CES 2016
テスラ「モデルS」の自動運転を米国本社で体験
日本でも自動運転可能な「ソフトウェア7.0」を月内にも提供と表明
(2016/1/10 02:37)
- 2016年1月8日 実施
テスラモーターズは、「CES 2016」の開催期間中に同社本社工場のある米国カリフォルニア州サンフランシスコ フリーモントにおいて自動運転の体験試乗会を開催した。合わせて2016年1月中にも、日本国内向けにテスラ「モデルS」で自動運転を実現する「ソフトウェア7.0」の提供を開始すること明らかにした。国土交通省の承認を受けたことにより実現するもので、国内でも自動運転の世界が到来することになる。
そのほか「モデル3」を3月に発表すること、米国で発売しているモデルXの国内販売を年内にも開始することを明らかにした。
自動運転を行なうことができるソフトウェア7.0は、すでに米国では提供が開始されているもので、国内では2015年1月以降に発売されたモデルS向けに提供。ソフトウェアは、インターネットを通じてダウンロードすることになる。2014年10月から国内で販売された初期モデルは、自動運転に必要なカメラやセンサーが搭載されていないため、自動運転には対応しない。
同社によると、ダウンロードの準備が整うと、ディスプレイにダウンロードが可能であることを示すメッセージが表示され、それに従って操作するとインターネットを通じて最新ソフトウェアをダウンロードできる。ダウンロードには、数時間かかる見込みで、その間は自動車の運転ができない。
ソフトウェア7.0で提供されるのは、高速道路などでの自動運転が可能な「オートパイロット」、ウインカーを出せば自動的に車線を変更する「オートレーンチェンジ」、縦列駐車が可能な「オートパーク」の3つの機能。
テスラSシリーズの現行モデルには、前後に6つずつ、合計12個のウルトラソニックセンサー、前方に車間距離などを計測するレーダー、フロントガラス上部に配置されたカメラの3つを搭載。これによって、クルマの周囲を計測して、自動運転を行なうことになる。
オートパイロットでは、メーターパネルに車線がグレーで表示され、車線を認識していることが示された場合に、レバーを2回を押すと、自動運転モードに変わる。車間距離や速度を指定しておけば、それに合わせて自動運転を行なう。
一般道でも車線を認識することができ、自動運転は可能だが、同社では「機能としてはあるものの、あくまでも高速道路で運転時に自動運転を利用してもらいたい」としている。
ブレーキを踏んだり、ステアリングを少し右に切ったりすると、オートパイロット機能が解除される。
また、「オートレーンチェンジ」では、オートパイロットの実行時に、ウインカーを出すと、自動車の周囲360°の状況をセンサーで確認。自動的に車線を変更する。渋滞時などには使用できない。また、オートレーンチェンジは、日本では規制に合わせてステアリングに触れている必要があるが、米国ではステアリングにまったく振れずに車線を変更することができる。
隣の車線が混雑している場合など、自動でレーンチェンジができなかった際には、ウインカーを戻せば、オートレーンチェンジ機能が解除される。横の車線の移る機能としているため、高速道路のパーキングエリアや出口などの斜め方向に進む際には、ウインカーを出してもこの機能は使えない。
縦列駐車が可能な「オートパーク」では、停止している自動車と自動車の間が駐車可能であるかどうかを測定。可能だと判断すると「P」マークが表示され、その後、ディスプレイ上に表示される「Autopark Ready」の「START」のアイコンを押すと、自動的に縦列駐車を開始する。狭い車間でも、数回の切り返しで、縦列駐車をすることが可能だ。なお、縦列駐車からの発進はドライバーが行なうことになるほか、駐車場などでのバック駐車の自動操作は、今回のバージョンではできない。