2015デトロイトショー
レクサス、最新の“F”「GS F」を世界初公開
GT3規定のレーシングカー「RC F GT3」はエンジンを始動させて登壇
(2015/1/16 13:31)
- 会期:2015年1月12日~25日(現地時間)
レクサス(トヨタ自動車)は北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)で、同ブランドのハイパフォーマンスシリーズ“F”としては3車種目、現行モデルでは2車種目となる「GS F」を初公開した。
レクサスのFモデルは、頂点の「LFA」を筆頭にし、先代モデルで販売を行なっていた「IS F」、2014年10月に発売が開始された「RC F」、そして今回のGS Fというラインアップで構成される。レクサスが展開する各モデルに設定されているF SPORTは、Fモデルのセッティングや味を手頃な価格で体感できるグレードとして好評を得ている。
Fモデルすべての開発責任者を務める矢口幸彦主査によると「Fモデルが追求するのは、走るたびに心が躍り、笑顔になるクルマ。サウンド、レスポンス、パワーを楽しい走りの基本要素として大切にしており、実際にGS Fのハンドルを握るとすべてのドライバーが心と体でその真髄を実感できることを目指した」とFシリーズと新型のGS Fの特徴について語っている。
GS Fの性能面に関しては、先行して発売しているRC Fを引き継いでいる。エンジンはV型8気筒 5.0Lの2UR-GSE型で、北米仕様の最高出力は348kW(473PS)/7100rpm、最大トルクは527Nm(53.7kgm)/4800-5600rpm。高効率化と省燃費性を求めるために直噴化されていて、トヨタの独自技術となるD-4Sを採用。さらに省燃費性を高めるために、定常走行域ではアトキンソンサイクルによる燃焼方法を取っている。
トランスミッションは8速ATの「8-speed SPDS」。Mモードをセレクトすると最短0.1秒でのシフト操作が可能になり、素早くギアを切り替えられる機構を持つ。走行モードのセレクトも可能で「STANDARD」「SLALOM」「CIRCUIT」の3つを用意する。純正のままでサーキット走行が楽しめるというFシリーズの特徴は、4ドアセダンのGS Fになっても変わらない。
エクステリアデザインは、大型のスピンドルグリルやエアダクト、カーボン製のグリルロアモール、リアスポイラーなどの専用パーツが装備される。見た目のワイド&ローなプロポーションは、まさしくFモデルそのもの。
インテリアも、ベースとなるGSに対して多くの専用パーツが装備されている。水温、油温、走行中のGや後輪トルク配分の情報をインストルメントパネルに表示するメーターやホールド性の高いシートなどがGS Fならではのアイテムとなる。インパネやドアトリムにはアルカンターラを仕様し高級感とスポーティさのある仕上がりにもなっている。
2ドアクーペのRC Fに対して4ドアセダンのGS F。性能面やセッティングなどは共通な部分も多く、どちらもノーマルのままでサーキット走行を楽しめ、街乗りでもクルマを操る楽しさを十分に体感できる。というようにパフォーマンスは、どちらもほぼ同様の仕上がりとなっているようなので、オーナーの好みのスタイリングによって選ぶことになるのだろう。
価格は発表されていないが、2015年の後半に市場に導入される予定となる。
FIA GT3規定に対応したレーシングカー「RC F GT3」
GS Fとともにプレスカンファレンスで披露されたのは、2015年からレース参戦が予定されている「RC」をベースにしたFIA GT3規定の「RC F GT3」。2014年のジュネーブモーターショーでワールドプレミアされて以降、世界各国のサーキットでテスト走行を重ねている。プレスカンファレンスでは、エンジンを始動する様子も公開された。エンジンは自然吸気モデルとなるようだが排気量は未定とのこと。
国内ではSUPER GTシリーズに参戦することが想定され、北米でもシリーズ参戦することが発表された。
まだ、ライバルのGT3モデルに比べてセッティングやパフォーマンス面でギャップがあることは確かなようで、2015年はテストとしての実戦投入になる。そのため、レースチームへの供給ではなく、どのシリーズにもレクサスレーシングとしてエントリーやメンテナンスを行なう模様だ。