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最新カーナビ「サイバーナビ」でおでかけ! 成田空港、JAXA筑波宇宙センター、そして羽田空港 これで“おもてなし”も大丈夫!

 夏が来た。夏と言えば夏休み、そして、夏は私にとって「おもてなし」の季節なのだ。毎週のように「おもてなし」、あっちで「おもてなし」、こっちで「おもてなし」。そう、夏休みを利用して海外から知人友人たちが、その家族と共に日本へ遊びに来るのである。まあ、海外から来るといっても私の場合は仕事柄、ほとんどの知人友人が台湾から訪日するのだけど。

 余談になるが台湾の人々は基本的に親切である。「日本から来ました」などと言おうものなら、それこそ全力で接待してくれる。日本人の私からしてみれば、恐縮どころか遠慮したくなるぐらい、それほどまでに接待してくれるのだ。そんな彼らが日本へ観光、遊びに来るというのだから今度はこちらのターンである。パワー全開で「おもてなし」しなくてはならないと常々思っている。

 基本的な私の「おもてなし」パターンはこうだ。まずクルマで空港に行ってピックアップ、スケジュールを確認してからホテルへ送る。後日、スケジュールの空き時間に東京近郊の観光スポットをクルマで巡る。もし、到着当日のスケジュールに余裕があるようなら、クルマに荷物を積んでそのままどこかを見学しに行ってもいい。昼ぐらいに到着する便なら観光ついでに食事をしてもいいだろう。このあたりが基本的な「おもてなし」となる。

 そして、この「おもてなし」で大活躍してくれるのがカーナビだ。私の場合は数年前から、カロッツェリアの「サイバーナビ」を愛用している。空港へ行くのも、観光スポットへ行くのも、はたまたレストラン探しでも、クルマで移動する限りサイバーナビに頼りっぱなしである。

 そんなサイバーナビの最新モデルが今年5月に発売された。この最新サイバーナビ、従来の近未来的な機能を維持しつつ、音楽ストリーミング機能を搭載したという。基本、私はクルマの中では音楽かAFN(英語AM放送、英語なので理解できないため気にならない)しか聞かない人間なのだ。そうなると、その音楽ストリーミング機能というのがかなり気になってくる。もちろんほかの機能が、自分の愛用しているサイバーナビと比べてどのように進化したかも気になるわけだが。

 よし、こうなったら「おもてなし」シミュレーションを兼ねて、最新のサイバーナビを体験してみようじゃないか! とりあえずCar Watchに頼めば、なんとかなるだろう。とか思って軽い気持ちでお願いしたら、最新のサイバーナビを搭載したデモカーを用意してくれるという。もちろんそのバーターとして、この記事を書いているわけなのだが。ということで、さっそく最新サイバーナビと連れだった「おもてなし」シミュレーションの旅をスタートさせよう。

とりあえず成田空港へ行ってみた

 某日早朝、私は渋谷駅近くの路上でホンダのN-BOXを眺めていた。最新サイバーナビを搭載したデモカーが、たまたまホンダのN-BOXだったからである。軽自動車は、普段あまり乗る機会が無いのでN-BOXにも興味津々なのだが、やはり一番気になるのは搭載されている最新のサイバーナビである。

 N-BOXに搭載されていたサイバーナビは画面サイズが8V型、解像度800×480ドットの液晶パネルを採用した「AVIC-ZH0999LS」だった。このモデルはAR(仮想現実)スカウターモードで利用し、なおかつドライブレコーダーとしても機能するクルーズスカウターユニットが同梱されているが、AR HUD(ヘッドアップディスプレイ)ユニットはオプションとなっている。操作系に大きな違いはなく、液晶の下に用意されている少ないボタン、そしてタッチパネルで操作を行う。パッと見た印象は液晶が大きくて見やすいことぐらいしか、前サイバーナビとの違いは見当たらなかった。

