTER MAXX 02」のロングライフ性能がどれくらいなのかを検証するため、編集部スタッフがその後「WINTER MAXX 02」で1万kmを走ってみました。

やはりFFなのでフロントタイヤの方が減りやすく、一般的な使われ方にあわせる形で、途中6000kmの時点でリアにローテーションしました。その結果プラットフォーム(スタッドレスタイヤとしての使用限界)までの残りの深さは4.5mm程度。新品時が4.9mmだったので、なんと1万km(フロントタイヤとして6000km、リアタイヤとして4000km)走っても0.4mmほどしか摩耗しなかったということ♪

新品の「WINTER MAXX 02」には、新品時からグリップを発揮できるようにトレッド表面に細かなミゾが刻まれているんですが、この分がちょうどなくなった感じです。最初リアに着けていた方のタイヤ(フロントタイヤとして4000km、リアタイヤとして6000km)には、まだ場所によってこのミゾの跡が見えているので、まさにこのミゾの分減った感じですね。

  • プラットフォームと呼ばれる冬タイヤとして使える使用限界までの深さを計測

  • アテンザのトリップメーターは4桁までしかないようで1万kmで0に戻ってしまった。ということで正確には1万と1.4km走行

フロントで6000km、リアで4000km、計1万kmを走行したWINTER MAXX 02。冬だけ使っていたなら2~3シーズンの距離になるでしょうか。この2倍、3倍を走ってもまだまだミゾの残りには余裕がありそう

コチラはもともとリアに履いていたほうのWINTER MAXX 02。同じ1万kmでもフロント(駆動輪)で使っていた距離が2000km短く、それだけ摩耗が少ないので、まだ細かいサイプの跡がわずかに見受けられる

もちろんスタッドレスタイヤということもあって、無茶な走りはしていませんが、約1.5tのアテンザで、しかもほとんどがドライ路面という走行条件でこの摩耗状況。4年程度の使用、しかも冬の間だけであればまず摩耗が原因でスタッドレスタイヤの寿命を迎えることはなさそうです。

冬タイヤとしての性能の高さに加え、ドライ路面でも違和感なく走れる「WINTER MAXX 02」。しかも性能長持ちでゴムがすり減りにくくロングライフ♪ ヒッジョーに優れた最強スタッドレスタイヤだと思いますので、ぜひ今シーズンから使ってみてください!

前編はこちら