東京オートサロン 2016

ダイハツ、「コペン」デザインコンテストの最優秀作品「コペン アドベンチャー」を実車化

D-SPORTが製作協力。2016年内に市販化を予定

2016年1月15日発表

実車化された「コペン アドベンチャー」と並んでフォトセッションに臨む「DRESS-FORMATION DESIGN AWARD」の最優秀作品を獲得した越阪部圭亮氏(右)とダイハツ工業株式会社 製品企画部 コペンチーフエンジニア 藤下修氏(左)

 ダイハツ工業は、コペンをベースとしたデザインコンテスト「DRESS-FORMATION DESIGN AWARD」の最優秀作品「コペン アドベンチャー」の実車をD-SPORTの協力で製作。東京オートサロン2016のダイハツブースで初公開のアンベールを実施した。

「DRESS-FORMATION DESIGN AWARD」は、内外装着脱して着せ替える「DRESS-FORMATION」機能を持つ「コペン ローブ」「コペン エクスプレイ」「コペン セロ」のいずれかをベースにしたデザインを、コペンのコミュニティサイト「Copen Club」の会員から募集。応募者数338人、応募作品562点の中から最優秀作品「コペン アドベンチャー」を、2015年に行なわれた東京モーターショーの会場で発表した。その実車が、ダイハツ車のカスタマイズパーツを展開するD-SPORTの協力で製作され、この日の表彰式にて公開の運びとなった。

 会場ではデザインをした越阪部圭亮(おさかべけいすけ)氏が表彰され、副賞が手渡された。「コペン アドベンチャー」は、コペン エクスプレイをベースに「タフSUVライク」をイメージしたコンセプトカー。フロントグリル内のライトがアクセントになっている。

コペン アドベンチャーのアンベール
コペン エクスプレイをベースにしたコペン アドベンチャー
グランプリの副賞が手渡された
表彰式のあと、トークセッションが行なわれた

 グランプリ表彰式のあと、コペン アドベンチャーの実車化に携わったD-SPORT 開発責任者 松尾光洋氏も交え、3人によるトークセッションも行なわれた。その中で、このコペン アドベンチャーを市販することも発表されている。

グランプリを受賞した越阪部圭亮氏

 受賞者の越阪部氏は、「イメージスケッチが実車になると、特に意識したグリル周りなどが再現されていることに感動しました。実車になると迫力があり、実際に道を走る姿を想像するとワクワクします。自動車メーカーが主催するデザインコンペというものは珍しく、実車になるというのは、夢が形になるということでうれしかったです。また、プロの世界を見ることができ、貴重な体験でした。自分のスケッチはあくまでもベースで、それをプロの意見を取り入れて実車に再現することに尽力いただきました」と、受賞を受けての感想などを報告。

ダイハツ工業株式会社 製品企画部 コペンチーフエンジニア 藤下修氏

 コペンチーフエンジニアの藤下氏は、「ずっとコペンを開発、販売しながら、DRESS-FORMATIONというものが新しい価値を生み、開かれた物作りへと発展していっています。今回、越阪部さんのデザインのように自由な発想で、我々にはできないモノがこうしてできあがりました。実感が沸いてきてうれしく思います。サバンナに立つ若々しいライオンのイメージを感じていまして、それをそのまま実車にするのは大変です。これは最初から考えていたことですが、実車にするのなら販売すると考えています。D-SPORT様には無理をお願いし、とてもお世話になりました。硬質発泡ウレタンに直接デザイン線を引いて、越阪部さんにも直接現場に来ていただき作りこみました」と語り、実際の開発の状況や販売予定であることなども明かした。

D-SPORT 開発責任者 松尾光洋氏

 D-SPORTの松尾氏は、「ショーモデルというだけではなく、デザインするという点が大変でした。アクセントとなるフロントマスクのライトポットのクロスマークが難しく、ミッレミリアなどラリー競技を彷彿とさせることもあり、慎重に造形しました。コペンの持つDRESS-FORMATIONという機能があっての企画で、当初から大賛成でした。昨年のブースでも2タイプ(のコペンを)製作しまして、市販もさせていただきました。コペン アドベンチャーも2016年内に市販化を目指したいと思います。クルマの着せ替えの楽しみが、より広がってほしいと思います」と開発の苦労を交えて話した。

 最後に藤下氏は、「ダイハツブースでは、たくさんのデザインコンセプトカーを展示しています。DRESS-FORMATIONパーツに関しては、セロをローブに替えるパーツを予定していますのでご期待ください」と報告。今後のコペン DRESS-FORMATIONパーツにも大いに期待していきたい。

コペン アドベンチャーのデザインスケッチと実車の比較
越阪部氏がいっしょにフロントの造形を手伝っている

村上俊一