 さて、集合場所である渋谷駅からまず向かったのが成田空港だ。最近は台湾からの航空便が積極的に羽田空港へ乗り入れているが、成田空港を利用する人も大勢いる。羽田の国際化が進んでいるとはいえ、やはり「成田国際空港」も重要な日本の玄関なのである。

 渋谷を出発したのは平日の早朝、順調に行けば1時間と少しで成田空港に到着するはずだ。だが、そこはそれ都心部から国際空港へのルート。細かく渋滞が発生しており、時として不安を感じる時もある。今回はシミュレーションだからまだいいものの、到着時間に合わせて走っている時などは「相手を待たせてしまわないか?」と不安になる。そんな時に役立つのが、サイバーナビのスマートループ渋滞情報だ。

 カロッツェリア独自の情報ネットワークであるスマートループでは、VICS渋滞情報約7万kmを含む、全国すべての道路(約70万km)を対象として渋滞情報を取得する。もちろんそこには「渋谷―成田」ルートも含まれており、ほぼリアルタイムに渋滞の状況を確認し、場合によってはルートを変更できるのだ。ちなみに、スマートループ渋滞情報ではリアルタイム情報だけでなく、今までに蓄積された「渋滞予測データ」も含んでいる。

 ではサイバーナビはどのようにして、リアルタイムに渋滞を含む情報をやり取りしているのか? 製品に通信モジュール(一部機種はオプション)が含まれており、それを使って情報をやり取りしているのである。通信サービスの使用料はサイバーナビ本体に含まれており、正確に言うと通信を開通した月から最大3年間(利用開始日から当月末までの日数分+35カ月間、有料で更新も可能)は無料となっている。さらに2015年モデルからは、Bluetooth接続(PAN・DUNプロファイル)したiPhoneやスマートフォンの通信を使って情報取得することも可能となった。なので、無料期間終了後は、手持ちのスマートフォンを使ってサービスを利用することもできるのである。この通信サービスが、スマートループをはじめとするサイバーナビの機能を下支えしているのだ。

 多少の渋滞はあったものの、早朝ということもあり成田空港へはサイバーナビの提示したルートでスムーズに到着することができた。シミュレーションとしては、この成田空港でゲストをピックアップ、早朝ということなら時間はたっぷりあるし、ホテルに行ってもチェックイン出来ない場合もあるだろう。ならばどこか観光スポットへ行きましょう、そういう話になるはずだ。ここで私はおもむろに提案するのである。「JAXAの筑波宇宙センターを見学しませんか?」と。

早朝、成田国際空港へと向かう。サイバーナビのルート通り、小さな渋滞はあったがスムーズに走る
到着、成田空港。見慣れた風景だし、これからも何度も見ることになるだろう

成田空港からJAXAの筑波宇宙センターへ行ってみた

 成田空港からJAXAの筑波宇宙センターへ向かうルートがスゴいと同行スタッフは言うのだけど、道に詳しくない私は「はあ」と言うしかない。何でもこのルートでは常磐道と東関道を直接結ぶ圏央道神崎IC~大栄JCTが6月7日に開通し、かなり時間が短縮されたのだという。いや、だってそれ最新のサイバーナビがちゃんとルートとして表示してますよ、と私は言いたたかったが、実は同行したスタッフのクルマに2世代前のサイバーナビが搭載されていて、しかもマップデータの更新をサボっていたという事実が発覚。そのサイバーナビとルートを比較して「おお、スゴい!」とか言っている訳だ。確かにそうかも知れないけど、早く筑波宇宙センターへ行きましょうよ!

高橋、フリーワード音声検索にチャレンジ
トップに「JAXA」が来てホッとする
「JAXA筑波宇宙センター」発見!
ルート候補から選ぶ。やはりさほど時間はかからないようだ

 成田空港から筑波宇宙センターへのルートは、実に快適だったしスムーズだった。ちなみに後で調べて分かったことなのだが、地図ソフトのルート探索では一部、まだ神崎IC~大栄JCTが反映されていなかった。サイバーナビのマップ更新は、インターネットを超えているということなのだろうか?

