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ブリヂストン、SUPER GT 2連覇に向け“勝ち”にこだわる「2017年 モータースポーツ活動発表会」

2016年チャンピオンの平手晃平選手が、2連覇に向け意気込みを示す

2017年3月6日 開催

写真左からブリヂストン株式会社 執行役員・消費財タイヤ開発担当 井出慶太氏、LEXUS TEAM SARD 平手晃平選手、TEAM IMPUL 安田裕信選手、ブリヂストン株式会社 執行役員・ブランド戦略担当 鈴木通弘氏

 ブリヂストンは3月6日、「2017年 モータースポーツ活動発表会」を開催した。会場には、2016年のSUPER GT GT500クラスチャンピオンを獲得したLEXUS TEAM SARDの平手晃平選手がゲストとして登場し、ブリヂストンタイヤの2連覇に向けた意気込みを話した。

 同発表会では、ブリヂストン 執行役員・ブランド戦略担当の鈴木通弘氏、同社 執行役員・消費財タイヤ開発担当の井出慶太氏が同社のモータースポーツ活動の取り組みを説明するとともに、ゲストとしてSUPER GTドライバーの平手選手のほか、TEAM IMPULの安田裕信選手が登場して2017年のSUPER GTに向けた意気込みなどが語られた。

発表会でブリヂストンにおけるモータースポーツ活動の位置付けなどが示された
ブリヂストン株式会社 執行役員・ブランド戦略担当の鈴木通弘氏

 発表会で鈴木氏は、同社のモータースポーツ活動について、タイヤビジネスに直接関わる重要なビジネスプラットフォームとの位置付けを示すとともに、“よいタイヤづくり”を軸に、「POTENZA」「BATTLAX」ブランドの強化や、グローバルでクルマファン、バイクファンを増やす活動として「トップカテゴリー」「参加型レース」「環境技術レース」へ取り組んでいくことが示された。

 具体的には、4輪レースのトップカテゴリーとしてSUPER GTにタイヤ供給。2輪レースのトップカテゴリーとして、FIM 世界耐久選手権(EWC)、鈴鹿8時間耐久ロードレースや全日本ロードレースに参戦するチームにタイヤを供給する。

 参加型レースでは、クルマやバイクメーカーと共にクルマ/バイク好きを増やす活動を促進。欧州では「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に参戦するレクサス「RC」へのタイヤ供給。国内においても「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」などの参加型レースにタイヤ供給を行なう。

 環境技術レースにおいては、オーストラリア大陸を縦断するソーラーカーレース「Bridgestone World Solar Challenge」(10月8日~15日開催)で、南北3000kmのレースに挑戦する学生エンジニア達を同社の環境技術でサポートしていくことが示された。

ブリヂストン株式会社 執行役員・消費財タイヤ開発担当の井出慶太氏

 続いて登壇した同社の井出氏は「モータースポーツ用タイヤの開発においては、ダントツの技術でレース用タイヤを供給していく。勝つことを狙い、最先端の構造やコンパウンドを供給するだけでなく、最先端の解析技術で実証検証しつつ常に最先端のタイヤをお届けしていくことを考えている。さらにモータースポーツで培われた技術を一般タイヤの開発に結びつけて、より多くの一般ドライバーのドライビングの楽しみにつなげていきたい」と話した。

 また、「私達チーム全員が熱い熱い情熱で“皆さまの感動を引き起こす”そういった気持ちでこの1年取り組んでまいります。チームブリヂストンのメカニック、ドライバー、そのほか多くの、1人ひとりが、レースということで“勝ちにこだわっていきたい”と思っています。その勝ちにこだわる、1分1秒を競うプロフェッショナルの姿や姿勢に、皆様の心の中に響くものがあればいいなと思う」などと意気込みが示された。

