トヨタ、「クラウンマジェスタ」をフルモデルチェンジ 全長5m未満のボディーに乗る人すべてへの「快適性」を追求 |
トヨタ(トヨタ自動車)は、クラウンマジェスタをフルモデルチェンジし、3月26日に発売する。価格は次のとおり。
グレード | 乗車定員 | エンジン | トランスミッション | 駆動 | 価格 |
Aタイプ | 5人 | 1UR-FSE (V型8気筒 4.6L) | 8 Super ECT (8速AT) | 2WD(FR) | 610万円 |
Aタイプ“Lパッケージ” | 685万円 | ||||
Cタイプ | 695万円 | ||||
Gタイプ | 740万円 | ||||
Gタイプ“Fパッケージ” | 4人 | 790万円 | |||
i-Four | 5人 | 3UZ-FE (V8気筒 4.3L) | 6 Super ECT (6速AT) | 4WD | 690万円 |
5代目となる新型クラウンマジェスタは、“TOYOTAブランドの最高級セダン”に相応しいクルマとして開発したと言う。全長5m未満という国内の使用環境を踏まえたコンパクトなボディサイズとした上で、「高い質感の室内空間」「充実の基本性能」を持たせ、乗る人すべてへの「快適性」を追求している。
■エクステリア、インテリアデザインと快適装備
フルモデルチェンジでは、より快適でゆとりある室内空間の実現のために、ホイールベースを75mm延長し、乗員の膝まわりや足元に十分なゆとりを持たせた後席空間を確保している。ボディー寸法は国内での取り回しを考慮して、全長を5m未満となる4995mmに抑えている。
エクステリアデザインは、これまでのマジェスタらしい雰囲気を残しながらも、水平基調の伸びやかなシルエットの中に、ロングホイールベースを生かした、「堂々とした佇まいと迫力のある躍動感が調和するスタイル」としている。ボディーカラーは以下の全7色。
ホワイトパールクリスタルシャイン | プレミアムシルバーパール | シルバーメタリック |
サテンゴールドメタリック | ブラック | ブラッキッシュレッドマイカ |
ダークブルーマイカ |
インテリアは、インストルメントパネルには横基調の広がり感を、センタークラスターからコンソールにかけては立体的なデザインと素材のよさを強調。ステアリングなどに天然木を使用することで、上質感を演出している。内装にはファブリックや本革、プレミアム本革が設定され、インテリアカラーもグレードやボディーカラーによって、シェルやブラック、プラムが用意される。
Gタイプ“Fパッケージ”のインパネ | Gタイプ“Fパッケージ”/Gタイプの内装。プレミアム本革のシェル | Gタイプ“Fパッケージ”/Gタイプの内装。プレミアム本革のブラック |
Aタイプのインパネ | Aタイプ/Cタイプ/i-Fourの内装。ファブリックのブラック | Aタイプ“Lパッケージ”のインパネ |
Aタイプ“Lパッケージ”の内装。本革のプラム |
メーターは標準設定となるオプティトロンメーターに加え、視認性に優れたカラーTFT液晶を使ったファイングラフィックメーターを設定。デジタル・アナログを同時に表示するスピードメーターや走行レーン情報などを表示するほか、ステアリングスイッチで、夜間での歩行者を映像で確認できるナイトビュー画面への切り替えも可能となる。
標準装備のオプティトロンメーター | カラーTFT液晶を使ったファイングラフィックメーター | ファイングラフィックメーターには近赤外線カメラを使ったナイトビューの映像の表示も可能 |
シートは、フィット感やホールド性を向上させ、長時間の移動でも快適な座り心地を実現。質のよい国内産の革を使用したプレミアム本革シートを設定している。運転席は、シート、ステアリングをチルト&スライドさせ、乗り降りしやすくするパワーイージーアクセスシステムが採用される。
カーナビには、車載通信機DCMで地図を最新の情報に更新する「マップオンデマンド」など、先進の機能や多彩なマルチメディア機能を搭載したHDDナビゲーションシステム(G-BOOK mX Pro対応)を採用するほか、電動格納式・高精細9インチディスプレイを使ったリアシートエンターテイメントシステムや、19chオーディオアンプ+20スピーカーのトヨタプレミアムサウンドシステムを設定している。
V8 4.6Lエンジンは、最高出力255kW(347PS)/6400rpm、最大トルク460Nm(46.9kgm)/4100rpmを発生。i-Fourに搭載されるV8 4.3Lエンジンは、最高出力206kW(280PS)/5600rpm、最大トルク430N・m(43.8kgm)/3400rpmを発生する |
■快適性、静粛性、安全性を実現する走行性能
2WD車に新たに搭載されるV型8気筒 4.6リッター直噴エンジンには、先進の燃料噴射システムD-4S(Direct injection 4 stroke gasoline engine Superior version)や、吸気側のバルブタイミングを最適に可変させるVVT-iE(Variable Valve Timing-intelligent by Electric motor:電動連続可変バルブタイミング機構〈吸気側〉)を採用。駆動力統合制御システム(DRAMS)を備えた8速AT「8 Super ECT(スーパーインテリジェント8速オートマチック)」との組み合わせで、滑らかで力強い走りを実現する。4WDとなるi-Fourには、V型8気筒 4.3リッター直噴エンジンと6速AT「6 Super ECT(スーパーインテリジェント6速オートマチック)」を採用している。
