NEXCO東日本、「冬のホッとドライブイベント」谷川岳PA会場リポート 悪条件でも雪道体験 |
NEXCO東日本(東日本高速道路)は1月31日、「冬のホッとドライブイベント」と題して、関越自動車道の谷川岳PA(パーキングエリア)で雪道運転体験レッスンを開催した。今年で11回目を迎えるイベントで、雪道での運転経験が少ないドライバーに、雪道での車の挙動を体感してもらい、安全運転に役立ててもらおうというもの。
別記事でレポートしているとおり、上信越自動車道 佐久平PA直結の佐久スキーガーデン パラダ会場と同時に開催された。谷川岳PA会場は、下り線PA内に特設された、13×54mの雪道体験バーンを使って行われた。
谷川岳PAは東京から向かうと関越トンネルすぐ手前にある。トンネルを抜けると本格的な雪道に切り替わるポイントなので、雪道での運転について知っておいたり、おさらいするには絶好のロケーションと言える。インストラクターはD1グランプリドライバーの上野高広選手。北海道出身でドリフトのプロであるうえ、運転技術の指導経験も豊富と、雪道運転の先生としては理想的な配役といえる。
だが開催当日は、前日から降り続いた雨がやまない状態。NEXCO東日本の作業機が朝から整備をしても、特設バーンの雪はグズグズで、状態はよくならない。上野選手でも「ノーマルタイヤではスタックするだろう」というほど路面は柔らかい。
バーンの上に設けられたコースを、スタッドレスタイヤ装着車とノーマルタイヤ装着車の2台で参加者が運転して雪道での急ハンドル、急ブレーキを体験する予定だったが、このような状態ではそれ以前にスタックしてしまう。急遽、上野選手が運転するスタッドレスタイヤ装着車に同乗して、雪道での心得を聞く趣向に切り替えられた。当然ドリフトなど無理、方向転換も危険ということで、バーンを真っすぐ走行するだけとなった。
D1ドライバーの華麗なドリフトを間近で見るという期待は外れたし、一般ドライバーが運転することもできず、上野選手が真っすぐ走るのに希望者が同乗するだけと、イベントは地味な内容になった。しかし、スタッドレスタイヤを履いた日産プリメーラが車体を大きく上下させ、フロントを雪に突っ込みながら雪道を掻いていく様子はなかなかの迫力。 同乗してみると、あまりの揺れに舌をかむのを恐れ、しゃべることもできないほどだった。
もちろん真っすぐだけでもこんな路面をこなせるのは上野選手の技術があってのこと。だが上野選手は「雪道の基本は“急”が付く操作を避けること。こんな路面でも、急にアクセルを踏んだり、ハンドルを切ったりせず、ゆっくり焦らず運転すれば、スタックせずに抜けることができます」と言う。またAT車であれば、雪道に入ったらDレンジでなく、1または2レンジに固定しておくほうがいいと言う。「Dレンジではキックダウンなどでホイールスピンしてしまい、それが急な操作になってしまうから」とのこと。
一般ドライバーが運転するチャンスがなくなったのは残念だったが、ここまで状態の悪い雪道を体験することも珍しく、有意義なイベントだったと言える。
■URL
東日本高速道路株式会社
http://www.e-nexco.co.jp/
ニュースリリース
http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/press_release/kanto/h21/0109/
上野高広選手のブログ
http://uenotakahiro.cocolog-nifty.com/
(編集部:田中真一郎)
2009年2月2日