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ニュアンス・コミュニケーションズ、カーナビ/スマホの音声認識機能の利用実態調査を公表

カーナビ音声認識機能の利用者は77%が満足

2016年11月18日 発表

ニュアンス・コミュニケーションズが開催した「ドライバーのカーナビ/スマホにおける音声認識機能の利用実態調査」説明会

 音声認識技術を提供するニュアンス・コミュニケーションズは11月18日、音声認識機能の利用実態を調査した「ドライバーのカーナビ/スマホにおける音声認識機能の利用実態調査」を公表した。

 同調査は、2013年~2016年式の自動車ユーザーにおけるカーナビの音声認識操作の利用実態や使い勝手の印象を把握するとともに、関連するスマートフォンアプリの利用状況を把握するために実施されたもの。調査対象は1101件、カーナビが搭載された2013年~2016年式のクルマを所有するとともに、かつスマートフォンの利用者で、年齢は20歳~69歳。

 同調査結果によると、インダッシュ型カーナビのなかでメーカーオプションのカーナビ普及率が61%となり、2014年調査の48%と比べて上昇。メーカーオプションカーナビの普及とともに、車載音声認識機能の利用と満足度が進展していると同社は分析している。

インダッシュ型カーナビ種類別シェア。メーカーオプションのカーナビは2016年に関してはシェアを落としているが、年々シェアを伸ばしてきた

 具体的にインダッシュ型カーナビ種類別シェアを見ると、今回調査ではメーカーオプションが61%、ディーラーオプションが24%、市販ナビが15%。2014年調査ではメーカーオプションが48%、ディーラーオプションが23%、市販ナビが26%となっており、メーカーオプションナビの装着率が高まる一方、市販ナビの装着率が下がるカタチとなった。

ニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパン株式会社 オートモーティブ ビジネスユニット プリンシパル マーケティングマネージャーの村上久幸氏

 同日開催された説明会で、ニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパン オートモーティブ ビジネスユニット プリンシパル マーケティングマネージャーの村上久幸氏は「工場装着のカーナビには何らかの音声認識機能が採用されているので、メーカーオプションのカーナビの装着率が増えているということは、我々のビジネスとしても市場が広がっているとみることができる」との考えを示した。

 また、カーナビの音声認識機能の満足度では、77%(大変満足11%+まあ満足66%)が満足と解答しており、2014年調査の63.1%よりポイントが上昇した。ただし、調査対象者1101に対して有効解答数は217にとどまっている。

カーナビ音声認識機能の利用実態としては、全体の約2割からの回答にとどまっている

 そのほか、クルマとスマートフォンに関する調査結果では、運転中に音声認識で利用したいスマホの操作としては「メッセージの送受信」に対してニーズが高い結果が示された。また、カーナビ画面で利用したいスマートフォンのアプリは「LINE」が最多であった。

クルマのカーナビ画面で利用したいと考えるスマホアプリは「LINE」がトップ

 村上氏は「音声認識機能については比較的満足度は高い。一方で、UIの設計や認識性能についても不満はまだまだあるので、我々も改善をしていかなければならない。スマホとクルマの関係をみると、LINEやメッセージアプリに対するニーズが明らかに浮かび上がっている。ドイツ系のメーカーでは、我々の技術を採用して運転しながらメールを作成できるといったサービスを導入していて、日本市場でも一部入りつつある。我々としても、ドイツ系メーカーに限らず日本メーカーにも訴求して採用を働きかけたい」と語った。