つくばへ向けて黙々と走る
見えたぞ、学園都市! 御坂美琴はいるのだろうか?(すいません、アニメネタです)

 さて、我が愛する筑波宇宙センターである(来たのは始めてだがその存在は知りすぎるほど知っていたし、個人的にもぜひ見学したかった)。ここにはっ! 人工衛星やロケットエンジンのっ! 「実機」が展示されているのだっ! 私が愛してやまないH-IIロケットシリーズで使われているLE-7Aロケットエンジンも「実機」が展示されているのである。品川にある三菱重工本社ビルの1階にも同型エンジンが展示されていて、近くまで行った際には必ず挨拶することにしている。そのLE-7Aロケットエンジンを筑波宇宙センターでは間近で、生で見られるのだ! そもそも私とLE-7(LE-7Aの元になったモデル)との出会いは……いや、やめよう。この話を始めると、半日かかっても終わらないから。

50歳を過ぎたおっさん、大いにはしゃぐ。宇宙服で記念撮影
広報さん曰く「現在もっともリアルなモデル」の国際宇宙ステーション、日本実験棟の「きぼう」。もちろん実物大。大きい!
「きぼう」の中ではしゃぐおっさん。これなら海外から来たお客さんにも喜んでもらえるはず
愛して止まないLE-7Aロケットエンジン! しかも実機!
野外展示のH-IIロケット実機の前で記念撮影パート1……というかこの場所はアニメ「宇宙兄弟」で見たぞ!

 そんな筑波宇宙センター、興味のある人はぜひ見学すべきだし、成田空港に到着して時間に余裕がある時などはクルマで立ち寄るのに最適だと思う。まず何より成田空港から近いこと、駐車場があって見学時間はそう長くかからない。しかし、野外展示されているH-IIロケットの「実機」などは大迫力で見ごたえがある。海外からのお客さんを連れてきても喜んでもらえると思うし、家族連れで子どもがいる場合などはベストチョイスと言ってもいいぐらいだ。宇宙食っぽい(“ぽい”というところがポイント)お土産も買えるし、私は実際大人買いしたし。また、ここだけの話だがこの筑波宇宙センターは、アニメ「宇宙兄弟」の聖地でもある。そこかしこに“宇宙兄弟で見たことがある”ような景色を発見できるはずだ。

記念撮影パート2……というか背後のビルも「宇宙兄弟」で見たような気がするのだけど……
筑波宇宙センターでの戦利品。宇宙食的なアイテムを7000円分も買ってしまいました

 ちなみに、筑波宇宙センターでは現在、事前予約が必要ではあるが無料のガイド付き見学コースを催している。見学コースは、2015年9月末まで無料で、10月から有料となる。詳細は同センターのWebサイトを参照して欲しい。

筑波宇宙センターからの帰りに寄り道をしてみた

 筑波宇宙センターを出発、基本的には東京都心へ向かうルートを取ったのだが、遅めの昼食を取るためどこかへ立ち寄ろうということになった。そこでもサイバーナビが活躍する。まずはサイバーナビのユニークな機能である「テレビ de み~た」を使ってみる。この機能、現在地近隣にあるテレビで紹介されたスポット情報を、専用サーバーから得られるというものだ。

メニュー「Smart Loop」からテレビ de み~たを選ぶ

 テレビ de み~たに表示されるスポット情報から食事ができるところを探したのだが、困ったことに皆の意見がまとまらない。時間も時間だしそろそろ決めようということになって、今度はサイバーナビの周辺施設検索を使うことにした。サイバーナビでは現在地やルート近辺などから、ジャンルを選んで最大50件の施設を探すことができる。一部スタッフの「蕎麦が食べたい」という意見が採用され、ルート上にあった「蕎麦 金子」で昼食を取ることに。

