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200台のコペンが集まったダイハツ主催の“粋なイベント”「LOVE SKY PROJECT #1 STAR DRIVE@美星町 by COPEN 15th ANNIV.」参加レポート

地元自慢して、美味しいモノ食べて、最後は明るく光るコペン銀河を見た

2017年10月15日 開催

 2017年で創立110周年を迎えたダイハツ工業は「ユーザー1人ひとりを照らし、輝いたライフスタイルと軽やかな気持ちを届けたい」という思いを込めた新スローガン「Light you up ~らしく、ともに、軽やかに~」を策定して、これまで以上にユーザーや時代に沿ったクルマ造りをしていくことを宣言した。

 現在でもダイハツの造る小さいクルマは仕事や買い物で活躍する便利な存在で、クルマ好きな人にとっては趣味の道具として乗るなど、生活や人生に深く関わり地域に溶け込んでいるものだが、この新スローガンはユーザーとダイハツ車のつながりがこれまで以上に充実していくことを期待させる内容である。

 このように地域との結びつきが強いダイハツでは“地域を愛し、地域の人々から愛され、ダイハツファンの輪が広がっていく、地域のカーライフがもっと輝くこと”を目標に「LOVE LOCAL by DAIHATSU」という取り組みを行なっていて、それを体現するためのイベントとして「LOVE SKY PROJECT #1 STAR DRIVE@美星町 by COPEN 15th ANNIV.」を10月15日に広島県と岡山県の2カ所の会場で開催した。

 このイベントに参加したのは、多数の応募から抽選で選ばれたオーナー約330名と約200台の「コペン」。この大勢のゲストを迎えるためにダイハツが用意したのは、屋内会場で開催するパーティ形式の「LOVE LOCAL PARTY」、そしてオープンカーならではの楽しみとして、ルーフを開けて夜空を眺める星空鑑賞会の「STAR VIEWING PARTY」という丸1日かけて行なう2部構成のイベントだった。

「LOVE SKY PROJECT #1 STAR DRIVE@美星町 by COPEN 15th ANNIV.」で行なわれた屋内イベントの様子
こちらは岡山県美星町に移動しての夜のイベント風景

取材班はコペンで広島を目指す

 さて、そんな特別なイベントにCar Watchは密着取材を行なったのだけれど、15年もの間、大勢のオーナーに愛され続けているコペンの魅力をホンの少しでも体験するため、ダイハツからコペンの「XPLAY(エクスプレイ)」を借りて、東京~広島間を自走して会場へ向かうことにした。ちなみに帰りも当然、自走である。

東京~広島間、往復約1500kmの旅の相棒となったコペン「XPLAY」。コペンのラインアップでは個性が強いスタイリングを持つモデル
ホイールはXPLAY用デザイン
インテリアは「選べるインテリアパック」で好みに合わせて3タイプから選択可能。今回お借りしたXPLAYはブラックインテリアパックの設定
ルーフを閉じた状態ならトランク容量はたっぷりある
エンジンや足まわり、主要装備にほかのモデルと違いはない

 出発日はあいにくの雨模様だったので、アクティブトップは閉めたままスタートする。本来は東名高速道路を東京側の起点から利用するのがシンプルなルート選択なのだが、出発日は集中工事が行なわれていたため、渋滞を迂回する目的で中央自動車道~圏央道(首都圏中央連絡自動車道)~東名高速のルートを選択した。ただ、これだと最初から東名高速を選ぶよりも遠回りすることになるのだけれど、今回は700km以上の長距離移動である。数十kmほど走行距離が伸びても「気にならない」というのが取材スタッフ全員の認識。そのため、遠回りについて意見が出ることはなかった。

