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熱気球競技シリーズ「2017熱気球ホンダグランプリ」の開催説明会

「渡良瀬」「佐久」「一関・平泉」「佐賀」「鈴鹿」の全5戦で開催

2017年2月24日 発表

「2017熱気球ホンダグランプリ」の開催説明会は主催をはじめ、大会が開催される自治体からも担当者が出席。ホンダが熱気球競技に協賛する理由も語られた

「渡良瀬」「佐久」「一関・平泉」「佐賀」「鈴鹿」で開催される熱気球競技シリーズ「2017熱気球ホンダグランプリ」の開催説明会が2月24日、都内で行なわれた。

 この熱気球ホンダグランプリは「熱気球グランプリ運営機構 AirB」が主催し、本田技研工業が特別協賛するもの。今年で25年目という歴史を持つ大会で、1993年に長野県の佐久で開催された佐久バルーンフェスティバルが初回の開催となった。ただし、ホンダはそれ以前の1990年より熱気球競技に対して特別協賛を行なっている。

 2017熱気球ホンダグランプリは年間5戦、日本各地で開催されることになっており、この説明会には主催者のみでなく、競技が行なわれる各自治体の担当者も出席。大会の特徴や地域ごとの取り組みなどについて説明した。

熱気球グランプリ運営機構の町田耕造氏。この大会が目指したものはいくつかあるが、地域の振興策として各自治体に取り上げてもらうことを重要と考えていたとのこと
一般財団法人日本航空協会 常務理事の岸周豊氏

 さて、熱気球という乗り物だが、これは有人での飛行が行なわれてから約230年の年月が経っているとのこと。そして現在では歴史ある航空スポーツとして世界各国で盛んに開催されているという。そのなかで熱気球ホンダグランプリは5戦を1年掛けて行ない、観客動員数も2016年度は180万人を超えるという世界でも類を見ないほどの大きな大会であるとの説明があった。ちなみに2016年には佐賀県で世界大会を開催して多くの日本人選手も出場し、世界の強豪相手に8位と11位と13位に入っているとのこと。また、アジアでは佐賀以外で世界大会が開催されたことはないという。

 この説明会では協賛各社を代表して本田技研工業 広報部の小田嶋氏が挨拶を行なった。

本田技研工業株式会社 広報部の小田嶋淳氏

 小田嶋氏は「まず25年目ということで、四半世紀に渡って熱気球の大会に携われたことは非常に幸せなことです。私たちも応援はさせて頂いているのですが、実際のものやことを作りあげているのは現場の皆さんでありまして、改めてその努力と、みんなを楽しませたい、いい大会にしようという非常に前向きな取り組み姿勢に対して敬意を表しています」と挨拶。

 続けて「去年からホンダのリリースも内容が変わってきていまして、熱気球のキレイさや感動を呼ぶ力ところに加えて、競技としての面白さをどうやって伝えられるか?という部分に力を入れています。協賛会社として今までとは違った側面からも、なにか現場の皆さんに協力ができないかということ考えています。その1つが今年の大会をPRするポスターで、こちらに使っている写真は“気球から地面に付けられたターゲットにマーカーを落としているもの”です。これを熱気球競技のことを知らない人が見ると、おそらくこれがなんなんだか分からないことだと思うのですが、でも、それでもいいと思っています。見てくれた方が“熱気球のポスターにあるこのバッテンマークってなんだ?”と引っかかってくれることで、“なんだろうね、これ”という会話が生まれたり、そんなきっかけから新しい方が熱気球の世界に興味を持ってくれればいいな、という気持ちを持って作ったものです。キレイさの裏には激しさ、難しさもある競技ということを分かってもらえるように、私たち協賛社も一丸となって取り組んでいきたいと思います」と語った。

