東京モーターショー2013

スペシャル&スポーツ路線で攻めるメルセデス・ベンツ、「S65 AMG」「SLS AMG GT FINAL EDITION」をワールドプレミア

歴代Sクーペの伝統を引き継ぐ「コンセプトSクラスクーペ」もジャパンプレミア

東京ビッグサイト 西1ホール

会期:11月20日~12月1日(一般公開日:11月23日~12月1日、プレビューナイト:11月22日17時30分~)

 メルセデス・ベンツは西1ホールに輸入車メーカーの中で最大スペースのブースを設け、2台の世界初公開モデルと1台の日本初公開モデルをお披露目した。

ブースのスペースや展示車両など、他の輸入車メーカーに比べてスケールが違ったメルセデス・ベンツ。プレスブリーフィング時には多くのメディアが集まり、身動きがとれないほど盛況だった

 世界初公開モデルは、AMGモデルの最高峰となる「S65 AMG long」である。すでに585PS/900Nmを誇るV型8気筒5.5リッターツインターボエンジンを搭載する「S63 AMG」をラインアップするが、S65 AMGはその上を行くスーパーセダンである。

 搭載するV型12気筒6.0リッターツインターボエンジンは、何と463kW(630PS)/1000Nm(102.0kgm)を誇り、0-100km/h加速は4.3秒とスポーツカー顔負けのパフォーマンスを誇る一方、ECOスタート&ストップ機能も備えており、燃費も大きく改善している。トランスミッションは7Gトロニックを搭載。

 シャシー側も特別仕立てとなっており、カメラで前方路面の凸凹を認識する専用のAMGスポーツサスペンション(マジックボディコントロール)、鍛造アルミホイール、セラミック・ハイパフォーマンスブレーキ(オプション)も用意され、快適な乗り心地と抜群のハンドリングを高次元で両立させている。もちろん価格もスーパーで、S63 AMGの860万円高となる3200万円。

S63も十分にスーパーセダンであるが、S65 AMG longはそれのさらに上をいく630PS/1000Nmを発生するV型12気筒6.0リッターツインターボエンジンを搭載

 もう1台の世界初公開モデルは、2009年に発表されたガルウィングのスーパースポーツ「SLS AMG」のファイナルモデル、「SLS AMG GT FINAL EDITION」だ。ボディータイプはクーペとロードスターが用意され、価格はそれぞれ2980万円、3080万円と発表されている。なお、SLS AMG GT FINAL EDITIONは350台の限定車で、そのうち25台が日本へ割り当てられることになっている。内訳はクーペが20台、ロードスターが5台。

 エクステリアでは、カーボンファイバー製のボンネットやフロントスプリッター、大型リアウイングなどをプラス。さらにマットブラックペイント/ポリッシュAMGクロススポークアルミホイールを装着する。

 インテリアはカーボンファイバーのトリムにナッパフルレザー仕様。センターコンソールには、ファイナルエディション専用のバッヂも付く。

 搭載エンジンは自然吸気のV型8気筒6.3リッターで、最高出力は435kW(591PS)、最大トルクは650Nm(66.3kgm)。

1954年に登場した「300SL」をモチーフとしたガルウィングドアが特徴のSLS AMG。レーシング仕様(GT3)や電気自動車(SLS AMG E-Cell)などさまざまなバリエーションも発表された。このFINAL EDITIONはクーペ/ロードスター合わせて限定350台。このモデルで4年間の歴史に幕を閉じる

 日本初公開モデルは、9月のフランクフルトショーで世界初公開となった「コンセプトSクラスクーペ」だ。現行モデルとなるW222型Sクラスがベースとなっているコンセプトカーではあるが、ミラーやホイール、インテリアなどがショーカー仕立てになっているものの、基本的なスタイルはほぼこのままの姿で市販化されることになるだろう。

 色気を感じるエクステリアデザインは、歴代Sクーペの伝統を引き継ぐだけでなく、リアまわりなどはこれまでのメルセデスとは異なる新たなテイストも盛り込まれている。セダンと異なりピラーレスのドアを採用しているのは、オープンモデルも存在するからかもしれない。インテリアもSクラスとは異なり、ベントレーやアストンマーティン、マセラティと言ったスーパープレミアムモデルに似た雰囲気。より色気のあるメルセデスに変貌している。

まだコンセプトではあるが、市販版はほぼこのスタイルのまま登場予定。流麗かつ滑らかなエクステリア&インテリアは、AクラスやCLAクラス同様に、メルセデスの若返りも意味しているようだ

山本シンヤ