意見がまとまらないので方向転換、「周辺施設」の検索にチャレンジ
「うどん・そば店」で検索してみる
その中から「金子そば店」を選んでみる
到着! やや遅めの昼食

 場所的には茨城県坂東市に位置する「蕎麦 金子」、もちろん初チャレンジだった訳だが大当たりを引くことができた。私はしらすご飯と蕎麦のセットを頼み、たいへん美味しく頂くことができた。特に蕎麦は大盛りにすれば良かったと後悔したほど。

しらすご飯と蕎麦のセット、美味しくいただきました

 エネルギー充填も終わったことだし、いよいよ最後の目的地である「百観音温泉」へと向かう。ここは、多少マニアックなことで知られるCar Watch編集長オススメの温泉スポットなのだそうだ。ここで利用したのがサイバーナビのフリーワード音声検索だ。やや分かりにくいと思われる(素人考えだが)「ひゃくかんのんおんせん」という発話を、ものの見事に一発で認識してくれる。ちなみに発話内容の認識は、通信機能を使ってサーバーに送られて行われている。

 この百観音温泉は、正確には「東鷲宮 百観音温泉」という。埼玉県久喜市西大輪にあり、パンフレットによれば「県内唯一の自噴温泉源泉温度57.0度」なのだそうだ。また、昨年4月のリニューアルで炭酸泉や寝ころび湯、無料のお休み処が新設された。

到着、百観音温泉

 大人気でお客さんが一杯で写真は撮れなかったが、いい雰囲気である。ちなみに台湾でも温泉は人気で、一部の温泉地では日本式の入浴方法も取り入れられている(男女別、全裸ということ)。なので台湾のお客さんを連れて行っても楽しんでもらえると思うし、もし違和感があるというならいくつかある貸し切り風呂を使ってもいいだろう(要予約なので注意)。もちろん大きな駐車場もあるので、クルマで行っても安心だ。

阿弥陀の湯 寝ころび湯
露天風呂 菩薩の湯
菩薩の湯 炭酸風呂
貸切風呂 鈴蘭の間

 温泉で旅の疲れを癒したら(ここではシミュレーションだけど)、いよいよ東京都心へ向けて出発だ……。

すぐ脇にある観音堂に祈願をするおっさん。「健康でいられますように」

新サイバーナビは音楽を旅する「ミュージッククルーズチャンネル」を搭載!

 さてこのシミュレーション中、ずっと試していたのがサイバーナビの新機能「ミュージッククルーズチャンネル」だ。最初にも書いたが今回発売された最新のサイバーナビにとって、この機能がもっとも大きなトピックなのである。このミュージッククルーズチャンネルをしっかり体感してもらうためなのだろう、デモカーであるN-BOXにはフロントにはセパレートスピーカー、さらにはサブウーファーも搭載されていた。なお、サイバーナビは「バイアンプ接続」にも対応しており、このバイアンプ接続だとトゥイーターとウーファーを異なるアンプで駆動させるため、高音はよりクリアに、低音は力強さがアップする。

HVT方式を採用し、超薄型を実現したサブウーファー、TS-WH500A。デモカーでは助手席の下に設置されていた
デモカー、車内後方の左右に設置されていた2ウェイサテライトスピーカー、TS-STH700。両面駆動のHVTユニットで、周囲が光るギミックも内蔵している
フロントスピーカーは、セパレートタイプのTS-C1720AII

 注目のミュージッククルーズチャンネルだが、これはレコチョクとのコラボによって誕生したサービス、機能である。レコチョクの定額音楽ストリーミング(配信)サービスである「replay」と連携し、サイバーナビで音楽ストリーミングを楽しめるというものなのだ。レコチョクのreplayは年間3000円の有料サービスだが、最新のサイバーナビには1年分の料金が含まれている。このため利用者は1年間、じっくり試してみて、有料契約をするかどうかを決められるということである。

 注意する点としては、スマホのアプリと連携するものなので、対応するスマートフォンが必要になるということ。もっともAndroidスマホとiPhoneに対応しているということだし、スマホを持っていない方が珍しい現状を考えると、これはさほど大きな障壁にはならないだろう。また、配信される楽曲はスマホで受け取り、それをBluetoothでサイバーナビに転送し再生するという方式。このためスマホの方でパケット代が発生することになる。

