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ダイハツ、「コペン」の丸目“第三のモデル”「コペン セロ」発表会

衣装交換が可能な「DRESS-FORMATION」は10月から発売開始

2015年6月18日開催

 ダイハツ工業は6月18日、軽オープンスポーツカー「コペン」の第3のモデルとなる「COPEN CERO(コペン セロ)」を発売し、報道機関向けの発表会を行った。

 2代目となるコペンは、2013年の東京モーターショーで公開されたコンセプトカーの「KOPEN」がベースになっていて、2014年6月から市販モデルとなった「コペン ローブ」の発売が始まっている。現行モデルのコペンは、新骨格構造の「D-Frame」と内外装脱着を可能とした「DRESS-FORMATION(ドレスフォーメーション)」を採用し、外板パーツを交換することで容易にデザインを変更できる車両となっている。

 ローブの発売に続き、2014年11月には第2のモデルとなる「コペン エクスプレイ」が登場。今回は待望となる丸目モデルのセロの販売開始となった。

第3弾モデルとして発売されたコペン セロ
インテリアは直線基調のデザインでスポーティさを演出
シートカラーはローブと同じベージュ。オプションとしてシート表皮やインパネ加飾が赤になる「レッドインテリアパック」も用意している
ホイールのデザインもローブと同様。タイヤサイズは全モデル共通で165/50 R16
記者会見でコペン セロの解説を行ったダイハツ工業の上田亨技術本部長

 発表会で登壇したダイハツ工業の上田亨技術本部長は、まず2014年から発売しているコペン ローブについて振り返った。

「昨年発表した新型コペンは、感動の走行性能と自分らしさを表現できるクルマで、骨格+樹脂外板構造によりクルマの楽しさを実現してます。新規開発した『D-Frame』は、高い操縦安定性と乗り心地を生み出していて、すべてのコペンの土台となっています。走る楽しさだけでなく、若い世代の心を打つために内外装が脱着できる『ドレスフォーメーション』を採り入れました。コペンはローブとエクスプレイの2モデルを発売しましたが、発売から11カ月で1万台の販売を達成しています」と語り、高次元の走行性能をもたらすD-Frameと、画期的な意匠変換システムのドレスフォーメーションの採用によって、販売が好調に推移していることが示された。

新型コペンの特徴を振り返るとともに受注状況が発表された
営業本部国内マーケティング部の松居康彦氏は、「LOVE LOCAL by COPEN」のキーワードを元に、オーナーとのコミュニケーションを取っている活動について説明。ディーラーの代表者によって行われたLOVE LOCALの活動は、クルマを買った後にもディーラーが積極的にイベントを開催し、楽しみ方を提供している様子が報告された

 3モデル目となるコペン セロについては「昨年の(コペン ローブ)発表時に、ドレスフォーメーションの可能性として“第3のモデル”があることを発表していました。本日発売するセロは、親しみやすさと躍動感を融合したモデルです。流れる滴のようなシルエットを持っていて、デザインコンセプトは『Friendly and Dynamic Evolution』になります。ボディー全体は丸みを帯びたシルエットで、フロントとリアに丸型のランプを採用し、ドレスフォーメーションの広がりを示唆してます」と上田技術本部長は解説。これまでの2モデルに対して丸みの帯びたボディーラインを持ち、ライト類も初代を彷彿させる丸型のデザインを採用していることを紹介した。

コペンセロの特徴とドレスフォーメーションの施策についての解説

 続けて、新型コペンの最大の魅力となるドレスフォーメーションについての詳細にも触れ「ドレスフォーメーションは世界初の試みで、12個の外板パーツとヘッドランプ、リアコンビランプを替えることで、ローブを購入した人が数年後にセロに意匠を変更することができます。外板パーツとライト類は10月から発売する予定で、フルセットで35万円前後を検討しています。フルセット以外にも、フロントやリアのみでの販売も予定していて、その場合は10~20万円になります。ドレスフォーメーションは外板パーツの変更だけではなく、さまざまな可能性が広がっています。今回、オプション設定した「Dラッピング」はダイハツが独自に開発したラッピング技術で、ブラック、シルバー、ワインレッドの3色をラインアップします。塗装によるツートーンカラーよりも自由度があり、こちらも意匠変更が容易です。また、本日から究極のドレスフォーメーションを作るデザインアワードをコペンのホームページで募集してるので、多くの人に新たなデザインを作ってもらいたいです」とコメント。外板パーツを交換することで、簡単に意匠変更ができるドレスフォーメーションの詳細な展開についての発表も行われた。

発表会場の展示車にも、カーボン調成型PVCの貼り付けで素材感とカラーリングを変更する「Dラッピング」が樹脂製パーツのルーフに設定されていた
ドレスフォーメーションの付け替え作業の実演も行われた。実演したのは「コペンファクトリー」のスタッフで、数個のボルトを外すことで簡単にバンパーやサイドステップ、フェンダー、ライトなどを取り替えていた。交換時間は10分程度
ローブからセロに変更された車両
セロからローブに変更された車両
12個の外板パーツとライト類によって構成されるドレスフォーメーション
コペンの外板パーツは、多くのサードパーティーに参入してほしいとの思いから、図面データをオープンプラットフォームとして公開している。3Dプリンターメーカーのストラタシスジャパンと3Dクリエーターによって製作されたドレスアップパーツも会場に展示されていた
ドレスフォーメーションの新しい展開についての説明

 このほか、コペンのエクスプレイでもドレスフォーメーションでの製品展開が予定されており、ローブとセロを入れ替える外装キットの発売に合わせ、東京オートサロンのダイハツブースで展示されたD-SPORTの「COPEN XPLAY×D-SPORT ストリート仕様」がボディーキットとして発売されることも明らかにされた。

 第3弾の丸目モデルとなるセロが登場し、全貌が見えた新型コペン。世界初の試みとなるドレスフォーメーションの広がりは、アフターパーツメーカーや3Dプリンターメーカーなど多方面に波及している。今後も魅力的な施策を提案し続けるコペンから目が離せない。

外板形状が異なり、ローブ、そして新登場のセロと互換性がないエクスプレイだが、10月に発売を予定するD-SPORTの「COPEN XPLAY×D-SPORT ストリート仕様」で本格的なドレスフォーメーションが楽しめるようになる
1月の東京オートサロン ダイハツブースで展示されたD-SPORTの「COPEN XPLAY×D-SPORT ストリート仕様」。ボディーキットとしての市販化が決定された

(真鍋裕行)