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写真で見る スズキ「ハスラー」
(2013/12/30 00:00)
新型車ラッシュで盛り上がりを見せているSUV市場。そこに殴り込みをかけるのがスズキ「ハスラー」だ。同社にはジムニーという長い歴史を持つ本格4駆があるが、こちらは軽自動車のカテゴリーで人気のセミハイトワゴンとSUVを融合させた、まったく新しいジャンルのクルマだ。
エクステリアは短いボンネットに立てたAピラー、そして軽自動車枠一杯に使ったロングルーフ&スクエアキャビン、そこに165/60 R15サイズの大径タイヤを装着した個性的で存在感のあるスタイルを採用。このSUVライクなルックスはダテではなく、180mm(4WD車は175mm)の最低地上高に加え、アプローチアングル28°、デパーチャーアングル46°を確保。ワゴンRと比較するとそれぞれ+25mm、+3°、+5°のアドバンテージを得ており、普通の乗用車では躊躇してしまうような起伏のある路面へのアプローチを可能するなど、決して見た目だけではない実力の持ち主でもある。
その一方で室内はワゴンRと同等のスペースを確保しつつ、豊富な収納スペースやシートバックテーブルなどの充実したユーティリティ、多彩なアレンジを可能にするシートや汚れが拭き取りやすい素材を採用したラゲッジの採用など、ワゴンらしい使い勝手のよさを踏襲。加えて運転席シートヒーターやヒーテッドドアミラー、リアヒーターダクト、ヒーターの効きはじめ時間を短縮する「CVT温水カットバルブ」といった寒冷地向けの装備が充実するなど、SUVならではの快適性も併せ持っているのだ。
パワートレーンはエンジンが自然吸気とターボ、トランスミッションが5速MTとCVT、駆動方式が2WD(FF)と4WD、とそれぞれ2タイプずつ用意される。ただし、ターボエンジン搭載車はCVTとの組み合わせのみとなる。
エンジンはおなじみの直列3気筒DOHC12バルブの「R06A」ユニット。自然吸気ユニットのスペックは最高出力38kW(52PS)、最大トルク63Nm(6.4kgm)。一方のターボユニットは最高出力47kW(64PS)、最大トルク95Nm(9.7kgm)と、最重量モデルでも900kgを切るボディーには十分すぎるほどパワフルといえるスペックを備えている。
パワートレーン系のSUVらしい装備となるのが「ヒルディセントコントロール」と「グリップコントロール」。前者は急な下り坂などでブレーキを踏まずとも約7km/hの一定速度を保持してくれるもの。後者は滑りやすい路面でスリップする側のタイヤにブレーキをかけ、グリップする側のタイヤに駆動力を集中することで発進をサポートするもの。どちらも最近のSUVには必須といえる装備だが、軽自動車ではこのハスラーが初搭載となる。
エコ系の装備では、スズキ独自の「エネチャージ」「新アイドリングストップシステム」「エコクール」からなる「スズキグリーン テクノロジー」を搭載している。同機能はすでに多くの車種に搭載されているが、ハスラーに搭載されるアイドリングストップシステムはエアコン使用時の作動状態を燃費優先、標準、快適の3モードから選択できるほか、非作動時の理由をインフォメーションディスプレイに表示する機能を備えるなど、もっとも進んだバージョンとなる。
この結果、JC08モード燃費は自然吸気エンジン搭載の2WD CVT車(G)で29.2km/L、ターボエンジン搭載の4WD CVT車(Gターボ)でも25.0km/Lの省燃費を実現。CVT車は全車エコカー減税の免税(100%減税)対象となっている。
また、安全装備として、いわゆる衝突被害軽減ブレーキの「レーダーブレーキサポート」をはじめ誤発進抑制機能、急ブレーキをハザードランプの高速点滅で後続車に伝えるエマージェンシーストップシグナル、ESP&EBD付き4輪ABSをAグレードを除くCVT車に標準装備している。
グレードは自然吸気エンジン搭載車が「A」「G」「X」の3タイプ、ターボエンジン搭載車が「Gターボ」「Xターボ」の2タイプ。全グレード2WDと4WDが選択できるが、5速MTを選択できるのはAとGのみとなる。価格は104万8950円~157万6050円。
ボディーカラーはモノトーン5色のほか、ルーフをホワイトまたはブラックとした2トーンルーフをそれぞれ3色の、計11パターンを用意。ホワイト2トーンルーフ車には新色の「パッションオレンジ」「サマーブルーメタリック」「キャンディピンクメタリック」が設定される。