 実際に使ってみたわけだが、操作で面倒なことはなく、Bluetoothの接続はハンズフリー通話のため日常的に行っていることなので問題ない。操作はサイバーナビから行うことができるのだが、その内容がとにかくユニークなのだ。アーティストやアルバムを選ぶ、楽曲をタイトル指定で選ぶというスタイルではなく「チャンネル」を選ぶというのが基本になっている。だからこそのミュージッククルーズチャンネルなのだろうが、初期メニューでは「ヒッツ」、「特選アーティスト」、「マイチャンネル」の3つが並んでいるだけだ。

ミュージッククルーズチャンネルはサイバーナビで操作する

 例えばヒッツを選んでみよう。すると次に表示されるのはヒッツの中のチャンネル。それぞれのチャンネルは配信期限が決まっていて、どんどん入れ替わるようになっている。かなり多数のチャンネルが用意されているし、ミュージッククルーズチャンネル用の配信曲として100万曲以上が用意され、順次増やしていくという。これなら飽きるということはまず考えられない。ちなみにこのチャンネル、そしてチャンネルに含まれる楽曲はレコチョク側のチョイスとなっている。レコチョクが持つ豊富な楽曲、それこそ100万を超える楽曲から厳選されたものでチャンネルが構成されているということだ。

 ヒッツの下にあるチャンネルを見ると、年代別であったり、洋楽邦楽であったり、中には「目がシャキ!! 眠気ぶっ飛びBGM」といった気分で選ぶものもある。その中のひとつを選び、再生をタッチするとそのチャンネルに入っている楽曲が流れ始めるという仕組みだ。逆に言えば最後のチャンネルを選ぶまでは、中に何が入っているか「概要」しか分からないということである。興味のあるチャンネルを選ぶと、それに合わせた楽曲がセットで提供されるイメージだ。

ミュージッククルーズチャンネルのトップメニュー。選択肢はわずか3つと分かりやすい
例えばヒッツを選ぶと、さらにチャンネルが表示される

 チャンネルを決めて楽曲のリストを見て納得したら「再生」ボタンをタッチする。ちなみに楽曲は、リストの順番で再生される訳ではない。このあたりもユニークと言えばユニークなところだ。楽曲の再生が始まると、また画面が変化する。次の画面では再生されている楽曲のジャケット的な写真(アーティストであったり、イメージであったり)と、その右側に「キー曲」や「2000年代リリース」、「女性ヴォーカル」、「スローテンポ」といったジャンルが表示されるのだ。そしてこの「レコメンドチャンネル」からがパイオニアの出番。このジャンル分けというかジャンルへの分岐は、楽曲の持つテンポやジャンル、気持ちなどの属性情報をもとに、最大で24ものチャンネルを自動生成するというもので、パイオニアの独自技術によって実現されているのである。

 例えばチャンネルの中から特選アーティストを選んで楽曲を再生する。そのままだと、選んだアーティストの曲が流れ続けるのだが、ここでちょうど気分にピッタリのスローテンポな曲が楽しめたとする。しかし、そのチャンネルはスローテンポな気分で選んだわけではないので、次の曲が場合によってはアップテンポになるかも知れない。そんな時は迷わずレコメンドチャンネルの中から「スローテンポ」をタッチすればいいのだ。そうすると今度はパイオニアの技術で選択されたスローテンポな楽曲が続けて再生されることになる。つまり、ドライブ中に音楽を聴いていて、「この曲が今の気分にあうな」と思ったら、その気分に合わせた楽曲を選んで再生することができるのである。

 クルマの中で音楽を楽しもうとする際、ほとんどの人は自分の好みで「特定」の楽曲を選ぶ。それは過去に聞いたことのある曲、アーティストなどで決められる。だが、これでは新しい出会いが無い。そこでミュージッククルーズチャンネルでは“新しい音楽との出会い”を利用者に提供する、レコメンド(推薦)機能を前面に打ち出したのだ。利用者の好みなどをパイオニア独自の技術で解析し、replayの豊富な楽曲からチャンネル化して提供する。これにより利用者は、自分の好みの音楽ジャンルと嗜好性の中で“新たな出会い”を果たすことができるわけだ。

