【2014ジュネーブショー】

メルセデス・ベンツ、流麗なスタイリングの「Sクラスクーペ」を世界初公開

プレミアム感を増した新型「Vクラス」も登場

新型Sクラスクーペとともにフォトセッションに応じたダイムラーAGのディーター・ツェッチェ会長
2014年3月6日~16日(現地時間)

スイス ジュネーブ

GENEVA PALEXPO

 メルセデス・ベンツは、ジュネーブショーで現行「CLクラス」の後継となる新型「Sクラスクーペ」のワールドプレミアを行った。

 Sクラスクーペは、2013年のフランクフルトショーでコンセプトモデルが発表されていて、その後の東京モーターショーにも「コンセプト Sクラスクーペ」として出展されていたので、ご覧になった人もいるはず。

 初公開となったSクラスクーペは、ホイールや車高などに違いがあるものの、コンセプトモデルとほぼ同様のデザインで市販モデルとなった。ボディーサイズは5027×1899×1411mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2945mm。特徴的なのは流麗なクーペフォルム。ウエストラインを高くとり、上下幅を狭めたウインドーを採用するなど見る者を圧倒するスタイリングを持っている。ヘッドライトはフルLED化されていて、デイライトとウインカーには47個のスワロフスキーが使われた。デイライトに17個を使い、残りの30個はウインカーに装備されている。

 機能性で注目すべきは、乗り心地やボディーのロールとピッチングを制御する「マジック・ボディ・コントロール」。2013年に登場した新型Sクラスにも採用されている技術で、フロントガラス上部に内蔵するステレオマルチパーパスカメラが最大15m先の路面の凹凸を検知。検知した状態とドライバーの操縦状態を合わせて、4輪それぞれのダンパーの減衰力をコントロールする。これにより、ロールやピッチングなどを抑制し、フラットライドを実現するという。

 公開されたモデルはS500クーペで、エンジンはV型8気筒4.7リッターツインターボ。最高出力は455HPで、最大トルクは700Nmとなっている。

公開されたS500クーペはV型8気筒4.7リッターツインターボエンジンを搭載し、最高出力455HP、最大トルク700Nmを発生

 Sクラスクーペとともにショーデビューを飾ったのが新型「Vクラス」。1月末にミュンヘンですでに発表されていたが、モーターショーでの公開は今回が初めてとなる。

 3代目になった新型Vクラスは「新しいMPVの基軸となるモデル」といい、これまでの利便性に加えて、より高いプレミアム性を追求している。

 ボディータイプはコンパクト、ロング、エクストラロングの3タイプが用意され、コンパクトの全長が4985mm、エクストラロングの全長が5370mm。ホイールベースはコンパクトとロングが同様で、エクストラロングは延長されている。

 搭載エンジンはすべて直列4気筒2.1リッターディーゼルだが、最高出力と最大トルクが異なる「V200 CDI」「V220 CDI」「V250 BlueTEC」の3バリエーションに分かれる。

 新型Vクラスは5月から発売を開始するとしており、ドイツ国内での販売価格はV200 CDIが4万2900ユーロ、V220 CDIが4万3911ユーロ、V250 BlueTECが4万9183ユーロとなっている。

新型Vクラス(V220 CDI)
すでに公開されている新型「Cクラス」も展示されていた。4代目となったCクラスは全長4686m、全幅1810mmと先代に比べて全長で95mm、全幅で40mm大きくなっているが、車重は100kg軽量化された

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。