 集中工事ということで東名高速の利用を避けたクルマも多かったのか、交通量も少なく走行車線を80~100km/hほどのペースで安定して巡航できるような状態だった。

 コペン XPLAYだが、この速度域ではアクセルの踏みしろに余裕がたっぷりあるし、トップを閉めている状態では車内に入ってくるノイズも抑えられているのでドライブに余裕を感じる。また、ウエット路面でもステアリングからしっかりした安定性を感じたし、レーンチェンジをしてもなんの不安もない。今回の行程はいろいろなスナップ写真が必要だったので小まめにSA(サービスエリア)に入ったが、印象としては長距離ドライブに慣れている人ならかなりの距離を休憩なしで走れてしまうほど運転が楽なクルマだと感じた。

圏央道から東名高速道路、新東名高速道路のルートを通る

 新東名高速道路を西へ進むうちに雨雲に切れ間が見えてきた。そこで、SAに入り念願のルーフオープン! 圧倒的な開放感を手に入れ、再び広島へ向けてスタートした。

 高速道路でのオープン状態ではさすがに室内への風の巻き込みを感じるが、80km/hほどなら十分許容範囲と言っていい。

 100km/hになると風の巻き込み量は80km/hのときより確実に増えるが、取材スタッフの感覚ではまだまだ許容範囲だ。ただ、この領域の快適性についての感じ方には個人差が出ると思うので、風の巻き込みを気にする場合は、風よけと防寒用に帽子を被ったり、上着をしっかりと着てマフラーなども用意しておくといいと思う。

曇り空のままだが雨が上がったので、SAへ入ってアクティブトップをオープンする
途中、コペン「Robe(ローブ)」と出会う。ひょっとして目的地は同じなのだろうか
愛知県へ入った。ここまでは天気はなんとか持っているが、雨雲レーダーによるとこの先は雨。そこで新東名の岡崎SAに入ってアクティブトップをいったん閉めることにした

 コペン XPLAYは名神高速道路へ入るが、途中の豊中IC(インターチェンジ)で一般道へ降りる。目的はダイハツ本社とコペン XPLAYの記念写真を撮るためだ。このダイハツ本社にはコペンの組立ラインと検査ラインの一部が見学できる「コペンファクトリー」があるが、今回は時間の都合で取材はできなかった。コペンファクトリーについては「ダイハツ、コペンの生産工場『コペンファクトリー』一般公開をスタート」でも触れているように誰でも見学可能なので、コペンが好きという人は訪れてみるといいだろう。

ダイハツ京都工場横を通過。名神高速道路の名神大山崎ICのすぐそばだ
名神高速で大阪に入る
大阪まで到着。豊中ICで1度一般道へ降りて、ダイハツ工業の本社へ向かう
ダイハツ工業本社の信号には「ダイハツ町」というプレートがある。住所も「大阪府池田市ダイハツ町1-1」となっている
道路を挟んだ前に駐車場があり、コペンファクトリーへ来た人もこのスペースに駐車する
ダイハツ本社をあとにしたコペン XPLAYは、名神高速を抜け山陽自動車道を走行。すっかり日が暮れたころ、目的地の広島県福山市に到着した
イベントの成功を祈って、福山市の夜景にLEDライトアート?を描く

「LOVE SKY PROJECT #1 STAR DRIVE@美星町 by COPEN 15th ANNIV.」1部。ホールに人とクルマが一緒に入場! 愛車とともに楽しむステージイベント

「LOVE SKY PROJECT #1 STAR DRIVE@美星町 by COPEN 15th ANNIV.」は2部構成になっていて、昼帯の1部会場は広島県福山市にある広島県立ふくやま産業交流館(ビッグローズ)の「LOVE LOCAL PARTY」。

 2部は夜帯の開催の「STAR VIEWING PARTY」となり、こちらは星空鑑賞を行なうため岡山県井原市美星町(びせいちょう)の特設会場へ移動する。ちなみに美星町は全国で初めてとなる「星空を守るための専門条例」を制定していて「日本三選星名所」に選ばれている町である。

