【2013ジュネーブショー】

トヨタ、「86」のオープントップ「FT86 オープン コンセプト」を世界初公開

超小型2人乗りEV「i-ROAD」「オーリスツーリングスポーツ」も展示

オープントップの「FT86 オープン コンセプト」
2013年3月7日~17日(現地時間)

スイス ジュネーブ

GENEVA PALEXPO

プレスカンファレンスのステージに走って現れたFT86 オープン コンセプト

 ワールドカーオブザイヤーの最終ノミネートや欧州カーオブザイヤーの次点など、世界的に評価され注目を浴びている「86」。今回のジュネーブショーでは、次期モデルを示唆する「FT86 オープン コンセプト」が世界初公開された。

 ソフトトップを使用したFT86 オープン コンセプトは、ルーフ以外のボディーデザイン、エンジン、プラットフォームなどは86と同様で、かなり自然で現実的なフォルムに仕上がっている。ボディーカラーはホワイトで、ソフトトップはネイビーブルー。ホイールも同様のツートーンカラーになっている。外装は86からの変更点は見受けられないが、インテリアに目を移すと多く部分で異なることが分かる。

 まず、ダッシュボードやシートなどにはレザーが使われていて、スポーティな印象から一転して質感の高さを演出している。カラーリングは外装と同様のツートーンで、フロアにはアクセントとしてゴールデンイエローが使われている。インテリアのデザインや外装のカラーリングはミラノのデザイナーが提案したそうで、クーペの86とは異なる世界観に仕上がっていてユニークな存在だ。

 市販化への具体的な道筋は不明だが、FT86 オープン コンセプトの反響を見つつ最終決定が行われるのだろう。

FT86 オープン コンセプトのボディーサイズは4240×1775×1270mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2570mm。タイヤはピレリのPゼロを履いていて、サイズは前後とも225/35 R19。ホイールのデザインもオープンコンセプト専用となっている
ダッシュボードやシートなどインテリアはレザーで統一されている。カラーリングはソフトトップやボディーカラーと同様で、ホワイトとネイビーブルーのツートーン

 FT86オープンコンセプトと同じく世界初公開となったパーソナル・モビリティ・ビークル(PMV)の「i-ROAD」。

 前後2人乗りのi-ROADは、バイクのような使い勝手のよさを持ちながら、旋回Gに合わせて車体の傾きを最適かつ自動的に制御する新開発のアクティブリーン機能を採用。ドライバー自身がバランスを保つことなく安全に走行ができるのが特徴と言う。パワートレーンは2Kwの電動モーターが2つ装備されていて、最高速は45km/h。1回の充電で50kmの走行が可能になっている。

 最寄り駅から最終目的地への数kmの移動を想定していて、カーシェアリングのような運用方法を考えている。2014年末からフランスのグルノーブルで実証実験が開始されるそうで、70台のPMVと充電ステーションなどのインフラが用意されるとしている。

i-ROADのボディーサイズは2350×850×1445mm(全長×全幅×全高)。ステアリングを操作すると操舵輪のリアホイールが動く仕組みとなっている

 オーリスツーリングスポーツの量産モデルもワールドプレミアの1つとなった。Cセグメントのワゴンでは初となるハイブリッドモデルが用意されたことがトピックになる。

 エンジンのバリエーションはハイブリッドモデルのほかに、1.33リッターと1.6リッターのガソリン、1.4リッターと2.0リッターのディーゼルをラインアップ。ハイブリッドエンジンは、プリウスなどが使用する4気筒の1.8リッター。NOxやPMなどの排出量はディーゼルモデルよりも少ないうえに、CO2の排出量も85g/kmとクラストップの数値をマークする。

 また、リアシートを倒すことで生まれる1658Lのラゲッジスペースなど、使い勝手のよさにも十分配慮したツーリングワゴンとなる。

オーリスツーリングスポーツ

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。