【第6回】保険の契約時に知っておきたい用語集
聞き慣れない保険用語を解説


自動車保険の保険証券。契約期間や内容について記載されている。この証券を発行しないで値引くサービスもある

 前回、前々回と保険の種類や特約についてその内容を紹介してきたが、今回は保険契約時に知っておきたい保険の用語解説だ。等級や割引など、保険料に関わる用語なのでよく覚えておこう。

ノンフリート等級
 利用者の無事故の期間が長ければ保険料を割り引くもの。通常20等級で分けられ、契約初年度は6等級からスタート。1年間無事故だと1等級アップし、等級に応じて保険料が割り引かれる。所有台数が9台以下のユーザーを対象としたもの。保険会社を切り替えても基本的には等級は引き継がれる(一部取扱いが異なる場合もある)。また、7等級以上の場合、保険期間の満了日から8日以上経過すると等級の引継ぎができなくなるので注意が必要。現在の自分の等級が分からない場合は、保険証券を確認すると書いてある。

カウント事故・ノーカウント事故・据え置き事故
 前出のノンフリート等級に関連する用語。一般的に保険を使う事故を起こした場合は、カウント事故として翌年の保険のノンフリート等級が3等級下がる。ただし対人・対物補償、車両保険を使わない様な場合、ノーカウント事故として等級は翌年1等級上がる。また、火災や洪水、盗難、落書き、飛び石によるガラスの破損、飛来物との衝突によって車両保険を使った場合は、据え置き事故として翌年の等級が据え置きになる。カウント事故・ノーカウント事故・据え置き事故の定義は保険会社ごとに若干異なるので注意しよう。

車両保険免責金額
 車両保険を利用する際に、自分が負担する金額。車両の修理に12万円掛かったとして、免責金額が5万円なら、保険会社からは7万円だけ支払われる。免責金額を上げるとそれだけ保険料は安くなる。

保険証券
 保険を契約すると交付される書面。保険の契約とその内容を証明するもの。携帯していないと保険が支払われないといったことはない。インターネットでも確認できるものなので、保険証券を発行しない代わりに値引きするサービスを用意する保険会社もある。

インターネット申込割引
 インターネットを使って保険契約を結んだ場合に保険料を割り引くサービス。多くの場合新規契約の場合と継続の場合で割引額が異なる。また、保険会社によってはマッキントッシュに対応していない場合もある。

主な使用目的
 リスク細分型保険で多くの保険会社が採用する保険料算出の基準のひとつ。通勤や通学で使っている人よりレジャーなどに使っている(週末ドライバー)のほうが事故を起こす可能性が低いため保険料が安くなる。

 普段は電車通勤だが時々クルマで通勤するような場合は、その頻度によるが多くの場合レジャーを選んでも平気だ。ただし基準は保険会社によって違うので、クルマ通勤の頻度が高い人は確認しよう。

年間走行距離
 文字通り1年間に走行する距離だが、保険会社によっては走行距離が短いと保険料が割り引かれる場合がある。過去の年間走行距離から想定される距離を選べばよい。検討が付かないという人は車検証を見てみると前回車検時の走行距離が出ているので、現在の走行距離と車検からの年数で計算しよう。

 たとえば年間5000km未満のつもりだったのに5000kmを超えてしまったとしても、それで保険料が支払われないようなことはない。また、ソニー損保の場合、想定した距離より走らなかった場合に、翌年保険料を割り引くサービスもある。

記名被保険者
 主にクルマを使用する人。記名被保険者の年齢でも保険料が変わったりするので、たとえば“夫婦でどちらも同じくらい利用する”といった場合、それぞれで見積もりをしてみるのがオススメ。たとえば年齢やゴールド免許の有無で保険料が変わる可能性がある。

年齢
 自動車保険において、年齢は様々な形で保険料に反映される。たとえば運転者年齢条件。26歳未満不担保や35歳未満不担保など、運転者の年齢条件を付けることで保険料が安くなる。この年齢条件は保険会社によって少しずつ中身が異なる。年齢条件は家族のみに適応され、家族以外は年齢条件無制限になる場合もあれば、臨時運転者特約、家族外運転者特約を付帯することで家族以外は年齢無制限になる場合も。家族以外で運転する機会がある人はよく確認しておこう。

 また、年齢条件は同じでも記名被保険者の年齢によって保険料が変わる場合もある。

家族
 自動車保険の補償の範囲などで、度々「家族」という言葉はよく出てくるが、家族の定義は補償内容などによって若干異なる場合があるので注意したい。特に違いが出るのが別居の未婚の子供で、家族に含まれる場合と含まれない場合がある。また、仕事に従事中の使用人が含まれるケースもある。

(瀬戸 学)
2011年 6月 21日