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フォルクスワーゲン、7代目ゴルフの派生モデル、新型「ゴルフ ヴァリアント」発表会

“カーオブザイヤー3冠”のゴルフから基本性能を受け継ぐジャーマンステーションワゴン

フォルクスワーゲン グループ ジャパン 代表取締役社長の庄司茂氏と新型「ゴルフ ヴァリアント」
2014年1月6日発売

TSI コンフォートライン:269万5000円

TSI ハイライン:322万5000円

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは、7代目となる現行型ゴルフの派生モデルであり新型「ゴルフ ヴァリアント」を2014年1月6日に発売する。価格はTSI コンフォートラインが269万5000円、TSI ハイラインが322万5000円。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
TSI コンフォートライン直列4気筒 DOHC 1.2リッター ターボ7速DCT(7速DSG)2WD(FF)2,695,000円
TSI ハイライン直列4気筒 DOHC 1.4リッター ターボ3,225,000円
ゴルフ ヴァリアント TSI ハイライン。ボディカラーは受注生産のオプションカラー「オリックスホワイト マザーオブパールエフェクト」
「トルネードレッド」のTSI ハイライン
「リフレックスシルバーメタリック」のTSI ハイライン

 7代目ゴルフと同じ「MQB(モジュラートランスバースマトリックス)」プラットフォームで構成される新型ゴルフ ヴァリアントは、ワゴンボディー化によるリアオーバーハング延長などで全長を+310mm、ルーフレールの装着によって全高を25mm拡大。車両重量が60kg重くなるといった部分以外は7代目ゴルフに準じる内外装となっている。

“カー・オブ・ザ・イヤーのハットトリック”を達成したゴルフ譲りの高い商品力

2012年8月に社長に就任し、2013年が通年で社長として活動した初めての年となったフォルクスワーゲン グループ ジャパン 代表取締役社長の庄司茂氏。「おかげさまで2013年は思い出に残るさまざまなことを経験できました」と語る

 都内で開催された新型ゴルフ ヴァリアントの発表会では、フォルクスワーゲン グループ ジャパン 代表取締役社長の庄司茂氏がニューモデル登場を取り巻く同社の現状や、新型車両の発売についての意気込みなどを紹介した。まず「2013年はフォルクスワーゲンが日本に輸入を開始して60周年という記念すべき年でした。1953年にわずか108台のビートルやタイプIIの輸入から始まったフォルクスワーゲンの歴史は、60年で年間輸入台数が6万2000台以上に成長。累計では約145万台ものフォルクスワーゲン車が輸入されました。この記念すべき年に華を添えるように、多くのヒットモデルや嬉しいできごとに遭遇しました。その集大成は、なんといっても販売実績の形で現れそうです」とコメント。これまで年間販売台数が6万台を超えたのは2001年の1回だけだったが、2013年はこの記録を大きく更新することが確実な情勢で、「年明けの発表を楽しみにして下さい」と自信を見せた。

 この2013年の好調を支えたモデルとして、「up!」「ザ・ビートル」「ゴルフ」の3台を紹介。とくに新型ゴルフは歴代モデルで最も早く受注1万台を突破し、発売から半年で1万7000台を上まわる勢いを見せているほか、11月には輸入車として初めて「2013-2014 日本カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれている。これについて庄司氏は「ゴルフが今“日本で最も乗る価値のあるクルマ”であると評価されたことは、ゴルフの販売に携わるすべての関係者や、ゴルファンのお客さまにとって大きな喜びでした」とコメント。これに加えてゴルフは「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー2013」「2013ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」も受賞しており、庄司氏はこれを「カー・オブ・ザ・イヤーのハットトリック」と表現。ゴルフの高い基本性能を世界が認めた証であり、これを受け継ぐヴァリアントは、さらにオーナー次第で使い方の可能性が無限に広がるゆったりとしたラゲッジスペースを持っていることをアピール。「ゴルフ ヴァリアントのお客様はフォルクスワーゲンの全モデルのなかで年齢層が一番若いことも特徴です。ただ荷物を載せるだけでなく、デザイン上のアクセントにもなる広いラゲッジスペースは生活にゆとりを与えます。オンタイムもオフタイムも前向きに、“今を生きる人のジャーマンステーションワゴン”。それがゴルフ ヴァリアントです」とニューモデルの商品性を紹介している。

歴代ゴルフ ヴァリアントの年間販売記録は1996年の1万2461台。新しいゴルフ ヴァリアントはこの数値と同等、または上まわる台数を目指したいと意気込みを口にする庄司氏
現在のフォルクスワーゲンモデルの主力は「3+1」と呼ばれる「ゴルフ」「ポロ」「up!」という3車種のボリュームモデルと、ブランドにエモーショナルな印象を与える「ザ・ビートル」で構成されているが、庄司氏は2014年はこれに新たなボリュームモデルのゴルフ ヴァリアントを加えた「4+1」にしたいと語る

日本市場では燃費が良好なステーションワゴンが市場で成長すると予測

フォルクスワーゲン グループ ジャパン プロダクト・マーケティング担当部長の新道学氏

 続いて登壇したフォルクスワーゲン グループ ジャパン プロダクト・マーケティング担当部長の新道学氏は、新型ゴルフ ヴァリアントの商品概要について解説。ステーションワゴンユーザーが求めるスタイリングをドイツのクラフトマンシップで満たすべく、直線基調のエクステリアデザインでは、フロントからサイドにかけてエッジを効かせたシャープなプレスラインでスポーティさを表現。インテリアでもジャーマンプロダクトの機能美を体現し、シートやメーターパネルなどではフォルクスワーゲン車らしくシンプル、かつ上質に仕上げ、新開発のインフォテイメントシステムで快適性を高めている。

