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写真で見る フォルクスワーゲン「ゴルフ ヴァリアント」

 ゴルフ ヴァリアントがモデルチェンジして登場した。ハッチバックの7代目ゴルフをベースとしたものとなり、フロント、リア、サイドが一新された。

 というのも、従来モデルのゴルフ ヴァリアントは6代目ゴルフが発売されたあとの2009年に登場したモデルだったが、5代目ゴルフがベースの2006年登場のヴァリアントから、フロントマスクなどを中心に変更したビックマイナーチェンジといったクルマだった。そのため、すべてのスタイリングが新しくなったという点でもひさびさの新型ということになる。

 そのような背景は別としても、ハッチバックモデルのゴルフではラゲッジ容量がもの足りなかったり、ヴァリアントのすらっと長いスタイリングを希望しているユーザーにとっては、7代目ゴルフの基本性能を受け継いだワゴンモデルの登場がアナウンスされただけに期待して待っていたという人も多いと思われる。

 価格の面では、ハッチバックのゴルフ同様にヴァリアントも戦略的。グレードは上位モデルで322万5000円の「TSIハイライン」、さらに269万5000円の「TSIコンフォートライン」の2種類が用意されており、価格差の小さなTSIコンフォートライン同士で比べると、ハッチバックモデルからわずか5000円高という価格設定になっている。

 もちろん、たった5000円の差額でワゴンボディーを手に入れたというわけではなく、装備を細かく見れば、ハッチバックでは標準装備の「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」がオプション装着になり、オートエアコンもヴァリアントではマニュアルエアコンに変更されるなど価格調整の跡が見える。ただ、廉価な「TSIトレンドライン」が用意されないヴァリアントだけに、少ない予算から購入が可能という点はありがたい。逆にTSIハイラインでは、ハッチバックではオプションのバイキセノンヘッドライトが標準装備されるなど、こちらでも細かな装備内容が異なっている。

 そのほか、モジュール戦略の「MQB」プラットフォームを採用しており、エンジン、トランスミッション、サスペンションなどを共有するほか、フロントマスクやアルミホイールのデザインなども基本的にハッチバックのゴルフと同様となっている。

 エンジンはTSIコンフォートラインが直列4気筒 DOHC 1.2リッター、TSIハイラインが直列4気筒 DOHC 1.4リッターで、それぞれにターボチャージャーを装着。従来型と排気量はほぼ同一だが、新しいエンジンとなっている点もハッチバックと同じだ。

 ゴルフ ヴァリアントのボディーサイズは4575×1800×1485mm(全長×全幅×全高)で、従来モデルに比べて全長は同一で全幅が15mmアップ、全高は45mmダウン。全幅が拡大して全高が低くなっており、ラゲッジ容量は従来型の505Lから605Lにアップしている。

 撮影車は「タングステンシルバー」のTSIハイラインと「トルネードレッド」のTSIコンフォートラインの2台。どちらもナビゲーションシステムを含む「ディスカバープロパッケージ」を装備。さらにTSIハイラインは「レザーシートパッケージ」、TSIコンフォートラインは「バイキセノンパッケージ」「セーフティパッケージ」をオプション装備している。

TSIハイライン

ゴルフ ヴァリアント TSIハイライン。ボディーカラーはタングステンシルバー。TSIコンフォートラインとの違いはタイヤサイズのほか、フロントグリル下のメッキパーツの有無、クロームルーフレールの装着など
フロントまわりでは、ナンバープレート下のレーダーの形状が、ハッチバック初期型の円形ドームから平面角型に変更されている。ハッチバックもある時期からこの形式を採用しているとのこと
17インチホイールを装備。可変サスペンションの「DCC」装着車は同サイズながらデザインが異なる
TSIハイラインのルーフレールはクロームタイプ
ゴルフの特徴でもある太いCピラーはヴァリアントでも健在
後席のドアガラスから後ろはダークティンテッドガラスを装備する
TSIハイラインのエンブレムはSとIが赤
エンジンはターボ付きの直列4気筒 DOHC 1.4リッター。MQBの特徴でもある後方排気レイアウトを採用
フロント側のインテリア。撮影車は「レザーシートパッケージ」のブラックレザーシートを装着
メーターパネルとステアリングホイールスポークに設置されたスイッチ類
7速DSGのシフトレバー
パーキングブレーキは電子式
オプションのナビゲーションシステムをセンターコンソールに装着
左右独立で温度調整できるオートエアコンを装備
センターコンソールにカップホルダーを装備する。従来あった中央の栓抜きは現在は設定されていない
カップホルダーはシャッターで閉じることができる
リアシート
アームレスト部分がトランクスルーになる
リアシートは分割可倒式。スライディングカバーが装備され、荷物を隠すことができる
リアシートは背もたれ部分を前に倒すだけのタイプで、完全にはフラットにならない
フロア下に非常用サイズのスペアタイヤを積む
取り外したスライディングカバー兼ネットパーテーションをフロア下に収納できる
ネットパーテーションでキャビンとラゲッジを仕切って使うことも可能
シートを倒した状態でもネットパーテーションを使うことができる
リアシートの背もたれを倒すレバーがラゲッジ側面にあり、レバー操作で車両後方からシートが前倒しできる
買い物袋などをかけるフックも装備している

TSIコンフォートライン

撮影車のボディーカラーはトルネードレッド。TSIコンフォートラインはルーフレールの色がブラックとなる
「TSI」の文字はいずれもクローム
タイヤサイズは16インチ
エンジンはターボ付き直列4気筒 DOHC 1.2リッター。新型からDOHCになった
シート表皮は前後ともにファブリック
エアコンはマニュアル式となり、左右独立の温度調整はできない

(正田拓也/Photo:高橋 学)