 ビッグローズのホールを使う「LOVE LOCAL PARTY」は屋内会場となるが、なんと参加者だけでなくコペンも建物内へ入場し、ステージ方向を向いて整列して駐車される。その光景は参加者だけでなくコペンにもステージイベントを見せているようで、これこそ「愛車」という扱い。この演出は素晴らしいと感じた。

「LOVE LOCAL PARTY」の会場は福山市の広島県立ふくやま産業交流館(ビッグローズ)
10時入場開始だが、待ちきれない参加者が朝早くから集まっていた
早着組は施設内の屋外駐車場へ案内されるので、開場待ちの列で周辺道路に影響が出ないというように配慮がされていた。これは付近の方だけでなく参加者にとってもメリットが大きい
いよいよ開場。あらかじめ区切られたスペースに整然と並べていく
入場時の案内はスムーズで、あっという間にスペースが埋まっていく
ステージに向いて駐まるコペン。乗ってきたクルマを含めて会場内の一体化を感じることができる演出だ

お待ちかねの「LOVE LOCAL PARTY」がスタート!

「LOVE LOCAL PARTY」のオープニングは岡山県をベースに活動するDJタレントのダイナマイトイシムラ氏のMCからスタート。「LOVE SKY PROJECT」の概要説明とこの日の進行の紹介を行なったあと、最初のゲストとして登壇したのは「STAR VIEWING PARTY」の会場となる美星町観光協会 会長の西野曻氏だ。

 西野氏からは「美星町は星を大切にしているところで、美しい星空を守るための条例も制定しています。また、街には天文台も設置しています。さらに星と関連ある多くイベントを開催しています。今はクルマが活躍する社会ですので、今回のご訪問を機に、今後も美星町へお越しいただけることを望んでいます」と美星町の特徴が紹介された。

岡山県をベースに活動するMC、ダイナマイトイシムラ氏
美星町観光協会の西野曻氏が登壇。美星町の魅力を紹介した

 続いて登壇したのはダイハツ工業 国内マーケティング部 COPENプロジェクトリーダーの榊原康政氏。榊原氏は会場のコペンユーザーに対して15周年を迎えたことについて感謝の言葉を語ったあと、このイベントの核である「LOVE LOCAL」というキーワードについて解説した。

「もともと『LOVE LOCAL by COPEN』ということで、コペンファンを広げていく活動を中心に行なってきたものですが、今後は名称を『LOVE LOCAL by DAIHATSU』とします。これは地域を愛し、地域の人々から愛され、ダイハツファンの輪が広がっていく、地域のカーライフがもっと輝くことを願うダイハツならではの取り組みとして、コペンファンの皆さまだけではなくダイハツ車のファンの広がりを期待することと、ダイハツ車にお乗りの方々の出会いの場となるようなお手伝いをしていきたいと思っています」とのこと。

 続けて「LOVE LOCALにおいてはコペンというクルマは象徴であり原点だと考えております。そこで本日はコペンに関わるさまざまなプログラムも用意しています。私は3代目のプロジェクトリーダーでございますが、初代、2代目のプロジェクトリーダーも会場へ来ております。そしてコペンの開発に携わった社員も来ていますので、パーティを楽しまれるのと同時に、私どもともぜひ交流していただきまして、このイベントだけでは終わらない人の輪を築いていただければと思います」と語った。

ダイハツ工業株式会社 国内マーケティング部 COPENプロジェクトリーダー 榊原康政氏
榊原氏は挨拶のあと、会場のユーザーに向かってかけ声のリクエストをした。内容は「1、2、3、C!(COPENのC)」と叫んで、指でCの字を作り掲げるというもの。ここで榊原氏から「私どもは関西の企業です、こういうところでスベッてしまうと業務の評価に響くのでぜひご協力をお願いします」という関西の人らしい(?)発言もあった
神奈川県鎌倉市にあるコペンと地元をつなぐドライバーズカフェ「Copen Local Base KAMAKURA」の店長の佐藤氏が、この日のために作ったスペシャルメニューとして美星町の食材を使ったデミポークブリトーを参加者全員に振る舞った
こちらはご夫婦で参加。自宅にはクルマが2台あり、旦那様がトヨタ自動車の「86」、奥様がコペンに乗る。この車種選択は奥様によるもので、旦那様は「本当はミニバンに乗りたいのですが、奧さんの趣味で86に乗らされています」とのこと。つまりそれは86もコペンも奥様のクルマってことですね?

