首都高、中央環状品川線のシールドマシンを公開 大井~大橋間を1台のマシンで掘削。2013年度に開通予定 |
公開された中央環状品川線のシールドマシン |
首都高速道路は12月22日、中央環状品川線の建設で使用するシールドマシンの発進式を行い、報道陣向けに公開した。
中央環状品川線は、東京都品川区八潮3丁目から目黒区青葉台4丁目まで約9.4kmを結ぶ中央環状線の南側部分を形成する路線で、八潮では湾岸線から分岐し、青葉台では2009年に開通予定の中央環状新宿線(山手トンネル)、および2009年供用開始予定の大橋JCT(ジャンクション)を経由して3号渋谷線と接続する。
全線が地下トンネルで、八潮からJR大崎駅付近までは目黒川の地下約40mに、大崎駅付近から中央環状新宿線との接続までは山手通り(環状第6号線)の地下約13~20mに造られる。また、品川区八潮1丁目付近、品川区南品川4丁目付近、品川区西五反田付近、目黒区中目黒3丁目付近の4カ所に換気所を設置するほか、2号目黒線との交差地点付近には五反田出入口を設置する予定だ。なお、1号羽田線、2号目黒線とは交差するものの接続する予定はない。
中央環状品川線の完成は2014年3月を予定しており、これにより中央環状線(C2)が全線開通。都心環状線(C1)の渋滞解消に向けて建設を進めている3つの環状線のうち、「東京外かく環状道路(外環道)」「首都圏中央連絡自動車道(圏央道)」よりも早く、最初に完成することとなる。また、湾岸線と3号渋谷線、4号新宿線、5号池袋線とアクセス性が向上し、大井南から池袋までの所要時間が、従来の都心環状線を利用した場合の35分と比較して、15分短縮の20分になるという。このほか、交通分散により都心環状線の浜崎橋JCTや、11号台場線のレインボーブリッジ付近の渋滞解消に繋がり、経済効果やCO2の削減につながるとしている。
中央環状品川線の建設概要。北行き2車線、南行き2車線の4車線となる |
中央環状品川線の建設は、首都高速道路と東京都との合併施行方式を採用しており、首都高速道路の有料道路事業費2000億円と、東京都の街路事業2000億円によって事業が推進される。また、建設も、大井から大橋に向かう北行き(外回り)を首都高速道路が、大橋から大井に向かう南行き(内回り)を東京都が担当する。
建設には、川崎重工業製の直径12.55mのシールドマシンを使用。建設コストと用地買収を削減するために、従来のシールドトンネルでは2~3kmごとに設置されるシールドマシン搬入用の立坑を、八潮1丁目付近の大井北立坑の1カ所のみとし、1台のシールドマシンで大橋まで約9.4kmを掘削する。首都高によれば、完成すれば1台のシールドマシンで掘削されるトンネルとしては世界最長となるという。掘削スピードは300m/月、約30カ月で掘削が完了する見込みだ。
シールドマシンの概要。川崎重工で製造された後、海路で大井埠頭まで輸送され、大井北立坑に搬入されたとのこと | ||
シールドマシンによって敷設されるトンネル内壁の「セグメント」の概要 | 大井北立坑の概要。京浜運河とJR東海の大井車両基地の引込線との間に設けられている。中央環状品川線開通後は換気所として利用する予定だ |
【お詫びと訂正】初出時、サブタイトルの開通年度について誤記がございました。お詫びして訂正いたします。
■URL
首都高速道路株式会社
http://www.shutoko.jp/
中央環状品川線
http://www.c2info.jp/sinagawa.htm
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(編集部:大久保有規彦)
2008年12月22日