今年のポスターは敢えて競技性を前面に出したとのこと。知識がないと分かりにくい構成だが、そこから熱気球に関する話題が生まれてくれれば、という期待も込められている

 では、2017熱気球ホンダグランプリのスケジュールを紹介しよう。

渡良瀬バルーンレース2017

第1戦:4月7日~9日
開催地:栃木県栃木市 藤岡渡良瀬運動公園

第1戦が行なわれる栃木県栃木市の久村順利氏。大会開催時期は桜も咲く頃なので、桜と熱気球がコラボする光景が見られることが目玉であるとのこと。この大会には栃木市が所有するハート型の熱気球「ハートランド号」もオフィシャルとして登場する。さらに栃木市の観光農園で作ったイチゴ型の熱気球も登場する予定
佐久バルーンフェスティバル2017

第2戦:5月3日~5日
開催地:長野県佐久市 千曲川スポーツ交流広場

第2戦が行なわれる長野県佐久市からは梶山和義氏が出席。コンセプトは「子供達に感動を!」で、来場した子供向けに熱気球の係留体験、熱気球教室をはじめ、木工教室、凧作り教室、魚のつかみ取りなどの体感イベントを用意している。5月4日の夜にはバーナーの炎によるバルーン・イリュージョンというイベントも開催
一関・平泉バルーンフェスティバル2017

第3戦:10月20日~22日
開催地:岩手県一関市 一関水辺プラザ

第3戦が行なわれる岩手県一関市からは中田善久氏が出席。ここでの開催は、東日本大震災からの復興と震災により落ち込んだ観光需要の回復に取り組む一関、平泉の元気を全国に発信することも目的にしている。参加気球は30機を予定。内訳は競技気球が25機、オフィシャルが5機とのこと。参加選手は約100名。こちらでもギャラリー向けに熱気球係留、熱気球教室、バルーン・イリュージョンを開催
2017佐賀インターナショナルバルーンフェスタ

第4戦:11月1日~5日
開催地:佐賀県佐賀市 嘉瀬川河川敷

第4戦が行なわれる佐賀県佐賀市からは香月恭彦氏が出席。佐賀での開催はアジア最大のバルーンイベントで、佐賀市では「感動の5日間」と銘打ってこのイベントを行なう。参加する気球数は110機(予定)と数が多く、これだけの数の気球が飛ぶ光景も見どころ。観客数も非常に多いので、開期中は会場内にJRの臨時駅ができるという。ギャラリー向けのイベントも充実しているので、家族連れにも好評の内容とのこと
鈴鹿バルーンフェスティバル2017

最終戦:11月24日~26日
開催地:三重県鈴鹿市 鈴鹿川河川敷・鈴鹿サーキット

最終戦が行なわれる三重県鈴鹿市からは藤谷美貴氏が出席。昨年は9月に開催したが台風などの影響を受けたので、今年は11月開催に変更。この11月開催は2年前にも行なっていて、そのときの動員数は17万人だったが、この数字は同年に鈴鹿サーキットで開催されたF1日本グランプリの観客動員数より多かったとのこと。今回の大会は2017熱気球ホンダグランプリの最終戦ということで、チャンピオンの決定シーンが見られることも期待できる

 開催地は以上の5カ所となる。なお、競技以外にも各種イベントが開催されているので、2016年に行なわれた内容を紹介しておく。まずはASIMOやタコの形をしたバルーンに体験搭乗する「係留体験搭乗」だ。次に夜間にバルーンを並べてバーナーの炎で内側からライトアップする「夜間係留」や、熱気球の球皮を広げたりバーナー操作を体験するコーナーもある。さらにホンダの協力により、2輪競技であるトライアルのライダーによるデモンストレーション、ホンダのバイク、クルマ、汎用品を展示するホンダブースも開設される。このほかにも開催地の地域ならではのイベントや屋台出店などもある。

 大人はもちろん、小さい子供でも楽しく過ごせる大会とのことなので、近くで開催されるときは観戦に行ってはいかがだろうか。

熱気球通競技「2017熱気球ホンダグランプリ」の開催説明会