2013フランクフルトショー

フランクフルトショーのキックオフイベント「フォルクスワーゲングループナイト」開催

ポルシェは「918スパイダー」をワールドプレミア

e up!をベースとしたカーゴタイプ「e.load up!」も公開
2013年9月9日開催

ドイツ フラポートアリーナ

 モーターショーの前夜祭として毎回開催される「フォルクスワーゲングループナイト」。フランクフルトショーの開幕前夜となる9月9日も、フランクフルト近郊のフラポートアリーナで同イベントが開催された。

会場の幕が上がるとまず登場したのは、エレクトロポップの第一線を引っ張るペットショップボーイズ。彼らは開幕、閉幕の両方で演奏を披露した

 フォルクスワーゲングループは現在、2輪のドゥカティ、トラックのスカーニアを含めて12のメーカーを数える。全メーカーのラインナップは合わせると280モデル、生産台数も800万台を超えて、自動車メーカーのアライアンスとして一大勢力を築いている。

 好調な業績を維持するために、フォルクスワーゲングループの会長Drヴィンター・コルン氏は「常にクリエイティブなモデルを作り続け、電気自動車などの分野でも主導権を握れるように技術革新や新たなモデルの導入を惜しまない」と語っていた。

 今回のフォルクスワーゲングループナイトでは、ヴィンター・コルン氏の言葉どおりに新たなパワートレーンを搭載した新型車やコンセプトカーが初公開されている。

 もっとも注目を浴びた1台は、やはりポルシェのニューモデル。911の発売から50周年となる記念の年にワールドプレミアされたのは、ハイパフォーマンスハイブリッドカーの「918スパイダー」。3つのパワーユニットで発生する最高出力は880PS以上でありながら、3L/100kmという省燃費性も併せ持つ次世代のスーパースポーツ。「eパワー」と呼ばれるEV走行も選択でき、16~32kmならば電気モーターの駆動力のみで走行可能。

ワールドプレミアされた新世代のスーパースポーツマシン「918スパイダー」

 918スパイダーとともにトピックとなりそうなのが、アウディが初公開した「ナヌーク・クワトロ・コンセプト」。フォルクスワーゲングループに参画したイタルデザインがエクステリアデザインを仕立て、アウディのクワトロユニットとV10 TDIのエンジンをミッドシップに搭載。5.0リッター V型10気筒エンジンは、最高出力が544HP、最大トルクが1000Nmという超ハイスペックな仕様となる。

アウディから初公開されたスポーツアクティビティ・ビークルの「ナヌーク・クワトロ・コンセプト」。省燃費性能に優れたディーゼルエンジンを搭載しながら、0-100km/h加速は3.8秒と俊足
アウディからは、A3カブリオレも初公開された

 また、フォルクスワーゲンはゴルフ7をベースとした「ゴルフスポーツバン」と、商用部門からe up!のカーゴタイプとなる「e.load up!」をお披露目した。ゴルフスポーツバンは、GTIのDNAを受け継ぐためスポーツという名が付けられたという。ボディーサイズはゴルフ7に対して全長が83mm長い4338mmとなる。

ゴルフ7をベースに、使い勝手を向上させてスペースを拡大させた「ゴルフスポーツバン」。スポーツ性を持たせながらスペース効率を向上させたのが特徴

 e.load up!は、ライトコマーシャルビークルという名称を持つモデル。駆動力はモーターのみのピュアEVで、都市内で小さな荷物を運ぶ移動手段に使うことを想定しているそうだ。

都市型の商用バンとしての使用が想定されているe.load up!。動力は完全に電気のピュアEVとなる

 フォルクスワーゲングループナイトでは、翌日からのモーターショーに先駆けて注目のモデルをお披露目していたが、モーターショーでもさらなるニューモデルやワールドプレミアが用意されているので、今後のレポートに注目してもらいたい。

各メーカーごとの車両のお披露目の間に設けられたのは、グループ内のPHVやピュアEVモデルの紹介。フォルクスワーゲンからeゴルフとe-up!、アウディからA3 e-tron、ポルシェからパナメーラS eハイブリッドが登場した
50周年を迎えたランボルギーニはガヤルドの限定モデルとレースカーをお披露目。ブランパンのレースカーとGT3に挟まれたホワイトのガヤルドは「LP570-4スクアドラ・コルセ」
ベントレーからは、コンチネンタルGTのスポーツモデルとなる「V8S」が初登場

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。