 気分で選んでもいいし、ジャンルで選んでもいい。面白いことに季節や時間、シーンでチャンネルを選ぶこともできる。夏には夏にピッタリの楽曲を、それも今まで聴いたことがないもの(でも好みのもの)を提供してくれるというのだ。さらには歌詞を表示する機能や楽曲のボーカルパートを絞るBGMモードなども用意されており、例えばリアモニターに歌詞を表示してBGMモードにすればクルマの中でカラオケが楽しめる。

ジャンルや気分などで選べるチャンネルがズラリと並ぶ
おっ?「アニソン名曲選」ってのがあるな……
アニソン名曲選を選ぶとそこに登録されている楽曲が表示され、再生準備が整う
特選アーティストに「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんがあるのは、サイバーナビとしては当然(イメージキャラクターですから)
replayには歌詞を表示させる機能もある。それをHDMI入力でつなぐことによりモニターに表示させることもできる
歌詞をリアモニターに表示させてBGMモードと組み合わせれば、後席でカラオケ大会も!

 カーオーディオと言えばカロッツェリア。そのカロッツェリアブランドのカーナビが搭載する新世代の機能なのだから、これぐらい思い切ったもので私はいいと思う。ちなみにクルマの中で「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんの曲を聴いたのは、私にとってファーストエクスペリエンスでした、はい。

ミュージッククルーズチャンネルがあったからこそのファーストエクスペリエンス。高橋、きゃりーの曲を熱唱(手にしているのは電子タバコです)

 ちなみに海外からたずねてくる私のお客さんは、主に台湾からいらっしゃる。その台湾ではごく日常的に日本の楽曲(いわゆる邦楽)が流れていて、日本のアーティストのファンも大勢いるのだ。そういった人にドライブ中、音楽を楽しんでもらうのにもこのミュージッククルーズチャンネルは大活躍してくれるだろう。私に「最近、日本でヒットしている女性ヴォーカルの曲は?」なんて聞かれても、まったく分からないのだから。そんな時はミュージッククルーズチャンネルに頼るまでだ。

やっぱり気になるので羽田空港へ行ってみた

 ミュージッククルーズチャンネルの機能を楽しみつつ(さすがに後席でカラオケはしなかったが)、百観音温泉にある百観世音菩薩を祭った観音堂に祈願し、ようやくシミュレーションも終わりだと思った矢先、スタッフの一人からとんでもない発言が。

 「やっぱり羽田へ行きましょう!」

 いやいや、空港だったら成田へ行きましたよね? するとスタッフ曰く「台湾からのお客さんは羽田にも来ます。そして新宿―羽田方面なら、あれが開通したじゃないですか、あれが」とのこと。そうか、あれか、あれを通るというのは確かにアリな話かも知れない。もちろん「あれ」というのは、新宿や渋谷方面から羽田空港のある湾岸線に直結する中央環状品川線である。今年の3月にその中央環状線が全線開通したのだ。これによって状況次第では新宿―羽田間の所要時間が半分になったとまで言われている。

 実は私、何度かそのルートを走っている。もちろん海外からのお客さんを送迎したわけだが、一度は自分が渡航するために羽田へ向かった。確かに所要時間は短縮されたし、渋滞も緩和されたと思う。もっとも「半分の時間で到着する」というのは状況次第なので、なんとも言えないが。

 どうしても気になると言われれば、やはり行かねばなるまい。サイバーナビのルート通りに羽田空港へ向かう。多少渋滞に巻き込まれながらも到着した羽田空港は、すでに夕方となっていた。さあ、ここからが本番だ。サイバーナビで目的地を新宿駅にセットし、ルートを探索してみる。すると来ましたね、例の中央環状線が! 時間も遅くなっていたのでさっそくスタート、これがもうあっという間に新宿へ到着してしまった。