コペンオーナーインタビュー

 さて、ここでイベントに参加したコペンユーザーの中から、Car Watchが声をかけさせていただいた4名のコペンオーナーを紹介しよう。

納車1年目の初ロングドライブ/佐藤さん(コペン Cero)
ホワイトのコペン「Cero」に乗る佐藤さん。今回が初の遠乗りで、初のイベント参加とのこと
購入して1年。通勤にも使用するという。コペンの印象は「自分とのフィット感がいい」とのこと

 最初はホワイトのコペン「Cero」が似合う佐藤さん。今回はお1人での参加だ。佐藤さんはこれまでロングドライブの経験はなく、オフ会にも参加したこともなかったという。

 しかし、クルマを購入してから1年が過ぎたので「少し遠いところまで走ってみたい」と考えていたところに、ちょうどいいタイミングでこのイベントを知った。

 ご自宅から会場までの移動距離に関しては大丈夫だと感じたが、知り合いがいないところに1人で行くのは不安もあったという。でも、最後に背中を押したのは「LOVE SKY PROJECT #1 STAR DRIVE@美星町 by COPEN 15th ANNIV.」が信頼できるイベントに思えたことだった。佐藤さんからは「このイベントはダイハツがやっているので安心感がありました」というコメントがあった。

 コペンは初代モデルから好きで欲しいと思っていたが、中古車の値段が下がらないので現行型車を購入。乗った印象は「自分は小柄なので室内スペースやクルマの大きさなどフィット感がある」とのこと。ルーフはメーカーオプションのDラッピングのシルバーカーボンを選択。ホワイトのボディカラーと合わせて上品なイメージに仕上がっている。

全損からの復活&こだわりの全塗装/Naoさん(コペン Robe)
廃車クラスの事故から修理したNaoさんのコペン Robe。初代コペンのシャンパンメタリックに塗り替えている
ほぼノーマルだがマフラーカッターをDIYで製作。ストレートなマフラー出口になっていた

 次はコペン「Robe」に乗るNaoさんだが、このRobeを見て「あれ?」と気がつく人もいるだろう。そう、このシャンパンメタリックの外装色は初代コペンにはあったが、現行コペンには設定されていない色である。つまりこのクルマ、全塗装をしているのだった。ちなみに、シャンパンメタリックは「ムーヴ」にも設定されていたとのことだが、初代コペンのものとは色味が異なるとのことで、Naoさんは単純に色の名前だけではなく、初代コペンの色の再現にこだわったという。

 では、なぜ全塗装をしたのかということだが、実はこのクルマで横転事故を経験。修理見積もりではクルマを買い直したほうがいいレベルだったという。しかし、Naoさんはこのコペンに愛着を感じていたのであえて修理を選択。大修理なので当然全塗装を行なうことになるので、それならばと好きな色だったシャンパンメタリックを選択。修理と塗装に関してはディーラーの担当者さんにお世話になったという。

 そのNaoさんにイベントの印象を伺ってみると「コペンはいわゆるクルママニアではない人も多く乗っているので、幅広い層の人が参加しやすい雰囲気ですね」とのことだ。

世界で最初に納車されたXPLAY/kogatakuさん(コペン XPLAY)
YouTuberでもあるkogatakuさん。XPLAYで出かけたときの動画などをアップしているという。このイベントも記録していたのでアップしているはず
世界で最初に納車されたXPLAY。世界初というフレーズが使えるクルマを所有できる機会なんて普通はない。kogatakuさんのセンスと決断の早さが呼び込んだ栄誉である

