CES2014
マツダ、車載情報システム「マツダコネクト」の開発環境を展示
オープン化を見据えOpenCarと協業。マツダコネクトのアプリを制作可能に
(2014/1/14 12:38)
米国ネバダ州ラスベガスで開催された「2014 International CES」では、トヨタ自動車、マツダと、日本メーカーのブースを見ることができた。マツダはCESへは初出展。ブースは、新型「Mazda 3(日本名:アクセラ)」から搭載された車載情報システム「マツダコネクト」を訴求していた。
CESでトレンドとなっているコネクテッドカー(つながったクルマの意味。インターネットに接続することで、さまざまなサービスを移動中にも実現する)を、マツダはマツダコネクトで実現。ネットラジオなどのサービスを提供している。
マツダが、マツダコネクトの次のステップとして考えているのが、マツダコネクトのアプリケーション開発をユーザーに開放すること。具体的には、コネクテッドカーシステムの開発を行っているOpenCarと協業し、開発登録者にマツダコネクトの開発環境をダウンロード提供。開発者はその開発環境を用いて、マツダコネクトのアプリケーション開発が行える。
IDE(統合開発環境)として提供されていたのは、マツダコネクトのエミュレータ、HTML5用のエディタなど。マツダコネクトのアプリケーションはHTML5で動作するため、HTML5開発に適したツールが提供されている。ここで問題となるのは、車載アプリケーションの場合、車載システムの情報表示については国や地域ごとにガイドラインが定められていることだ。たとえば、日本においても自動車工業会が、車内で使う画像表示装置に関するガイドラインを定義。日本の自動車メーカー、および日本のカーナビメーカーは、そのガイドラインに合う形でカーナビに代表される車載情報端末サービスを提供している。
●自動車工業会 画像表示装置ガイドライン
http://www.jama.or.jp/safe/guideline/
この各国の違いについては、ある程度開発環境でも吸収したいとマツダ 車両開発本部 電子開発部の岡野英紀氏はいう。たとえば、同じ関数でも地域コードを参照することで異なる振る舞いができるようにするなどだ。
ブースでは、マツダ社内で作成した「Today at a Glance」と名付けられたアプリを紹介。このアプリはマツダの新たなデザインテーマである「魂動(こどう)-Soul of Motion」デザインで作られたもので、時計の文字盤において予定のある時間帯を赤く表示することで、1日の予定を視覚的に把握できる。個々の予定も見ることができ、その日の天候も確認可能だ。
マツダコネクトがインターネット環境を提供するので、たとえばGoogleカレンダーなどのクラウドサービスとの連携なども容易に可能だし、iOSデバイスのApp Storeのアプリの充実度を見ると、思いもよらなかったアプリが登場してくることも考えられる。
会場に展示されていたマツダコネクトには「Mazda App Showroom」というメニューが表示されており、App Storeと似たようなイメージでアプリなどをダウンロード&インストールできるようにしていくのだろう。
車載情報端末とはいえ、クルマのアプリケーション開発をオープンにしていくのは、これまでの自動車販売とは異なる取り組みになる。それゆえに、OpenCarと協業する必要があったと思われる。このプログラムの今後の進捗は要注目だ。