東京モーターショー2013

プジョー・シトロエンはアーバンクロスオーバー「2008」、前衛ミニバン「グランド C4 ピカソ」などを発表

フランクフルトショーで世界初公開のモデルが早くも登場

シトロエンのプレスカンファレンスでは、マーケティング部部長のシルヴァン・ボネス氏が商品説明を行った
東京ビッグサイト 東4ホール

会期:11月20日~12月1日(一般公開日:11月23日~12月1日、プレビューナイト:11月22日17時30分~)

 プジョー・シトロエン・ジャポンは、9月に行われたフランクフルトショー2013で世界初公開したばかりのニューモデルなどを、日本のファンにお披露目した。

プジョーの都市型SUV「2008」

 Bセグメントの都市型SUV「2008」は、「205」「206」の再来と呼ばれる「208」をベースにしたクロスオーバーモデルである。このジャンルは日本でも非常に人気が高く、スバル「XV」や日産「ジューク」、そして東京モーターショーで世界初公開されたホンダ「ヴェゼル(市販予定モデル)」など、ライバルも多い。

 最近のクロスオーバーモデルの特徴は、「力強さ」に「スタイリッシュ」がキーワードになっているが、2008はプジョーらしく「スマート」で「オシャレ」もプラス。グレードは「2008 Premium」「2008 Cielo」を展開。

ベースはハッチバックの208で、全長は200㎜、全高は約100mm拡大され、ボディーサイズは4160×1740×1550mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2540mm。日本でも扱いやすいサイズに仕上がっている

 コンパクトな208がベースとなっているものの、全長は200mm、全高も100mm近く拡大されているため、ひとクラス上のモデルのような印象だ。インテリアはステアリングの上から見るメーターやタッチパネルのディスプレイなど、208と基本的に共通デザインを採用。しかし、窓面積も大きくなっていることもあり、実際にドライバーズシートに座ってみると解放感は非常に高い。ボディーサイズは4160×1740×1550mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2540mmとなっている。

 パワートレーンは本国ではガソリン/ディーゼルとラインアップは豊富なのだが、日本向けは直列3気筒DOHC 1.2リッター(60kW[82PS]/118Nm[12.0kgm])+2ペダルMTとなる「オートマチックモード付5速ETG(エフィシェント・トロニック・ギアボックス)」の組み合わせ。このサイズで1.2リッターと言うと動力性能は不安に感じるかもしれないが、車両重量は1140kg(2008 Premium)ないしは1160kg(2008 Cielo)と非常に軽量に仕上がっているため、すでに欧州仕様を試乗した人によれば「スペック以上に軽快に走る」という。

 もちろん、クロスオーバーモデルであってもプジョーの「ネコ足」は健在。ただ、AWDの設定は本国仕様にもなく、全車駆動方式は2WD(FF)のみとなる。

 なお、発売日は2014年2月15日と発表されており、価格は246万円~となっている。

しなやかにロールさせながら曲がるセットアップは、まさに「ネコ足」。FF駆動だが欧州向けにはグリップコントロールと言うデバイスにより、オフロードも難なくこなす
インパネまわりは208と共通だが、着座位置が高いのと窓面積が大きいので、解放感はこちらのほうが上だ。シートの座り心地のよさもプジョー車の魅力の1つ

シトロエンの新型ミニバン「グランド C4 ピカソ」

 「グランド C4 ピカソ」は、Cセグメントハッチバックの「C4」をベースにした新型ミニバン。今回のモデルは「クサラピカソ」から数えて3代目となる。押し出しや迫力重視の日本のミニバンと比べると、非常に斬新で魅力的なデザインが特徴だ。特にフロントはコンセプトカーのような未来的かつ独創的なマスクを採用している。インパネまわりも未来的で、先代同様に大型液晶パネルをインパネの中央に配している。

ボディーサイズはキープコンセプトだが、細部はまるでコンセプトカーのような前衛的なデザイン。シトロエンらしさはミニバンでも健在だ

 スリーサイズは全高が若干低くなったものの、基本的には先代モデルと大きく変わらない。しかし、ホイールベースは110mm伸び、前後のオーバーハングは切り詰められた上にトレッドが拡大されたので、新型は「ドシッ」とした安定感が増したように感じる。ホイールベース延長は居住空間の拡大に寄与しており、2/3列目のゆとりが大きくアップしているのもポイントだ。

 パワートレーンは本国ではガソリン/ディーゼル合わせて6種類展開。日本向けは直列4気筒DOHC 1.6リッターターボエンジンの導入が予想される。本国でも遅れて設定予定となる、ディーゼルエンジン+後輪モーター駆動の「Hybrid4」なども、日本へ導入されると面白いのだが……。

 「EMP2(Efficient Modular Platform 2)」と呼ばれる新しいプラットフォームを使い、車両重量は先代比で110kgも軽量に仕上がっているため、動力性能も大きくアップしている。リア・スイングドアの「走れるミニバン」は日本でも減少傾向なので、導入を待ち望んでいるファミリーも多いはずだ。

 なお、東京モーターショーの開催期間中に、会場近くの東京ベイコート倶楽部ではDS3 カブリオ、DS4、DS5、C3、C5 ツアラーに乗れる特別試乗会を実施している。

ダブルシェプロンから左右の伸びたグリルにはLEDが埋め込まれ、ヘッドライトは下側に配置。リアランプなども斬新だが、上手にバランスされている
先代よりも軽くなったことで走りはどのように進化しているのか?

【お詫びと訂正】記事初出時、シトロエンの特別試乗会の内容について誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。

山本シンヤ