【2011フランクフルトショー】
「フォルクスワーゲングループナイト」開催

VW up!やポルシェ911新型をショーに先駆けて公開

2011年9月12日(現地時間)開催



 フランクフルト・モーターショーのプレスデー初日を翌日に控えた9月12日(現地時間)、フォルクスワーゲングループがモーターショー前日の恒例となっている「グループナイト」を開催した。

 開催地のフランクフルト・ボール・スポーツ・パークには、本来なら翌日にワールドプレミアを予定している各ブランドの車両を一足早く見れるとあって、世界中の43カ国から2300人のジャーナリストが駆けつけ、会場内は超満員となっていた。

 グループナイトの先陣を切ったのは、グループの中核であるフォルクスワーゲン。公開されたのは、同ブランドでもっともコンパクトとなる「up!」。最小限のボディーサイズだが、最大限の室内空間を生むために試行錯誤を繰り返し、他のライバル車にはないユーティリティを備えている。環境性能に特化しているのも特徴で、CO2排出量は79g/kmとクラストップレベルとなる。現状では内燃機関を動力としているが、2013年にはピュアEVモデルも発売されることが決まっている。

 up!とともにコンパクトカーのセグメントとして注目を浴びていたのが、アウディ「A2コンセプト」。“アーバンモビリティ”というキーワードを元に開発された車両で、都会での使い勝手を最大限に考慮した新しいスタイルを提案している。
 
 そして、グループナイトのハイライトとなったのがポルシェの新型「911」。新型を発表する前のショーでは、歴代の911シリーズが並び、それらが壇上から掃けると新型911が登場するという演出だった。ポルシェAGの社長であるマティアス・ミュラー氏によると「新型911は、スタイリングの進化や動力性能やシャシー性能の進化もさることながら、ステアリングを握ってみると新型911がどのように変わったのかが一番分かってもらえる」と語っていた。

 フォルクスワーゲングループは、up!のような実用的な環境性能車からランボルギーニ、ブガッティのようなスペシャリティマシンまでラインアップする一大グループだが、共通していることは自動車のサステイナビリティ(持続可能性)と言う。一見、飛び抜けたクルマに見えるランボルギーニやブガッティだが、軽量化のためにカーボンコンポジットを多用するなど、他社にはない優位性を持っている。CO2の排出量や燃費でいえば、環境性能の高いup!やA2コンセプトがある。

 全方位的に新技術や環境技術で、持続可能な自動車文化を創造していくというフォルクスワーゲングループの意欲が見えた前夜祭だった。

フォルクスワーゲンup!
アウディA2コンセプト
アウディRS5。フロントまわりのデザインが一新した
ポルシェ新型911
ランボルギーニのガヤルド・トロフェオ・ストラダーレ。レースカーをベースにした市販車で限定150台のみ生産される
ブガッティ・ヴェイロン。ベルリンにある王立の陶磁器メーカーとコラボレーションしたスペシャルモデル
ベントレーはコンチネンタルGTCを公開来年からWRCのエントリーするポロとDTMに参戦するA5も併せて公開された

(真鍋裕行)
2011年 9月 13日