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スーパーフォーミュラ、第6戦SUGO「サタデーミーティング」レポート

日本のやり方を学んだことが、来年マクラーレン・ホンダでのF1挑戦に役立つとバンドーン選手

2016年9月24日 開催

予選開催前に行なわれた記者会見「サタデーミーティング」

 9月24日~25日の2日間にわたり、全日本スーパーフォーミュラ選手権 第6戦がスポーツランドSUGO(宮城県村田町)において開催されている。24日13時からは予選が行なわれ、関口雄飛選手(20号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)がポールポジションを獲得した。

 その予選に先立ち、スーパーフォーミュラを運営するJRP(日本レースプロモーション)は記者会見「サタデーミーティング」を開催。同社代表取締役 倉下明氏、およびドライバーが登壇し、今シーズンの振り返り、そして今後の展望などが語られた。

 登壇したのは、前戦岡山戦のレース2でシリーズ戦で初優勝を遂げて現在ポイントリーダーになっている国本雄資選手(2号車 P.MU/CERUMO・INGING SF14)、同じく岡山戦のレース1でルーキーながら初優勝遂げ、2017年F1のマクラーレン・ホンダ正ドライバーに昇格することが決まっているストフェル・バンドーン選手(41号車 DOCOMO DANDELION M40Y SF14)、そして同じくルーキーながら第4戦ツインリンクもてぎ戦で初優勝を遂げた関口雄飛選手という注目ドライバー3選手。

 今シーズンのスーパーフォーミュラはこの初優勝を遂げた3人を含めて、5戦6レース(第5戦が2レース制だったため)して、6人の勝者(つまり全線優勝者が異なる)大混戦になっており、チャンピオン争いの行方も混沌とした展開になっている。

日本のやり方を学んだことが、来年マクラーレン・ホンダでのF1挑戦に役立つ

倉下氏:今シーズンのスーパーフォーミュラは、全レースですべて違う勝者になるなど大混戦になっている。今回お呼びした3人のドライバーもそれに大きく貢献してくれている、おもしろくしてくれてありがとうございますと言いたい。

株式会社日本レースプロモーション 代表取締役 倉下明氏

──3人とも今シーズン初優勝を遂げている。現在の率直な感想を教えてほしい。

関口選手:1勝できてほっとしたところがある。

国本選手:同じくやはりほっとしたところがある。これまでなかなか勝てなかったし、去年はすごく苦しいシーズンだったのでほっとしている。今は無駄なことを考えずにレースに集中できている。

バンドーン選手:特に大きな変化はないけど、勝つことは素晴らしいこと。何回勝っても飽きることはないし。日本で走るのは、このレースを入れてあと2戦3レース(筆者注:最終戦が2レース制であるため)なので、さらによい結果を出したいと思っている。

関口雄飛選手

──バンドーン選手は、来年マクラーレン・ホンダでF1ドライバーになることが決まっているけど、マクラーレンは日本のレースの結果を見てくれているのか?また、優勝した後何か反応はあったか?

バンドーン選手:マクラーレンは僕のことを長くサポートしてくれていて、常に僕のことをフォローしてくれている。実際、僕はチームの一部だし、F1ではないほかのシリーズであっても結果を常に注視してくれている。実際先週のF1GPの週末には、チームのみんなが岡山での結果を祝福してくれたよ。新しいクルマ、新しい環境の中でよい結果を出したねと。

──バンドーン選手は来年F1に行くことになりますが、スーパーフォーミュラを5戦戦って収穫だと思った部分はどこですか?

バンドーン選手:今年は日本のレースに挑戦したことで、いろいろな意味で沢山の新しい経験ができた。日本のレースはヨーロッパとは大きく違うし、アップ&ダウンが大きく、なぜそうなのかということから学習することは沢山あった。また、日本の文化や、日本の考え方ということも学んだことは、来年F1のマクラーレン・ホンダでホンダのスタッフと仕事する上で大いに役立つと思う。

ストフェル・バンドーン選手

──関口選手は、今年ルーキーイヤーだが、当初からそういうつもりはないとおっしゃっていて、第4戦で優勝するなどの結果をだした。ご自身ではどう評価しているか?

