東京モーターショー2013
ウェットグリップの訴求を行うヨコハマタイヤブース
CFRP製ボディーの「AERO-Y」も展示
(2013/11/22 12:37)
ヨコハマタイヤ(横浜ゴム)は、ウェットグリップを訴求するブースを構築していた。一般的に転がり抵抗の小さい低燃費タイヤはウェットグリップが背反する要素と言われており、そのため、タイヤのラベリング制度では転がり抵抗性能とウェットグリップの性能表示を義務づけている。これにより、タイヤメーカーは、両者の性能を引き上げるべく積極的な製品開発・新製品投入を繰り返しており、転がり抵抗性能の「AAA」、ウェットグリップ性能「a」を満たすタイヤも増えてきた。
横浜ゴムのラインアップを見ると、ブルーアース・ワン EF-20(AAA/a)、ブルーアース・エース(A/a)とウェットグリップ性能に優れる低燃費タイヤを揃える。今回のブース構成には、これら商品の存在もあるのだろう。
ブース内には、転がり抵抗の違いを目で見て理解する模型自動車と、ウェットグリップの違いを体感するゴム板を用意。ゴム板は、コンパニオンに「水をかけてください」と頼むと(頼まなくてもと思うが)、水をかけてくれ、濡れた場所でのウェットグリップの違いを体感できるという具合だ。
そのほか、「空気」「空力」をテーマに作られたコンセプトカー「AERO-Y」の展示や、AERO-Yが装着する「ブルーアース EV」の展示も実施。ブルーアース EVは、イン側のサイドウォールにフィンを装備し、アウト側のサイドウォールにディンプルを設置。いずれも空力解析しており、空力面でのメリットがあるという。アウト側のディンプルは、ゴルフボールなどと同様ディンプルがあることで、空気がタイヤの側面を沿うように流れやすくなり空気抵抗を低減。イン側のフィンは、これによって渦をタイヤハウス内に発生させ、タイヤハウス前面の圧力を増加。結果、車両全体の空気抵抗が低減する。
すでにディンプルの要素は、横浜ゴムの市販タイヤにも反映されているが、イン側のフィンについては採用例がない。これについては、「たとえば、タイヤを在庫するときの積み方に制限が出るなどの問題がある」とのこと。先行開発の要素が一杯詰まったタイヤなので、じっくり眺めて、疑問点はスタッフにどんどん質問してみることをお勧めする。
先行開発という意味では、リサイクル可能な「THCラバー」を使用したパンクレス車いす用タイヤも展示されている。こちらの開発には、レーシングドライバーの青木琢磨選手がたずさわっている。担当者によると、リサイクルの面もあるが、パンクしないタイヤとすることで、車いす利用者のストレス要因を減らしたいとのことだ。市販化を視野に入れて開発中だ。