2011 SEMA SHOW
【韓国車、国産チューニング車編】


SEMAでは韓国車の存在が増している。写真はヒュンダイブース

会期:11月1日~4日(現地時間)
会場:LAS VEGAS CONVENTION CENTER



 西海岸のチューニングやカスタマイズベースといえば数年前までは、アメリカブランドか日本車が圧倒的で、少数の欧州メーカーという比率だった。しかし、ここ数年で、韓国車をベースにしたデモカーも一気に増えており、マーケットとしても見込みがあるようだ。また、ヒュンダイの「ジェネシス」や「ベロスター」は、手ごろな値段設定もあり若年層に支持されていると言う。そんな人気もあり、ヒュンダイとキアの韓国メーカーが、SEMAショーに出展している。

 ヒュンダイは、パイクスピークヒルクライムに参戦しているリース・ミレン選手が、ラリークロスにエントリーする「ベロスター」のラリー仕様車、「ジェネシス」にV8を搭載したモデルやV6にスーパーチャージャーを組み込んだハイパフォーマンスカーなどを展示していた。

 一方のキアは、コンパクトハッチ「RIO」と、レースカーやミドルクラスセダンの「オプティマハイブリッド」をベースにしたカスタマイズカー、アメリカ国内のツーリングカー選手権(USTCC)のセーフティカーを公開していた。

ヒュンダイ

RHYS MILLEN RACINGが製作したベロスターのラリー仕様。直列4気筒 2.0リッター ターボエンジンを搭載している。最高出力は300HP、最大トルク300lb-ftを発揮する
ヒュンダイアメリカのテクニカルセンターで開発されたV6スーパーチャージャー仕様のジェネシス。3.8リッターエンジンから生み出されるパワーは、最高出力450HPをマーク
V8エンジンを搭載した「ジェネシスRM500」は最高出力500HPを発揮する。フロント、サイド、リアともにリップ部分にカーボンを使うことで高級感とスポーティさを演出している
韓国に国内最大級の生産設備を持つ「ARK Performance」が製作したベロスターのレースモデル。直列4気筒の1.6リッター ターボエンジンは、最高出力210HPをマークする。エンジンカスタムや外装デザインは、すべて自社で行なっている


キア

コンパクトカーが競い合うB-SPECに参戦するために製作された「Rio 5-Door Kinetic B-Spec」。内装はドアやフロアの内張りがはがされ、必要最低限の装備に、ロールケージやバケットシートがセットされている
「Forte 5-Door Antenna Hockey Hatch」。アイスホッケーのクラブチームとのコラボレーションでデザインされている車両。ボディーカラーはアイスメタリックグレー
「OPTIMA HYBRID WEST COAST CUSTOMS INSPIRED BY BLAKE GRIFFIN」。バスケットボールをイメージしたボディーペインティングが特徴的で、フィンデザインの20インチホイールが足元を引き締めている
「Optima Hybrid USTCC Safety Car」。ツーリングカー選手権のセーフティカーとして使われるモデルで、サスペンションやブレーキなどの機能パーツを変更している


国産車ベースのチューニングカー
 韓国メーカーのデモカーが増えているといいつつも、日本車をベースとしたショーカーは、アメリカブランドを除けば会場内でダントツの数を誇っている。その中でも、昨年までは数が少なかった「GT-R」がかなり増えてきた。メーカーのブースやチューニングデモカー、エンジン出力を1000PS以上にもアップしたマシンまでそろっている。

 日本国内でも販売開始から4年目となり、中古車の相場もこなれてきていてセカンドオーナーが乗り出しているが、アメリカでも同様のことが言えるようだ。そのほかには、東京モーターショーで国内デビューする次期インプレッサのカスタマイズカー、レクサスLF-Aもお披露目されていた。

ENEOSブースに展示してあったGT-R
国内でも多くのメーカーが使用しているクラッチメーカーEXEDYのブースに並べられたGT-R
アメリカのチューナーJOTECH MOTORSPORTSが製作したGT-R。チューニングレベルによってステージ1~5まで用意され、ステージ5は1100PS以上のパワーを生み出すと言う
2台ともJOTECKのインテークマニホールド装着などカスタマイズを施してある
21インチのピアスボルトが付いた、2ピースホイールが特徴的なGT-R
リアをワイドフェンダー化し、幅広のタイヤを装着したGT-R
フロントリップやサイドステップを追加し、ツートーンカラーに仕上げたGT-R
つや消しブラックのトランクに、GTウイングを取り付けたGT-R
フロントリップ、サイドステップ、リアアンダーをブラック塗装し、スポーティルックスにしたGT-R

BUSHWACKERブランドのエアロパーツを装着している新型「インプレッサ」。アンダーガードが付いたバンパーやフードプロテクター、フェンダーアーチなどが取り付けてある
FALKENブースに展示されていた「LF-A」。タイヤは22インチを装着している

(真鍋裕行)
2011年 11月 9日