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写真で見る トヨタ「ヴォクシー」「ノア」
(2014/2/3 11:50)
「タウンエース」「ライトエース」の流れをくむトヨタのコンパクトミニバン、それが「ヴォクシー」「ノア」だ。ヴォクシーがネッツ店、ノアがトヨタカローラ店で販売される兄弟車で、2001年デビューの初代から数えて3代目となる。この両車はデビュー当初はあまり大きな差別化が行われていなかったが、2代目以降はヴォクシーがスポーティ、ノアがラグジュアリー指向とエクステリアに独自の方向性を持つようになった。
3代目となる新型では取りまわしに優れる5ナンバーサイズを基本的に守りつつも、キャラクター分けをいっそう鮮明化。「EMOTIONAL BOX」をデザインコンセプトに、ヴォクシーでは「毒気のあるカッコよさ」、ノアでは「ミニバンの王道をいく堂々感」を表現した。
ボディーの基本骨格はダッシュパネルより後方を一新。薄型燃料タンクの採用などによりクラストップの低床化を実現しているのが最大のポイントだ。ボディーサイズは先代モデルより全長を100mm、ホイールベースを25mm延長した結果、4695×1695×1825mm(全長×全幅×全高)と5ナンバー枠一杯まで大型化。その一方で全高は25mm下げられているが、低床化により室内高は逆に60mmもアップ。ホイールベースの拡大やシートの薄型化とあいまって、ヒザまわりの空間が2列目で205mm(先代比+40mm)、3列目で105mm(同+100mm)を実現。定員乗車でも窮屈さを感じさせないゆとりある居住空間を生み出しているのだ。
パワートレーンは2.0リッター直列4気筒のガソリンエンジンに加え、このクラスでは初となる1.8リッターガソリンエンジンとモーターを組み合わせた本格ハイブリッドシステムが用意された。
2.0リッターガソリンエンジンは、連続可変バルブリフト機構の「バルブマチック」を備えた「3ZR-FAE」ユニットを搭載。バルブマチックは吸気バルブのリフト量と開閉タイミングを連続的に変化させるもので、今回のユニットではバルブの作用角や作動領域の拡大によってさらなる効率アップを実現。また、圧縮比アップや軽量化、フリクションの低減といったエンジン本体の効率化に加え、アイドリングストップ機構の採用、新しい変速制御を加えた「Super CVT-i」との組み合わせなどにより環境性能を向上させている。その結果、最高出力112kW(152PS)/6100rpm、最大トルク193Nm(19.7kgm)/3800rpmと先代モデルとほぼ同等のスペックを維持しつつ、JC08モード燃費は2WD(FF)車で13.8km/Lから16.0km/Lへと大幅な向上を果たした。
ハイブリッドシステムはおなじみの「THS II」で、現行3代目プリウスと同じ1.8リッター直列4気筒ガソリンエンジン「2ZR-FXE」とモーターの組み合わせ。エンジンのスペックは最高出力73kW(99PS)/5200rpm、最大トルク142Nm(14.5kgm)/4000rpm。モーターはプリウスの「3JM」から「5JM」へと変更されているものの、スペックは最高出力60kW(82PS)、最大トルク207Nm(21.1kgm)で、システム合計出力は100kW(136PS)と変わらず。搭載される電池もニッケル水素電池で、容量も6.5Ahと同じスペックとなっている。JC08モード燃費は23.8km/Lと、さすがにプリウスには及ばないものの、クラストップの数値をマークしている。
ラインアップは、ガソリンエンジン車が「X」「V(ノアはG)」、それに専用エアロパーツを標準装着して3ナンバー登録となる「ZS(同Si)」の3タイプ。ベーシックグレードとなるXには、装備を簡素化した「V(同C)パッケージ」と、サイドリフトアップシートを標準装備した「サイドリフトアップシート車」も用意する。ハイブリッド車は「X」「V(同G)」の2タイプで、エアロパーツ装着車は設定されていない。さらにガソリンエンジン車には、車両の状況に応じて最適な駆動力配分を行う「アクティブトルクコントロール4WD」車が全グレードで選択できるほか、2列目にキャプテンシートを設定する7人乗りモデル、ベンチシートを設定する8人乗りモデルの選択も可能(サイドリフトアップシート車を除く)。ハイブリッド車は2WD(FF)で7人乗りモデルだけの設定となる。
価格はガソリンエンジン車が221万円~278万9000円で、8人乗りモデルは3万円安、4WD車は20万円高。ハイブリッド車は285~297万円となる。