 3人目はコペン XPLAYに乗るkogatakuさん。コペンが集まったこのイベントでもXPLAYでの参加は少ないくらいなので、まずはなぜXPLAYを選んだのかから伺ってみた。

 その問いに対してkogatakuさんは「以前はダイハツのムーヴに乗っていましたが、そのころから奇抜なデザインのクルマが欲しいと思っていました。でも、まわりを見ると丸っこいクルマばかりだったので購入意欲があまり湧かなかったところ、コペン XPLAYが発表。ものすごく気になりディーラーの新車発表会に行ったらひと目惚れして、すぐに注文を入れました」とのこと。そして「確かに少数派と言えるクルマですが、そのぶん同型のオーナーさんに会ったときはうれしいですね」と言う。

 さてkogatakuさんのXPLAYだが、実はこのクルマはユーザーカーとしては世界で最初に納車されたXPLAYとのこと。これは自称ではなくイベント時などにダイハツの開発陣や関係者にも確認を取ったところ、皆さんが認めた正真正銘の事実という。データによると発売後ひと月ほどは世界中でこのXPLAYだけが公道を走っていた時期があったという。これはホントにすごいことだろう。

11年、13万kmの歴史を持つ初代コペン/近藤久典さん(コペン)
ビッグバイクはこのあいだまで所有していたが、60歳になったことを節目として手放したという。なので今はコペンのみが愛車だ
11年で約13万km走っている初代コペン。年式は2006年式ということになるが、そうは見えないほどきれいな外観

 ズラリと並んだコペンを眺めつつ会場を歩いていると、目に止まったのがナンバープレートの分類番号が2桁の初代コペン。

 こちらのオーナーは近藤久典さん。新車から乗り続けている方で今年で11年目になるとのこと。コペンを購入した当時は排気量1000ccのビッグバイクに乗っていたが、その手のバイクは車体も大きく重量も重い。そのためちょっとした移動には使いにくいものでもあった。そこで気軽に乗れるクルマを探していた。

 ただし、気軽に乗ると言ってもそこはバイク乗りなので、クルマも楽しめるものであることは必須条件だった。それで目を付けたのがコペンだったという。

 このように近藤さんにとってのコペンはビッグバイクのセカンドカーというポジションだったのでトランスミッションはATを選択しているが、コペンはATでも十分スポーティなので走りに不満はないとのこと。それどころか「最初にアクセルを大きく踏み込んで、ブーストが立ち上がったところでいったん足を離し、またすぐに踏み込むとMTと同じようなフィーリングになるんです」と、ATならではのドライビングを楽しんでいるようだった。

 現在、走行距離は約13万kmで通勤や買い物、レジャーに使用。11年間乗っているがトラブルはとくになし。整備や車検はいつもディーラーで行なっているという。

参加者が地元の魅力をPRする「LOVE LOCAL SESSION」

 さて、それでは話をステージに戻そう。次のコンテンツはイベントのメインコンテンツでもある「LOVE LOCAL SESSION」で、これは参加者がそれぞれの地元のいいところを同じテーブルに座った人にPRするというもの。受け付け時に地元の簡単なデータを書き込む「LLセッションカード」という用紙が配られているので、それを使いながら1人ずつ発言をしていくのだ。

 とはいえ、いきなり「やってみよう」と言われても戸惑いもある。そこでステージには発表のお手本を見せる意味でコペンファンにはおなじみの開発陣4人が並んだ。メンバーはダイハツ工業 事業・商品部 OEM事業推進室 室長であり、元コペン開発チーフエンジニアの藤下氏、事業・商品部 商品企画室 主査の殿村氏、デザイン部 第一デザイン室 主査の和田氏、デザイン部 第一デザイン室の主担当員 芝垣氏である。

