NEXCO西日本と日産、カーナビ利用の逆走防止対策などで共同研究
実証実験や実験公開も予定

自律検知方式の逆走防止対策



  NEXCO西日本(西日本高速道路)と日産自動車は1月26日、ITなどを活用した道路情報提供システムに関する共同研究を開始すると発表した。

  今回の共同研究は、既存の情報提供システムの強化・補完を図ることを目的として行うもの。共同研究の内容は、GPS機能を活用した研究開発では、カーナビ内のGPS機能と詳細地図データの組み合わせにより逆走を検知し、サービスエリアやIC(インターチェンジ)付近で音声と画像で注意喚起する機能を研究する。

  NEXCO西日本によれば、高齢化社会が進む状況の中で、自動車の逆走が顕在化してきていると言う。これを受けて、従来から実施してきた逆走防止対策を強化するとともに、逆走事故防止に向けたNEXCO西日本グループ内プロジェクトチームを2008年5月に立ち上げ、逆走防止に特化した形で検討を進めている。

  NEXCO西日本が検討している逆走防止対策は、今回日産と共同研究することとなったカーナビ内のGPS機能を利用する「自律検知方式」のほか、路側に設置したCCTV(Closed Circuit Television:閉回路テレビジョン)から入手した映像を解析して逆走を検知し、周辺を走行している車両へ情報板等を利用して注意喚起する「路側単独方式」。国土交通省が推進している「スマートウェイ」と連携し、自動車に設置した電波受信装置と路側に設置した電波送信装置を活用して高速道路での逆走を検知し、ドライバーに画像や音声で通知する「路車協調方式」の3種類としている。

路側単独方式路車協調方式

  また、テレマティクスを活用し、事故の多い長い下り坂での速度超過注意や、渋滞の原因となる登坂開始地点での速度低下注意をカーナビ上で通知する機能を研究。プローブデータの活用し、道路管制情報に対するプローブデータの活用法など、高速道路を走行する車両に対してより付加価値のある情報の提供についても検討する。

 

  なお、GPS機能を活用した逆走検知については、既存の日産純正ナビに機能を追加し実証実験を実施するほか、報道関係者向けの実験公開も2月上旬に予定している。

テレマティクスを活用した共同研究プローブデータの活用による走行支援

 

URL
西日本高速道路株式会社
http://corp.w-nexco.co.jp/
日産自動車株式会社
http://www.nissan.co.jp/
ニュースリリース(NEXCO西日本)
http://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/hq/h21/0126a/
ニュースリリース(日産)
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2009/_STORY/090126-01-j.html

(編集部:大久保有規彦)
2009年1月26日