ダントツの技術でレースタイヤを供給。培った技術を一般のタイヤにつなげ、「POTENZA」「BATTLAX」といった市販製品の技術開発にフィードバックさせるという
「“情熱と感動”チーム1人ひとりが“勝ち”にこだわります」との意気込みが示された

 発表会のゲストとして登場した平手選手は、2017年のSUPER GTに導入されたダウンフォースの規制について触れ、「ダウンフォースの性能が抑えられて、タイヤに求められる部分がすごく大きくなっている」との見方を示すとともに、2017年シーズンに向けて、「昨年は2年ぶりにチャンピオンを取り返して、ここで連覇してなんぼだと思っている。クルマの調子もいいですし、チームの雰囲気もいいですし、今年もブリヂストンさんと一緒に走って、今年もいいぞというところを見せたい」と意気込みを話した。

 また、TEAM IMPULの安田選手は「タイヤの開発も進んでいて(開発陣には)ギリギリの攻めた開発をしてもらっていますので、ドライバーも精一杯攻めていい結果を出したい」と話すとともに、「チャンピオンに手が届きそうで届かない状況ですが、チャンピオンになるしかない。ブリヂストンさんと力を合わせて、星野監督をはじめTEAM IMPUL初のチャンピオンとなりたい」と意気込みを話した。

LEXUS TEAM SARDの平手晃平選手
TEAM IMPULの安田裕信選手

 ブリヂストンによる主要なレースへのタイヤ供給は、以下のとおり。

SUPER GTのタイヤ供給はGT500クラス9台、GT300クラス4台

 SUPER GTではGT500クラスで計9台、GT300クラスでは新規チーム「LM Corsa」「K2 R&D LEON RACING」を加えて計4台に供給することになった。

GT500クラス
チームドライバーマシン
LEXUS TEAM SARDHeikki KOVALAINENDENSO KOBELCO SARD LC500
平手晃平
LEXUS TEAM LEMANS WAKO'S大嶋和也WAKO'S 4CR LC500
Andrea CALDARELLI
LEXUS TEAM au TOM'S中嶋一貴au TOM'S LC500
James ROSSITER
LEXUS TEAM KeePer TOM'S平川亮KeePer TOM'S LC500
Nick CASSIDY
LEXUS TEAM ZENT CERUMO立川祐路ZENT CERUMO LC500
石浦宏明
TEAM IMPUL安田裕信カルソニック IMPUL GT-R
Jann MARDENBOROUGH
KEIHIN REAL RACING塚越広大KEIHIN NSX-GT
小暮卓史
TEAM KUNIMITSU山本尚貴RAYBRIG NSX-GT
伊沢拓也
AUTOBACS RACING TEAM AGURI野尻智紀ARTA NSX-GT
小林崇志
GT300クラス
チームドライバーマシン
apr嵯峨宏紀TOYOTA PRIUS apr GT
久保凜太郎
LM corsa中山雄一JMS P.MU LM corsa RC F GT3
坪井翔
AUTOBACS RACING TEAM AGURI高木真一ARTA BMW M6 GT3
Sean WALKINSHAW
K2 R&D LEON RACING黒澤治樹LEON CVSTOS AMG
蒲生尚弥

2輪レースへのタイヤ供給

 2輪レースでは、FIM 世界耐久選手権(EWC)に参戦する「YART Yamaha Official EWC Team」「F.C.C.TSR」、FIM 世界耐久選手権 鈴鹿8時間耐久ロードレースやMFJ 全日本ロードレース選手権に参戦するチームにタイヤを供給する。