コペンファンにはおなじみのコペン開発陣が登場。左から藤下氏、殿村氏、和田氏、芝垣氏

 まずはメンバーを代表してチーフエンジニアの藤下氏が地元自慢を行なった。マイクを握った藤下氏は「私は仕事の都合でいろいろな街に住んできました。そのため地元と言えるようなところがいろいろあるのですが、今回は広島、岡山のエリアに住んでいたころの話をします」と語り、兵庫県で有名な海沿いのドライブコースである七曲りを紹介。大きなスクリーンに入り江の地形に沿った道の風景写真が映し出されると会場から「おぉ」と声が上がった。

 藤下氏からは現在の七曲りの魅力と併せて学生時代に配送のアルバイトでここを通っていた思い出話なども語られ、最後に「コペンのドライブを楽しむのにもとてもいいコースです」と付け加えられた。その後、トークを挟んでほかのメンバーもそれぞれの地元自慢を披露した。

藤下氏はこれまで色々な地域に住んだことがあるということだが、そのなかで今回紹介したのは兵庫県。瀬戸内海の入り江に沿って通る七曲りというルートだ
和田氏の地元自慢は関西、近畿エリアのドライブコース。景色を楽しむため高速道路を使わずに一般道を走るとのこと。写真に写っているのはご自身の愛車とのこと
こちらは芝垣氏の地元自慢。石川県出身ということで、紹介したのは波打ち際を走ることができる千里浜の“なぎさドライブウェイ”や富山湾の蜃気楼ビューポイントなど
殿村氏はモータースポーツをやっているということで、よく走りに行く奈良県の名阪スポーツランドを挙げた。初代コペンから競技に参加していて新型はRobeで参加。その後、自身が企画したドレスフォーメーションの機能を生かし、外装をCeroへチェンジしている

 そしていよいよ参加者同士で地元自慢を行なう「LOVE LOCAL SESSION」がスタート。でも、やはり多くのテーブルで最初の発言者はやや緊張気味。聞いている人も同様に緊張しているようで、会場は比較的静かな雰囲気。しかし、3~4人目の発言になると場も打ち解けてきて会場内はにぎやかになっていた。ちなみに1人の持ち時間は1分間なので、話し下手の人でも話題に詰まることはないだろう。

 全員が話し終えたところで、今度は参加者の中で「地元をもっと大勢の人に紹介したい!」と思う人のためにステージ上で地元自慢ができる機会を設けていた。そしてここで名乗り出た3名の方には記念品としてLOVE LOCALフラッグが贈呈された。ちなみにこのフラッグはこのイベント限定&非売品というレアものである。

テーブルごとに1人ずつ地元自慢。全員が発言し終わったら席を移動。新しいグループでまた発言するという方法が取られたので、多くの人同士で交流ができていた
こちらがステージ上で地元自慢を披露してくれた方々。1人目の方は広島で開催していた、初代コペン発売直後からやっていたオフ会について。2人目の方は香川県のうどん、讃岐富士、寛永通宝の砂絵をPR。3人目の方は長野県にあるビーナスラインの紹介。“コペンのためにある”というほど気持ちよく走ることができるという。ステージでPRしてくれた3名にはイベント限定の「LOVE LOCALフラッグ」が贈呈された
合間には開発陣のトークが行なわれた。コペンのように楽しいクルマの開発には「造りたい」と名乗り出る技術者が多いと言う。そんなふうに造り手が楽しむ気持ちを持っているからこそ、大勢のファンを惹きつけるクルマになっているのだろう。このトークでは開発時の資料なども公開された

製品版「COPEN 400 TDC」ボディキット装着車を世界初公開

 会場にはD-SPORTのデモカーをはじめとして、コペンのカスタマイズ仕様車が多数展示されたが、その中にベールを被った2台のクルマがあった。会場の全員が気になっていたものだが、大いに盛り上がった「LOVE LOCAL SESSION」が終わった後、ついにアンベールとなった。