関口選手:開幕前にはセッティングに苦しんでいた、富士までも苦しんでいたけど、ドライバーとしては速さはあると自信はあった。それがツインリンクもてぎの第4戦からは速さが見せられるようになった。自分としてはクルマ作りが課題だと思っていたので、目標どおりに来ている。

──5点満点で何点になるか?

関口選手:4.5。今はランキング4位なので。

ヨーロッパのタイヤとは違うアドバンレーシングタイヤの特性を掴み、予選でタイムを出すことが大事

──関口選手は第4戦で勝ってポイントリーダーになり、リーダーズレッド(筆者注:スーパーフォーミュラの車両につけられているランプがその時点でポイントリーダーだけが赤く点灯すること)になった。だが、第5戦でそれが国本選手になったが、どんな気持ちか?また、国本選手はこのレースでリーダーズレッドを背負って走ることになるがどんな気持ちか?

関口選手:どうせ抜かれるなら、仲よしに抜かれる方がいい(笑)

国本選手:(笑)。残り3レースで誰がチャンピオンになるかという段階に来ていると思うので、頑張りたい。リーダーズレッドに関しては、ドライバーは自分では赤くなっているのが見えないので、なんとも(笑)。

国本雄資選手

──(国本選手に)前戦の表彰式でチーム内に壁を作らなくちゃと言っていたが、実際どうなんですか?

国本選手:今朝のピットをご覧になって壁あったか?

──なかったように見えたが……。

国本選手:(笑)。今のところ良好で、石浦さんを含めてみんなできっちり技術ミーティングしている。鈴鹿になったら壁を作ってもらわないといけないかもしれない(笑)

──今シーズンは非常に接戦かつ混戦になっている。昨年から参戦している国本選手から見て、その要因はなんだと思うか?

国本選手:最大の要因はタイヤが変わったこと。昨年からもそうだったが予選でコンマ何秒の中で前に行かないと、結果が残せない。全チームともタイヤに関して手探りで把握し切れていない部分があることが混戦になっている要因だと思う。

──バンドーン選手がこれまで経験してきたヨーロッパのタイヤとヨコハマタイヤ(アドバンレーシングタイヤ)の違いはどこにあるか?

バンドーン選手:ヨコハマタイヤは、GP2で使っていたピレリ、それ以前に使っていたミシュランのタイヤとは大きく違う。特徴としてグリップはあり、性能が持つタイヤ。ただ、逆にそれが難点になる部分があり、タイヤの限界を見つけるのが難しい。その結果として、予選で合わせるのが難しく挑戦的なタイヤである。そこにうまく合わせることができれば、タイヤをウインドウに入れることができればタイムを出すことができるのだ。そのあたりが今シーズンが混戦になっている要因の1つだと思う

──今週末に向けた意気込みを教えてほしい。

関口選手:昨日(金曜日の占有走行)でクルマはバッチリ決まり、かなりよい調子だった。ただ、今日になってほかの人がツメてきている、実際チームメイトのJPは自分のセッティングを参考にして修正してきて調子がよさそう。僕はもう伸びしろがないので、どうなのか分からない……。

国本選手:昨日は、赤旗があったりしてよく走り込めなかった。今日は走り始めはコースがちょっと濡れていたが、走り込むことができたテストメニューをこなすことができた。予選に向けてグリップ感が得られていないので、ニュータイヤでいいタイヤが来るのをみんな期待していると思う。

バンドーン選手:上がったり、下がったりという状況。昨日はよかったが、今日はあまりよいスタートではなかった。予選では新しいタイヤになり、100%の自信はないけど、まだインプルーブする部分はあると思う。