2014 パリショー

日産、激戦のCセグメントに投入する新型「パルサー」を公開

インフィニティはV6 3.0リッターツインターボ+モーターの次世代4シータークーペを初公開

会期:10月2日~10月19日(現地時間)

会場:フランス パリ Paris Expo Porte de Versailles

プレスカンファレンスで登壇した、欧州日産の会長兼日産自動車 専務執行役員であるポール・ウィルコック氏
アンベール前の新型パルサー

 日産自動車は、パリモーターショーのプレスデーで新型「パルサー」の初公開を行った。

 2016年までに欧州でアジアNo.1メーカーになる目標を掲げている日産。その目標達成には欠かせないのが、今回発表された新型パルサーになる。Cセグメントの5ドアハッチバックは、ゴルフを筆頭に欧州メーカーのライバルが多いが、先進の安全性とクラストップとなるユーティリティなどの優位性を持たせて激戦のクラスへ参入する。

 新型パルサーは、クロスオーバーモデルのDNAを継承しつつ、欧州用に専用設計されたモデルとなる。アラウンドビューモニターや移動物検知機能、LEDヘッドランプ、エマージェンシーブレーキ、車線逸脱警告などはセグメント初投入の先進技術となる。

 エンジンはタウンサイジングターボモデルを採用。最高出力115PSを発生する直列4気筒1.2リッターターボの「1.2DIG-T」、最高出力110PSの直列4気筒1.5リッターディーゼル「1.5dCi」、そして最高出力190PSの直列4気筒1.6リッターターボの「1.6DIG-T」の3種類が用意される。

欧州で成功を収めている「デュアリス」を筆頭に、Cセグメントマシンで使われているCMFプラットフォームを採用した新型パルサー。全長は4385mmとなっている
ホイールベースは2700mmと同クラストップ。そのためリア席の足下は広いスペースを確保していて高い居住性を誇っている

 一方、コンセプトカーとして発表されたのが「パルサーニスモコンセプト」だ。日産がハイパフォーマンスモデルとして投入しているNISMOの名称を付けた1台で、マットグレーにカラーリングされた外観に、専用のエクステリアパーツを装備している。フロント、サイド、リアともにウイング形状のエアロを用いていて、アグレッシブさと空力性能の向上を果たしている。大径ホイールに合わせてフェンダーもワイド化。スポーティさは下げられた車高からもうかがえる。足まわりはNISMOのノウハウを取り入れたダンパーとスプリングを採用しているそうで、俊敏性とスポーティさを存分に味わえるという。

 また、インテリアも専用のスポーツシートにステアリング、盤面が赤いメーターパネルを装備するなど外観に負けないアグレッシブな内容になっている。

 コンセプトカーという名称が付いてはいるが、装備されているパーツはどれも完成度が高いので、このままの仕様で登場する日が近いことは想像できる。激戦となる欧州Cセグメントで勝つために欧州主導で開発された新型パルサー。1.6リッターターボを搭載する「DIG-T 190」グレードは2015年春の販売を予定しているが、その以外のモデルはすでにスペインのバルセロナ工場で生産が開始されている。

新型パルサーとともに初公開された「パルサーニスモコンセプト」。「ジューク」や「マーチ」などNISMOの名称を使用したハイパフォーマンスバージョンを投入しているが、そのラインアップの1台となるはずだ。足下には235/35 R19のミシュラン「パイロットスポーツカップ2」に大径のローターとキャリパーをセットする

インフィニティは次世代4シータークーペを初公開

 インフィニティから初公開されたのは、次世代の4シータークーペ「Q80インスピレーション」。

 5052×2027×1350mm(全長×全幅×全高)のボディーサイズながら流れるようなシルエットを持たせていて、新たなインフィニティブランドのデザインを示唆したコンセプトモデルとなる。ロングノーズからルーフを伝い、リアエンドまで続く流麗なラインやドライバーを中心に設計された4人独立のインテリアなど、特徴的なデザインが内外装ともに見受けられる。

 エンジンは、V型6気筒の3.0リッターツインターボにモーターを組み合わせたハイブリッドになる。最高出力は550PS、最大トルクは750Nm。ハイパワーを誇る一方で5.5L/100km(18.1km/L)という燃費性能を実現している。このパワーユニットは、2年以内に市場導入されるという。

ワールドプレミアされたインフィニティ「Q80インスピレーション」

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。