 そして姿を現したのが2015年の東京オートサロンに出品されたコペン Robeベースのドレスフォーメーションコンセプトカー「COPEN 400 TDC」ボディキット装着車だ。実はこのキット、ダイハツ車のスポーツパーツの開発・販売を行なうD-SPORTより30セットの限定で発売が決定。「LOVE SKY PROJECT #1 STAR DRIVE@美星町 by COPEN 15th ANNIV.」で初めて製品版が公開された。

「COPEN 400 TDC」ボディキット装着車のアンベール。製品版はこれが初公開
塗装済みの「COPEN 400 TDC」ボディキット装着車
カーボン地のままの「COPEN 400 TDC」ボディキット装着車

 会場にはデザインを担当した「TAMONDESIGN」代表の庄司氏も来ていて、造形のポイントなどを解説。製品化にあたり新素材である多軸織カーボンを使うなど、新しいものを盛り込めたので楽しんで作業ができたとのこと。それに、カーボンは見た目もいいが純正の外板より重量が軽い。そのためこのキットでドレスフォーメーションするとクルマの軽量化になり、運動性能も向上するという話だった。

 ここでD-SPORTから松尾氏が登場。TAMONDESIGNの庄司氏とは2015年のオートサロンで初めて出会ったとのこと。その場でD-SPORTはXPLAYのドレスフォーメーション仕様を発表していたので、庄司氏とは初対面ながらすぐにデザインの話題で盛り上がったという。

 その後、D-SPORTのXPLAY用ドレスフォーメーション仕様は市販されたが、D-SPORTとしては同じ時期、同じ場所でデビューしたTAMONDESIGNのドレスフォーメーション仕様も「ぜひ街を走ってほしい」という思いを持っていた。そこで市販化に向けて少しずつ準備していき、ついにD-SPORTより「COPEN 400 TDC」ボディキットとして販売されることになったのだった。パーツ構成はフロントバンバー、フロントフェンダー、ボンネット、サイドステップ、リアフェンダー、リアバンパー、リアトランクフード。材質は多軸織カーボンとなる。受注は10月16日より受け付けていて、予定数量は30セット。価格は95万円(税別)となっている。

「TAMONDESIGN」代表の庄司氏
庄司氏とD-SPORTの松尾氏との2ショット
D-SPORTは物販ブースも展開した
会場に展示されたデモカー。こちらは岡山ダイハツ販売株式会社のコペンサイトの広報車
D-SPORTのデモカー。このXPLAYは2015年の東京オートサロンでデビューして、ボディキットはD-SPORTから発売中。松尾氏の話によるとCOPEN 400 TDCボディキット市販化のきっかけにもなった存在だ
ほかにもD-SPORTから3台のデモカーが展示された
新潟県の三条市とコラボしたコペン用カーゴトレーラーとデモカーの「LOVE SANJO COPEN」も展示された
これはステージにも上がっている殿村氏の愛車。ジムカーナ仕様だがあえて2ペダル車でチャレンジしている。年間成績はクラス2位とのこと
フリータイムトーク時間は開発陣などとも気軽に会話ができた
会場の外では衝突回避支援機能「スマートアシストIII」の体験試乗も行われていた

みんなで一斉にアクティブトップをオープンして「LOVE LOCAL PARTY」を締める

「COPEN 400 TDC」ボディキットの初お披露目のあとはフリートークタイム。参加者同士はもちろんのこと、これまでステージに上がったコペン開発陣やディーラーから参加したコペンスタイリスト、TAMONDESIGNやD-SPORTなどの関係者も一緒になってコペンの話題で盛り上がる時間だった。

 さて、フリートークタイムが終わると広島県立ふくやま産業交流館(ビッグローズ)での「LOVE LOCAL PARTY」もいよいよ佳境。最後のコンテンツは参加者全員、自分のコペンへ戻ってもらい、MCのかけ声と同時に全車一斉にアクティブトップをオープンするというもの。この模様については動画もあるのでそちらも見ていただきたい。