サスペンションには、全車に電子制御エアサスペンションを標準装備。カーナビから得る道路コーナー情報と路面段差学習情報に基づいて、ショックアブソーバーの減衰力を最適に制御する。さらに、エンジン・ステアリング・ブレーキなどを統合制御することで、高い車両安定性と予防安全性能を確保するVDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)も全車に標準装備する。
静粛性においては、遮音性の高いガラスや、振動・騒音の抑制に優れたボディー構造の採用、各制振材・吸遮音材の効果的な配置により、さらに静粛性を向上している。
安全装備としては、「プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー・ステレオカメラフュージョン方式)」に、見通しの良い交差点での斜め前方からの出合い頭衝突に対応する、世界初の「前側方プリクラッシュセーフティシステム」を設定。さらに衝突の可能性が高いと判断した場合、リクライニングした後席を引き起こすことで、後席乗員の保護に寄与する世界初のプリクラッシュシートバックを設定している。そのほかにも、前方の歩行者を検知するステレオカメラや、近赤外線カメラを用いたナイトビューの設定し、アクティブセーフティ性を向上。また、より進化した衝突安全ボディGOAの採用や、「後席サイドエアバッグ」を加えた全10個のSRSエアバッグを全車に標準装備している。
前側方ミリ波レーダーにより実現した、世界初の前側方プリクラッシュセーフティシステムを搭載 | 前側方ミリ波レーダー部 | 後方ミリ波レーダー部 |
運転席シングル・助手席2段式デュアルステージエアバッグ、運転席・助手席ニーエアバッグ、前後席カーテンシールドエアバッグ、前後左右席サイドエアバッグ、後席センターエアバッグを装備 |
■最新のドライバーサポート
カーナビと連動することで、高速道路のIC(インターチェンジ)やSA(サービスエリア)などから本線へ合流する際には、シフトアップタイミングを制御して速やかな加速を支援したり、退出時や本線料金所では、シフトダウンによりエンジンブレーキを増やし、減速しやすいよう制御したりする。
さらに、ドライバーに一時停止の存在を知らせ、一時停止位置に近づいても減速行動を始めないと注意を喚起、その後の急ブレーキ操作に対する減速を支援するナビ・ブレーキアシストの採用や、車両前部の超音波センサーで駐車空間を検出し、ハンドル操作のタイミングと後退開始位置への到達を案内するプレサポート機能を追加した「インテリジェントパーキングアシスト(駐車空間検出機能付)」を設定している。
そのほか、先行車を検知してブレーキ制御も行うレーダークルーズコントロールや、道路上の白線をカメラで認識してドライブをアシストするレーンキーピングアシストなども設定される。
レーダークルーズコントロールの設定スイッチはステアリングに付く | レーンキーピングアシスト用のカメラは、ルームミラーに内蔵 |
Gタイプ“Fパッケージ”は後席が2席の4人乗りとなる |
■さまざまなユーザーとすべての乗員を満足させる装備とラインアップ
車速に応じて前輪の切れ角を最適に制御するVGRSを搭載し、ドライバーの意思に限りなく近い操作性で、走る楽しさを強調するAタイプ“Lパッケージ”と、安心とくつろぎの後席空間を提供する4人乗りのGタイプ“Fパッケージ”を設定。
側面からの衝突時に、後席で隣に座る乗員への被害の軽減に寄与する「後席サイドエアバッグ」を世界で初めて採用するほか、後席中央部に空調、オーディオ、シートリクライニングなど、各スイッチを集約したコンソールを設定。後席の大型ヘッドレストは、サイド部の角度を好みの位置に調整できるとともに、スピーカーを搭載する。また、シート表面から冷風・温風が吹き出るコンフォータブルエアシートや、足を伸ばしてゆったりとくつろげるオットマンシートを設定している。
世界初の後席センターエアバッグを採用 | Gタイプ“Fパッケージ”は左後席にオットマンシートを採用する |
■環境性能もさらに追求
CO2の削減を念頭に燃費向上を図り、Aタイプでは、9.4km/L(CO2排出量:247g/km)を実現。Gタイプ、Gタイプ“Fパッケージ”、Cタイプ、Aタイプ“Lパッケージ”では、「平成22年度燃費基準」を達成している。さらに、全車、排出ガス基準最高レベルの「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」の認定を取得。また、環境に優しいアクセル操作(エコ運転)で点灯するエコドライブインジケーターランプや、アクセル開度とエコ運転の範囲を示すエコドライブインジケーターゾーン表示を全車に採用している。
そのほかにも、トヨタ独自の環境評価システム「Eco-VAS(Eco-Vehicle Assessment System)」を活用した、効率的な環境負荷の低減や、内装部品の素材の見直しなどによる車室内のにおいの軽減をしていると言う。
(編集部:瀬戸 学)
2009年 3月 26日