2013フランクフルトショー

日産、3列シート7人乗りもある新型「エクストレイル」公開

本格的なクロスオーバーモデルとして各部を刷新

プレスカンファレンスではカルロス・ゴーン社長が新型エクストレイルの紹介を行った
2013年9月12日~22日(現地時間)

独フランクフルト Messe Frankfurt

 日産自動車の人気SUVである「エクストレイル」が3代目に進化した。初代から2代目にスイッチした際には“究極のキープコンセプト”と言われたものの、蓋を開ければ世界中で大ヒットモデルとなった。日本でも「クリーンディーゼルモデル」の投入など、さまざまなニュースを提供してくれた1台だ。

 今回の新型エクストレイルは、直線基調のSUVらしいデザインが特徴だった初代/2代目から一新し、曲線を用いたスタイリッシュでモダンなデザインに変貌しているが、V字型のグリルを採用するフロントマスクはこれまでのイメージを残すものの、全体的な雰囲気は「ミニ・ムラーノ」といった印象。

 インテリアの変貌はエクステリア以上で、カジュアルな“道具感”があった初代/2代目に対し、インフィニティをも彷彿とさせる高級感あふれるデザインになっている。また、今回のモデルから3列シート仕様の7人乗りが設定されたのも特徴だ。また、装備面では新たにスマートフォンを使う「ニッサンコネクト」を搭載し、Googleとの連携を可能にした。

「本格SUV」というイメージが強かった初代/2代目に対し、今回発表された3代目はクロスオーバーSUVを彷彿とさせる都会的なデザインに大変身。しかし、オフロード性能を含めた走りのよさは健在と言う
3代目は数多くの電子制御システムを採用しているのも特徴だ。「アクティブ・ライドコントロール」や「アクティブ・トレースコントロール」は、オンロードでの走行性能を向上させるアイテム。プラットフォームは、ルノーと日産が共同開発した新世代プラットフォーム「CMF(コモン・モジュール・ファミリー)」を採用。同日に北米では兄弟車の「ローグ」も発表された
インフィニティモデルを思わせる高級感あるインテリア。全世界190カ国で発売を予定しているグローバルモデルと言う位置づけのため、今回のフルモデルチェンジはSUV性能以外の部分も大きく強化された

 プラットフォームはルノーと日産が共同開発した、新世代プラットフォーム「CMF(コモン・モジュール・ファミリー)」を初採用。4WDシステムは、先代モデルでも好評だった「オールモード4×4-i」を採用する(FF駆動も設定あり)。

 新たなアイテムとしては、路面状況に応じて車体の動きを推測し制御を行う「アクティブ・ライドコントロール」、減速が必要な時にCVTを制御する「アクティブ・エンジン・ブレーキ」、各センサーが車両の状態をモニタリングし、4つのタイヤを制御することで濡れた路面でも安定して走行が可能な「アクティブ・トレース・コントロール」など、電子制御システムが数多く盛り込まれているのも注目のポイントだ。

 パワートレーンは具体的な説明はないものの、「摩擦抵抗を軽減させ新しいエンジンは小型車並みの経済性/環境性能とともに、大型エンジン並みの出力を実現」との説明文がある。ちなみに、同日に発表された北米向けの兄弟車「ローグ(先代モデルはデュアリスの兄弟車)」は、ガソリンの直列4気筒2.5リッターエンジンを搭載している。クリーンディーゼルの2.0リッターターボもラインアップされるかもしれない。

 新型エクストレイルは、世界190カ国で発売されることが予定されており、同社のWebサイトでもすでに「ALL NEW X-TRAIL 2013-2014 WINTER DEBUT」と銘打ったティザーサイト(http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/NEW/)も開設しているので、日本での発表もそう遠くない時期に行われるだろう。

グリーンに加えホワイトの新型エクストレイルも展示されていた
e-NV200のタクシー仕様。すでにNV200のタクシーはニューヨークなどで採用されることが決定している

山本 晋也