 圧巻のアクティブトップ一斉オープンが終わると「LOVE LOCAL PARTY」は終了。参加者は順次、星空鑑賞「STAR VIEWING PARTY」の会場となる美星町の「星の郷ふれあいセンター」へ移動を開始した。

MCのかけ声でみんな一斉にアクティブトップをオープンする
今回のイベントに集まったコペンとオーナーの方々全員で記念撮影

「STAR VIEWING PARTY」で美星町の夜に輝いたコペン星雲を目撃

 Car Watch取材班はひと足先に美星町の「星の郷ふれあいセンター」へ移動し、現地入りするコペンの撮影を行なった。この会場でのイベントスタート時刻は18時。19時過ぎからは美星天文台ボランティアスタッフであり、星空ソムリエの河合裕子氏による解説付きの星空鑑賞が行なわれる。また、軽食として美星町の特産物を使用した「美星バーガー」が振る舞われるという内容だ。

「STAR VIEWING PARTY」が行われる美星町の「星の郷ふれあいセンター」へ向かう参加車
美星町の特産物を使った美星バーガー
フランクフルトなども美星町の食材を使用したものとのこと

 参加者が集まってくる時点ではときおり青空も見えていたが、日が暮れるにつれて雲が厚みを増してくる。そして開始時刻になるころは空は真っ暗という状況になってしまった。そのため残念ながら美星町の綺麗な夜空を見ながらの星空鑑賞会は中止となってしまう。かわりに用意された特設プラネタリウムで河合氏による星空解説が行なわれた。

 また、この会場でもドローンを使った集合写真の撮影が行われたのだが、その模様をCar Watch取材班は駐車スペースから少し離れた丘の上で撮影していた。

美星天文台ボランティアスタッフであり、星空ソムリエの河合裕子氏。生憎の天気だったため、特設プラネタリウムで星空の解説を行なった
夕方までは雲の量も少なくこのまま晴れてくれるかと思っていたが、日が暮れるにつれて雲は増えていき星空を隠してしまった。しかし……

 真っ暗な夜空の下、アクティブトップオープン、そしてライトオンと、集まった約200台のコペンはダイナマイトイシムラ氏の呼びかけに応えていたが、その模様を遠目に見ていたCar Watch取材班は気がついた。確かに空には星は出ていないが約200台のコペンが灯すライトにより地面には無数の星が光っている。そしてその光が集まり星雲のよう。いうなればコペン銀河がそこにあったのだ。……大変だ、参加者の皆さんを差し置いてこの特別な光景を見てしまっていいのだろうか。ということでせめて写真を大きく掲載させてもらいましょう。では、美星町に現れたこの日、このときだけの特別な星々をどうぞ!

空ではなく地面に現れた星々。明るく光るコペン銀河である

 ということで初開催の「LOVE SKY PROJECT #1 STAR DRIVE@美星町 by COPEN 15th ANNIV.」は本当に盛りだくさんの内容を行ない、大いに盛り上がって無事終了。参加された方も長い時間、お疲れ様でした。そしてCar Watchの取材にご協力いただきありがとうございました。

DAIHATSU LOVE SKY PROJECT #1 STAR DRIVE@美星町 by COPEN 15th ANNIV.(4分6秒)

 この「LOVE SKY PROJECT」は今後も開催されていくが、第2回からはコペンだけでなくすべてのダイハツ車が対象になる。その第2回開催である「LOVE SKY PROJECT #2 SUNSET DRIVE@熊本 by ALL DAIHATSU FANS」は好評のうち終了。続く第3回目の開催はまだ未発表だ。この情報はダイハツのHP内にある「LOVE SKY PROJECT」のページに掲載されるので、ダイハツ車オーナーの読者さんはぜひ、「LOVE SKY PROJECT」のページをチェックしてほしい。

シメはCar Watch星空班!?の描く☆で!

深田昌之

Photo・Movie:堤晋一