インドネシア国際モーターショー2014
ディーラーネットワークを拡充することで拡販を図る三菱ふそうトラック・バス
365日24時間営業のトラックセンターを訪問
(2014/9/22 09:00)
インドネシアでは経済発展を背景に自動車需要が増大しており、それはトラックなど商用車も同様のものとなっている。インドネシア国際モーターショーの期間中に、三菱ふそうトラック・バスのディーラーを訪問する機会があったので、ここにお届けする。
訪問したディーラーは、インドネシアで三菱ふそうのディーラー業を行うスリカンディグループのジャカルタトラックセンター。このジャカルタトラックセンターは、24時間365日営業しており、スリカンディグループはこのような店舗を計3店舗展開。2014年内には4店舗に増やし、来年中には8店舗まで拡大することで主要街道でのメンテナンスサービスを提供する。
この店舗の年間サービス台数は約600台。20人のサービスマンが対応しているという。提供するサービスは通常のメンテナンスや、部品交換などで、スペアパーツについては常時1万点ほどを在庫。「Colt Diesel」(日本名:キャンター)や三菱ふそうのトラック用部品が置かれている。インドネシア国際モーターショーで発表されたばかりのFJ25シリーズの部品も早速用意されていた。
スリカンディグループはこの固定店舗以外に「モバイルワークショップ」という移動サービスを提供。これは商用車にメンテナンスに必要な機械などを設置したもので、大型、中型、小型タイプを用意。スペアパーツの輸送のみを行う小型車も用意されている。このモバイルワークショップは、インドネシア全土で74台を展開しているが、2014年末には120台体制に拡充。24時間体制のきめ細やかなサービスを行うことで、ユーザーの満足度を上げていき、トラックの拡販につなげていく。
これら24時間タイプのサービス以外に、通常タイプのディーラーも拡充。スリカンディグループでは年間に3~5拠点開設していき、インドネシアで増大するトラック需要における販売チャンスを逃さないようネットワークを細やかなものにしていく。
スリカンディグループに努めるオスマン氏によると、とくにインドネシアの西カリマンタン地区のトラック需要は大きく、石炭の採掘、ゴムの木からの採取など天然資源ビジネスが拡大しているという。
天然資源が豊富にあり、経済成長が続く中で、トラックの需要も増大しているインドネシア。インドネシアではトラックを運転するドライバーの数は需要に追いつているのだろうか。その点について聞くと、経済成長に伴って賃金も上昇しつつあり、トラックの運転手をしていた人が別の職に就くことも多く、良質なドライバーの数は需要に追いついていないという。もちろん新たにトラックドライバーになる人もおり、スリカンディグループではトラックドライバー向けにトレーニングプログラムを提供。経営者とともに直接の利用者であるドライバーに三菱ふそうの製品を理解してもらおうとしている。
オスマン氏によると、インドネシアでのトラック販売ビジネスは、見込み客に対する訪問から始まるという。そこで製品のよさを理解してもらい、三菱ふそうのトラックを購入することでビジネスの価値が高まるとなれば、購入へとつながっていく。その際に重要なのは、製品のコストパフォーマンスはもちろん、商用車としての使い勝手のよさ。インドネシアのトラックは過積載が当たり前で、製品のスペックを超えた使われ方が日常となっている。その上で、故障しにくいこと、故障した際も速やかに直すことができることが求められており、三菱ふそうの製品はそういう点でユーザーから高い評価を得ているという。
スリカンディのディーラー網やモバイルワークショップも、それらの評価を高める一因となっており、365日24時間営業のトラックセンターを増やしていくことで、ユーザーの要望に応えていく。ちなみに、このトラックセンターには休憩所もあり、とくにメンテナンスや修理の用事がなくても立ち寄ることができる。高速道路や一般道に大規模休憩施設の存在しないインドネシアにおいては、大きなセールポイントになっているという。他社のトラックのユーザーが立ち寄ることも大歓迎で、三菱ふそうのトラックやカタログを見てもらうことで、次のセールスにつながればとのことだ。
このようなサービスに優れたディーラー網の整備もあって、スリカンディグループの商用車販売台数は毎年2桁成長を続けている。2014年の目標は1万台超えの17%成長を目指しており、伸びゆくインドネシアの勢いを感じた。