 また、ステーションワゴンならではの要望となるラゲッジスペースのユーティリティでは、605Lという通常時の荷室容量を確保。先代の505Lから100L高めてクラストップレベルであると紹介している。このほかに先進安全技術では、ゴルフでも採用している「プリクラッシュブレーキシステム」「シティエマージェンシーブレーキ」「マルチコリジョンブレーキシステム」「9エアバッグシステム」などのアクティブ/パッシブセーフティ技術を全車に標準装備。さらに「アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)」「レーンキープアシスト」などの先進装備を上位グレードのTSI ハイラインに標準装備。エントリーグレードのTSI コンフォートラインでもオプション設定としている。

 このほか、日本市場では燃費が良好なステーションワゴンが市場で成長すると予測。TSI コンフォートラインに直列4気筒 DOHC 1.2リッター ターボ、TSI ハイラインに直列4気筒 DOHC 1.4リッター ターボという2種類のエンジンを用意。7速DSG(7速DCT)と組み合わせ、さらにアイドリングストップ機能、ブレーキエネルギー回生システムなどを設定することで、全車がエコカー減税の免税(100%減税)対象となっている。

日本国内のステーションワゴン市場は、ミニバンの登場によって年々縮小を続けているが、輸入車では年間3~4万台のレベルを安定して維持。しかし、国内メーカーからハイブリッドのステーションワゴンが登場したことで急速に販売台数を回復。ミニバンのオーナーが燃費のよさを求めてステーションワゴンに回帰していると分析している
多様化するユーザーニーズを1台でバランスよく実現するクルマを目指して開発されている
「いまを生きる人のためのジャーマン・ステーションワゴン」が開発コンセプト。車両イメージを訴求するメッセージキーワードとして、現在進行形を表す「+ing」という言葉が用意された
7代目ゴルフ譲りの高い基本性能とヴァリアントならではの機能性を融合させた1台となっている
TSI コンフォートラインに搭載される直列4気筒 DOHC 1.2リッター ターボの「CJZ」エンジン。最高出力は77kW(105PS)/4500-5500rpm、最大トルクは175Nm(17.8kgm)1400-4000rpm
TSI ハイラインに搭載される直列4気筒 DOHC 1.4リッター ターボの「CHP」エンジン。最高出力103kW(140PS)/4500-6000rpm、最大トルク250Nm(25.5kgm)/1500-3500rpm
JC08モード燃費でTSI コンフォートラインが21.0km/L、TSI ハイラインが19.5km/Lを達成し、全車100%減税となっている
TSI ハイラインは「ダイナミックコーナリングライト」を内蔵し、オートハイトコントロール機能を備えるバイキセノンヘッドライトを標準装着
リアコンビネーションランプの点灯イメージ
フロントウインドー上部のカメラで走行車線を認識し、意図しない車線逸脱をステアリング補正で回避する「レーンキープアシスト」をTSI ハイラインに標準装備
フロントグリル下側に設置されたレーダーは、「プリクラッシュブレーキ」「シティエマージェンシーブレーキ」「アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)」などさまざまな先進装備のキーとして働くアイテム
ボンネットフードは1本のダンパーを使って保持するスタイル。開閉はスムーズで、片側だけなのでエンジンルーム内で作業する邪魔にならない
ウインカー内蔵のドアミラーには、乗降時に足もとを照らしてくれる「カミングホーム&リービングホーム」を設置
ルーフ後端に設置されているアンテナはピアノブラック塗装となっている
TSI ハイラインのマフラーはデュアルエキゾーストパイプを採用
TSI ハイラインに標準装備される7J×17インチアルミホイール。タイヤサイズは225/45 R17
TSI ハイラインのDCCパッケージ車に装着される2トーンカラーの専用アルミホイール。タイヤサイズなどに変更はない
ラゲッジスペースの容量は通常時で605L、フルラゲッジ状態では1620Lまで拡大する
タイヤハウス後方に収納スペースを設置
ラゲッジスペースの両側側面には後席シートバックを前方に倒すロック解除レバーを備える。レバーの前方にフックを用意する
基本的なインパネデザインは7代目ゴルフと共通。内装色は「チタンブラック」のほか、レザーシート装着車用にブラウン系の「マラケシュ」も用意している
レザー3本スポークステアリングを全車標準装備。操作スイッチなどを設定するマルチファンクションステアリングはTSI ハイラインで標準、TSI コンフォートラインはオプション設定となる
全車7速DSGで2ペダル式。車両センター側に大型のフットレストを備える
純正インフォテイメントシステムの「Discover Pro」は17万8500円で全車にオプション設定。8インチディスプレイを持つナビ機能に加え、各種車両情報の表示・設定などにも対応する。ディスク類やSDメモリーカードなどのコンソールはグローブボックス内に収納する。DSRC車載器はDiscover Proとのセットプション
シート形状も7代目ゴルフと共通。写真はTSI ハイラインにオプション設定されているレザーシート
フロントシートの座面下に収納スペースを設置。突然の雨に備える折りたたみ傘や窓ふき用のウエスなどを収納するスペースなどに活用できる
TSI コンフォートラインに標準装備される「ファブリックシート」
TSI ハイラインに標準装備される「アルカンターラ&ファブリックシート」
「マラケシュ」カラーのレザーシート

(編集部:佐久間 秀)