 これで本日の「おもてなし」シミュレーションは無事終了。

 「成田空港で出迎え、筑波宇宙センターを見学してから昼食。百観音温泉に寄ってから都心部へ(実際は羽田へ行ったのだけど)」

 「羽田空港で出迎え、そのまま都心部新宿方面へ」

 この2つのシミュレーションを最新サイバーナビで試すことができた。よく走ってくれたホンダのN-BOXにも感謝しつつ、ふと思うのは「羽田から新宿へ向かうのはいいが、チェックインまでに時間がある場合はどうするか?」ということだ。これはまた別の課題、何かシミュレーションしておいた方が良さそうだ。

羽田空港から新宿方面(実際にはスタッフを降ろすため池袋を設定)に向かうルート。ナビは、中央環状品川線を通るルートを示している
「6ルート」でルートの内容を詳細に比較
サイバーナビにセットされるクルーズスカウター「ND-CS」で記録した中央環状品川線の動画。品川線が開通したおかげで、湾岸線大井料金所から、新宿駅最寄りの初台南出口までたった13分程度で到着した

サイバーナビはひとつの「カー」ライフスタイル

 カーナビのマップは最新に限る。今回、つくづくそう思った。偶然、同行したクルマが2世代前のサイバーナビを搭載しており、そのマップデータが更新されていなかったため、そんな思いがより一層強まった。そうなると際立ってくるのがサイバーナビではお馴染みの「マップチャージ3年分付」。要するにマップデータを最新データにバージョンアップできるサービスが、3年分ついてくるのだ(最新モデルの場合、2015年5月~2018年4月まで)。ちゃんとバージョンアップを実行すれば、3年間は最新データのマップでルート探索ができる。もちろん私の前サイバーナビも、ちゃんと定期的に最新データにしている。このため新宿―羽田間の首都高速中央環状線、全線開通も反映されている。

 もちろん最新のマップデータをフルに活用できる機能がサイバーナビには用意されている。さすがは最先端カーナビだけあって、基本機能、性能の充実ぶりはトップクラスと言って過言では無い。そして、それを支えているのが標準付属(一部機種はオプション)する通信機能だ。通信モジュールを介してサイバーナビはリアルタイム情報を入手し、あるいはサーバーと通信を行って的確な情報を利用者に提供する。

 先進性に富んだ機能もサイバーナビの特長と言える。スカウターユニットを介して取り込んだ映像に、仮想現実(AR)を加味して表示する機能は近未来を感じさせる。また、最新モデルはオプションとなったが、私の愛してやまないAR HUD(ヘッドアップディスプレイ)ユニットは、クルマの運転席をコクピットに変えてくれる。

クルーズスカウターで撮影した映像にルートを重ねる。仮想現実、すなわちAR技術が取り入れられている

 そういったサイバーナビならではの部分を残しつつ、最新のサイバーナビはミュージッククルーズチャンネルという新たな機能を手に入れた。ミュージッククルーズチャンネルは、利用者の嗜好性に合わせつつも、新たな楽曲やアーティストとの出会いを演出してくれる。ミュージッククルーズチャンネル自体は車内で楽しむものであるものの、そこでの音楽との出会いは、クルマの中だけに収まらない可能性を持っていると言えるだろう。

 ミュージッククルーズチャンネルで新たな出会い、エクスペリエンス(体験)をクルマの中で得て、それをクルマの外にも持ち出す。音楽に対する好みはライフスタイルの一部だと思うのだが、それを進化させてくれるかも知れない。いや、場合によっては「変革」してくれると言ってもいいだろう。それまでロックしか聴かなかった人が、ポップスに目覚める、アニソンが好きになる可能性だってあるのだ。

 革新的な技術の次に待っていたのは、革新的な音楽体験。常に新しい何か、新しいカーライフのスタイルをサイバーナビは提案してくれる。あとはそれを存分に楽しめばいい。もちろん安全運転でね。