FIM 世界耐久選手権(EWC)
クラスチームドライバーマシン
EWCF.C.C. TSR HondaDamian CUDLINHONDA
Alan TECHER
Gregg BLACK
YART Yamaha Official EWC TeamMax NEUKIRCHNERYAMAHA
Broc PARKES
野左根航汰
Marvin FRITZ
FIM世界耐久選手権 鈴鹿8時間耐久ロードレース
クラスチームライダーマシン
EWCYAMAHA FACTORY RACING TEAM未定YAMAHA
YART Yamaha Official EWC Team未定YAMAHA
Kawasaki Team GREEN未定KAWASAKI
ヨシムラスズキMOTULレーシング津田拓也、他未定SUZUKI
F.C.C. TSR Honda未定HONDA
MuSASHi RT ハルク・プロ高橋巧、他未定HONDA
Honda Team Asia未定HONDA
ATS中津原尚宏、他未定HONDA
Honda Dream Racing山口辰也、他未定HONDA
Honda鈴鹿レーシングチーム安田毅史HONDA
亀井雄大
日浦大治朗
桜井ホンダ未定HONDA
BMW Motorrad 39酒井大作、他未定BMW
チームスガイレーシングジャパン須貝義行、他未定APRILIA
MFJ全日本ロードレース選手権
クラスチームライダーマシン
JSB1000YAMAHA FACTORY RACING TEAM中須賀克行YAMAHA
野左根航汰
YAMALUBE RACING TEAM藤田拓哉YAMAHA
ヨシムラスズキMOTULレーシング津田拓也SUZUKI
濱原颯道
MuSASHi RTハルク・プロ高橋巧HONDA
F.C.C.TSR HondaAlan TECHERHONDA
Honda Dream Racing / TOHO Racing山口辰也HONDA
Honda鈴鹿レーシングチーム日浦大治朗HONDA
安田毅史
ATS中津原尚宏HONDA
Kawasaki Team GREEN渡辺一馬KAWASAKI
松崎克哉
柳川明
Team Motorrad 39酒井大作BMW
チームスガイレーシングジャパン須貝義行APRILIA
GP2Team TARO PLUSONE関口太郎HONDA
MuSASHi RT ハルク・プロ水野涼HONDA
Team 髙武 RSC作本輝介HONDA
岩戸亮介
マルマエPLUSONE徳留真紀HONDA
エスパルスドリームレーシング生形秀之SUZUKI
GP3未定 - -
ST600ブリヂストンワンメイク - -

参加型レース

 参加型レースでは、欧州では「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に参戦するレクサス「RC」へのタイヤ供給をはじめ、TOYOTA GAZOO Racingと共に車好きを増やす活動を促進。国内においても「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」のほか、「全日本ジムカーナ選手権」「全日本カート選手権」「ロードスター・パーティレースIII」にタイヤ供給を行なう。

 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceでは、Car Watchで「橋本洋平の「GAZOO Racing 86/BRZ Race」奮闘記」の連載を続ける橋本洋平選手が、クラブマンシリーズに「カーウォッチwithレボリューション」として参戦することが発表された。

ニュルブルクリンク24時間耐久レース
クラスチームドライバーマシン
SP3T (予定)TOYOTA GAZOO Racing井口卓人LEXUS RC
松井孝允
蒲生尚弥
未定
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race
クラスチームドライバー
プロフェッショナルシリーズオグラクラッチwithレボリューション佐々木雅弘
オートバックスG7 86 ポテンザ大西隆生
ネッツトヨタ兵庫レーシングチーム蒲生尚弥
クスコレーシング山田英二
CG ROBOT RACING TEAM井口卓人
久保凜太郎
クラブマンシリーズカーウォッチwithレボリューション橋本洋平
クスコレーシング菱井将文
オールドタイマースポーツ手塚祐弥

環境技術レース

10月8日~15日開催の「Bridgestone World Solar Challenge」はオーストラリア大陸を縦断するソーラーカーレース

 環境技術レースでは、オーストラリア大陸を縦断するソーラーカーレース「Bridgestone World Solar Challenge」(10月8日~15日開催)、南北3000kmのレースに挑戦する学生ら若きエンジニア達を同社の環境技術でサポートする。

発表会場にはレース用タイヤとともに、「POTENZA」「BATTLAX」ブランドのタイヤが展示された