CES 2016

ヤマハ、人型自律ライディングロボ「MOTOBOT(モトボット)」の第2フェーズを「CES 2016」でプレゼン

すでに補助棒なしで107km/hの走行を実現。2016年に一般公開デモ走行

2016年1月6日〜9日 開催

人型自律ライディングロボット「MOTOBOT(モトボット)」のデザイン画

 ヤマハ発動機はかねてより開発を進めていた人型自律ライディングロボット「MOTOBOT(モトボット)」の第2フェーズを始動。既報のとおり、米ラスベガスで開催された「CES 2016」において「SRIインターナショナル(SRI)」と引き続き共同開発を行なっていくことで合意したと発表した。

 モトボットは2015年10月開催の「第44回東京モーターショー2015」で公開され、Moto GP世界チャンピオンである“ロッシ超え”を掲げたことから世界で大きな話題となった。「CES2016」ではRoboticsカンファレンスの中の1コマ、「See them Live! Robot Revue for 2016」というセッションで、ソフトバンクモバイルの「Pepper」やBlue Frog Roboticsの「Buddy」など、先進的なロボットプロジェクトの1つとしてプレゼンテーションを行なった。

 各プロジェクトの紹介に割り当てられた時間は約10分というわずかなものだったが、モトボットに対する取り組みがコンパクトにまとめられていた。

ヤマハ発動機の紹介
ヤマハのロボットについて

 モトボットに課している目標は、シリコンバレーと日本の最高のロボット技術を集約し、人間のライダーを走破することができるロボットバイクを研究開発することだ。SRIとヤマハ発動機は、ロボットの基本ソフトをスクラッチから8カ月で作り上げ、コンピュータシミュレーションによるバランシングとガイダンスのアルゴリズムを完成させた。これが第1フェーズだ。現時点ではクラッシュなしで、107km/hでのテストコース走行を300回以上実現している。

開発スタッフ
右手、スロットル側のアクチュエータ
スロットル部分の拡大写真。写真右が前方
モトボットのデザイン変遷

 第2フェーズでは、ヒューマノイド開発を進めることで、さらにアクチュエーションの精度を高め、データを使ったロケーション対応、そして、地理状況のトラッキングの最適化などをめざす。また、スピードを高め200km/h超えを目指す。

 モトボットは基本的に自律走行を目指すが、その走行ロジックはクラウドとの通信で決まる。クラウド側でロジックを切り替えれば、そのロジックに従った走行に切り替わる。切り替わるのはあくまでもロジックであって、そのロジックに基づく自律走行を実現している。

 車体の各所に装備された温度や加速度、圧力など、さまざまなセンサーの情報がクラウド側にリアルタイムでわたされロジックを切り替える。

 そのためにも大量のデータを元にした演算が必要で、演算結果によるアプローチを正確にトレースすることで、レースでいうなら前車を抜き去るといったパフォーマンスにつなげることができる。仮に通信が途絶えたとしても、直近の制御を司る古いロジックで安全に走行を続けることができる。いわばビッグデータ解析と自律走行のハイブリッドシステムだ。現在のロボティックスは集合知によるAIに依存する面が少なからずあるが、モトボットはそれに依存しない走行を目指す。

 2015年秋に公開されたサーキット走行の映像では、万が一の転倒等のアクシデントに備え、補助輪が装備されていたが、すでにこのアタッチメントは取り払われ、その状態で安定した走行が実現されているそうだ。

 ヤマハ発動機ではいくつかのマイルストーンを設定し、そこをクリアできるたびに進捗状況を発表。2016年内には走行デモンストレーション現場の一般公開、そして、2017年の東京モーターショーで、この第2フェーズの完成お披露目を目論んでいるとのことだ。

(山田祥平)