日産自動車は、北京モーターショーで新型「シルフィ」を世界初公開した。

　中国市場では、街中を走る多くのクルマが4ドアセダンで、ユーザーにもセダンタイプが支持され人気を集めている。世界中を見てもどの地域よりもセダンが支持されるだけあり、中国専用車ではなくグローバル展開されるモデルながら、新型「シルフィ」がもっと受け入れられるはずの中国でワールドプレミアが行なわれたのは自然な流れなのだろう。

　またブースでは、リーフの市場導入が遅れている中国だが、日産がこれからの車両ラインアップで軸としているゼロエミッションカーの展示も行われていた。「PIVO 3」「エスフロー」「e-NV200」といったコンパクトから多目的ミニバン、スポーツモデルまで多方面でゼロエミッションカーを用意することで、中国市場での電気自動車の可能性を示している。

　初公開された「シルフィ」だが、外観こそ先代のイメージを汲んだデザインとなっているが、各部の質感、室内空間の広さ、燃費性能など大きく向上させ、ひとクラス上の車格を持たせたモデルとなる。

　エクステリアは、ヘッドライト下部とリアブレーキランプ内にLEDが装備され、プレミアムな雰囲気をかもし出す。インテリアは、高級感のある素材を多用し、リアレッグスペースなどの室内空間も十分に考慮してデザインされている。また、トランクルームのスペースも同クラスでは最大のサイズを持つ。デュアルエアコンやインテリジェントキー、プッシュエンジンスターターなどの機能面でも充実が図られている。

　パワートレーンは、新型1.8リッターエンジンに副変速機付CVTが組合せられる。新型の1.8リッターエンジンは、ロングストローク化され、「CVTC」という吸排気可変バルブタイミング機構を持つことで、高い燃費性能も持っている。

　新型シルフィは、広州にある東風日産の工場で生産され2012年の半ばから中国国内にデリバリーが始まる。まずは中国での販売となり2014年までには世界中の120か国へ導入される予定となっている。

タイヤサイズは205/50 R17

EVでのスポーツカーの可能性を提示する「エスフロー」

4m以内の幅でUターン可能なコンパクトカー「PIVO 3」
多目的商用バン「e-NV200」。ファミリーとビジネスユース両面で使用できる

ニューヨークのタクシー通称イエローキャブに採用されることが決まった「NV200」。最終仕様までは至っていないようで、まだ世界に1台しかないという