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BMW、“EV走行40km”を実現した新世代ハイブリッドも導入される「MINI クロスオーバー」発表会

まずはクリーンディーゼルエンジン搭載3モデルを発売

2017年2月23日 開催

386万円~483万円

新型MINI クロスオーバーの発表会

 ビー・エム・ダブリューは2月23日、2代目となる新型「MINI クロスオーバー」の発表会を旗艦店となるBMW GROUP Tokyo Bayで実施した。MINI クロスオーバーは、2011年にMINIブランド初のSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)として登場したモデルで、今回のフルモデルチェンジを受けて2代目へ刷新された。

MINIは日本市場で8年連続成長を達成
MINIディビジョン本部長のフランソワ・ロカ氏

 発表会でまずスピーチを行なったMINIディビジョン本部長のフランソワ・ロカ氏は、MINIブランドの販売台数や歴史を振り返り「MINIは日本国内で8年連続して成長しています。昨年はほぼ2万5000台を販売しました。モデルラインアップを振り返るとR50などのファーストジェネレーションでは3つのモデルしかありませんでした。しかし、現行のサードジェネレーションでは5つのモデルに増えています。3つの世代を見ると、MINIが『スモールコンパクトセグメント』から『コンパクトセグメント』に入ることで台数が伸びました」と成長の切っ掛けを語った。

 また、MINIブランドの成功の理由は3つあるといい「1つ目は『商品力』です。2015年9月に新型のクラブマンを導入しました。これが新しいコンパクトセグメントのモデルにあたります。続いて2016年3月にはカブリオレを導入し、こちらはミニスピリットを体現したモデルとなります。MINIらしさ、楽しさを感じられるモデルでマーケットに合致し、成功しています。そして、ディーゼルエンジンをフルモデルレンジに採用したことも支持された理由で、販売台数の半分がディーゼルエンジンモデルとなりました」と話した。

 続けて「2つ目は『ファイナンス』です。日本市場用の『フューチャーバリューローン』を導入しました。これは残価が決まっているローンで、3年後や5年後の残価が分かります。そのためリスクなく購入ができるのです。新型のクラブマンの販売と同時に利用できるようになりました。最後は『ブランド戦略』です。以前はMINIらしい遊び心、若さ、やんちゃというのがCI(Corporate Identity)でした。当時のポジショニングはよかったのですが、ターゲットやお客さんが変わってきました。新しいCIやショールームを見れば、今のMINIのポジショニングが分かるはずです。我々はプレミアムになりました」と現在のMINIブランドについて解説した。

 そして、新型のMINI クロスオーバーについて「先代のMINI クロスオーバーは2011年に発売された5人乗りの4ドアモデルです。4WDのオール4もラインアップされ、発売が始まるとMINI全体に販売台数底上げにつながりました。MINIが大きくなると問題があると言われていましたが、MINI クロスオーバーは乗ってみると遊び心もあり、ゴーカートフィーリングも変わっていません。MINIのDNAに基づいたモデルがMINI クロスオーバーでした。ニューモデルは、57年の歴史でもっとも大きなクルマでスモールコンパクトセグメントのクロスオーバーになります。サイズは、全長で195mm、全幅で30mm、全高で45mm拡大しています。機能面ではエンジンとミッションが新しくなっています。MINI クロスオーバーに乗るとプレミアムさを感じるはずです」とこれまでの歴史でもっとも大きなMINIは、MINIのDNAを受け継ぎつつもプレミアム感を加えたモデルとなるそうだ。

3世代目の最終モデルとなるのが新型MINI クロスオーバー
MINIは商品力で成長を遂げている
フューチャーバリューローンも好調
2015年から新しいCIを導入した

 MINIディビジョン プロダクト・マーケティング・マネージャー 岡田信之氏からは、新型MINI クロスオーバーの詳細や特徴が語られた。

新型MINI クロスオーバーの特徴を解説したMINIディビジョンプロダクトマーケティングマネージャー岡田信之氏

 岡田氏は「まずフロントを見ると、円形のヘッドライト、六角形のラジエターグリル、丸型のフォグランプとすぐにMINIと分かるデザインディテールを採用しています。一方で、SAVらしさを強調するデザインとしてヘッドライトはよりスクエアに進化しました。サイドは、ルーフ、キャビン、ボディの3つのデザイン要素に分かれています。ルーフレールやサイドシルにシルバーのアクセントを入れたのも特徴です」と解説。

 続けて、「インテリアは、MINIらしい円形のモチーフをあらゆるところに採用。ダイヤルやディスプレイ、ドアハンドルなどに取り入れています。スクエアなエアコン吹き出し口やクロームのリングなどを含めて、インテリアデザインはMINI クロスオーバー専用となっています。リアシートは、旧型よりも足下のスペースが拡大。シートバックはリクライニングやエアコンベントの装備やスライド調整機能もあり、快適性は上がっています。ラゲッジルームは足をかざすだけで開閉できるイージーオープナーシステムを採用しています。容量は450Lで、従来よりも100L拡大しました。特徴的な装備はピクニックベンチと呼んでいるシートです。スキーなどのアウトドアで重宝するはずです。最後にパワートレーンに関してですが、先代は2014年にディーゼルエンジ発売して以来、86%がディーゼルモデルでした。好調なクリーンディーゼルエンジンを新世代へと切り替えています。2.0リッター4気筒は変わりませんが、トランスミッションが8速になりました。そのためパワーは34%アップし、燃料消費量は37%軽減しています」と新型MINI クロスオーバーの商品力について説明した。

新型MINI クロスオーバーの特徴

 新型MINI クロスオーバーは、まずディーゼルエンジンを搭載した「MINI Cooper D Crossover」「MINI Cooper D Crossover ALL4」「MINI Cooper SD Crossover ALL4」の3タイプを発売。第2四半期にはMINI初となる新世代ハイブリッドモデル「MINI Cooper S E Crossover ALL4」が導入される。

 MINI Cooper S E Crossover ALL4は、直列3気筒1.5リッターターボガソリンエンジンを搭載し、リアタイアを88PSのモーターで駆動させる4WD「ALL4」となる。200Vなら3時間で満充電となるプラグインハイブリッドシステムで、EV走行のみで41kmを走行できる。価格は479万円という戦略的なプライスで、人気を集めることが予想される。

ボディサイズは4315×1820×1595mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2670mmとなる
ホイールサイズは17インチまたは18インチ
直列4気筒2.0リッターディーゼルターボエンジン。Cooper Dは最高出力150PS、最大トルク330Nm。Cooper SDは最高出力190PS、最大トルク400Nm
MINIらしいデザインを採用したインテリア。エアコン吹き出し口などクロスオーバー専用デザインも随所に見受けられる
助手席側のドア
助手席の様子
リアシートはスライド調整、リクライニング機能などが装備され、快適性が上がった
ラゲッジルームは450Lの容量を誇る。リアシートは40:20:40の分割可倒式
ラゲッジボードを上げると中にはピクニックベンチが収納されている

【お詫びと訂正】記事初出時、記事タイトルの単位が間違っておりました。正しくはkmで、km/hではありません。お詫びして訂正させていただきます。