東京モーターショー2013
スズキは個性豊かな「ハスラークーペ」などをワールドプレミア
日本車離れしたスタイルの「クロスハイカー」、ジムニーベースの「Xランダー」も
(2013/11/21 18:02)
スズキの東京モーターショーのテーマは「新しい物語をつくろう」だ。これは「商品」と「技術」を通じて、世界のさまざまな地域のお客様に、ワクワクする「新しい物語」を作っていただきたいとの思いが込められている。
今回はコンパクトクロスオーバー「Crosshiker(クロスハイカー)」、ハイブリッドの4WD車「X-LANDER(エックス・ランダー)」、クロスオーバークーペ「HUSTLER Coupe(ハスラークーペ)」などをワールドプレミアした。
日本車離れしたスタイルのクロスオーバーモデル「クロスハイカー」
クロスオーバーモデルの「クロスハイカー」は、2011年の東京モーターショーで発表を行った「レジーナ」で採用された、次世代軽量プラットフォームを用いたモデルだ。このクロスハイカーについて、四輪デザイン部の結城康和チーフデザイナーは「コンパクトカーはありきたりなスタイルになりがちなので、それを打破するための提案の1つになります。“エコカーに見えないエコカー”がテーマです」と語る。
コンパクトなサイズながらも、ボリューム感あるボディーにコンパクトなキャビンで構成されるプロポーション。日本車離れしたスタイルで表情豊かな造形をしているのが特徴だ。
インテリアは、次世代の操作系(音声入力)の概念を取り入れた「パーティクルインターフェイス」が採用され、前衛的かつスポーティな印象だが、どこか懐かしい感じのするブラック×レッドのカラ―コーディネートに仕上げている。
パワートレーンは直列3気筒1.0リッターエンジン「K10」をベースに、デュアルジェット、進化した「エネチャージⅡ(回生量アップ&駆動力にも使用可能)」、アイドリングストップシステムなどを採用する。トランスミッションはCVTを採用。
次世代軽量プラットフォームは、レジーナからさらなる改良が施され、軽量素材を使用せずに、車両重量は軽自動車並みの810kgを実現。パワートレーンと合わせて、動力性能や環境性能、燃費性能も高いレベルで両立している。
ジムニーベースの小型4輪駆動車の新しい提案「Xランダー」
「Xランダー」は、ジムニーをベースにした小型4輪駆動車の新しい提案だ。
スズキのSUV伝統の5分割のフロントグリルを用いたエクステリアは、力強さと精密でメカニカルなイメージの融合がテーマになっている。Xランダーについて、前出の結城チーフデザイナーは「今回、ほかのメーカーで軽オープンスポーツのコンセプトが提案されていますが、Xランダーも“オフロードスポーツ”としての軽オープンの提案です。造形や表現方法は現行ジムニーとは異なるのですが、一目でジムニーと分かるスタイル。ポルシェ911のような進化ですね」と語っている。
インテリアは、フレームで構成された空間にウォータープルーフの樹脂素材が組み合わされた機能的なデザイン。ディスプレイにはタイヤ付近の映像がリアルタイムで表示され、オフロード走行で気になる死角を気にすることなく走ることが可能。これは他モデルでも展開してもらいたいアイテムだ。
パワートレーンは、直列3気筒1.2リッターデュアルジェットエンジンに自動変速マニュアルトランスミッション(シングルクラッチ)と4WDシステムを組み合わせ、さらに高効率モーターを組み込んだ1モーターハイブリッドシステムを搭載。それに対しシャシーは、ラダーフレーム+リジットサスペンションと、ジムニーの伝統はしっかりと継承されている。
軽自動車以上ジムニー未満の「ハスラークーペ」
「ハスラークーペ」は、軽自動車以上ジムニー未満というクロスオーバーモデルとして開発された、市販予定の参考出品車である「ハスラー」をベースに、バリエーションの幅を広げるための提案モデルとなる。軽自動車での「クロスオーバークーペ」というのは新ジャンルでもある。
後方に向けてダイナミックに下がるルーフライン、大きく傾斜させたリアスタイルは、まさに4ドアクーペ。イメージ的にはMINIクロスオーバーに対するMINIペースマン、BMW X5対するX6という感じによく似ている。
クーペと言うことで、専用デザインの前後ランプ、アルミホイール、ピラー埋め込み式のドアハンドルなどはハスラーと差別化。細部に至るまでこだわりのデザインになっている。
今回のモデルはデザインの提案モデルであるものの、パワートレーンやメカニズムなどはハスラーに準じており、エネチャージ+アイドリングストップ機能付きの0.66リッターエンジンとCVTを採用する。