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トヨタ、農研機構とイチゴの品種改良を効率化するDNAマーカーを開発

農業関係者に幅広く活用してもらうようDNAマーカーの情報開示・提供へ

2017年3月30日 発表

 トヨタ自動車は3月30日、農業・食品産業技術総合研究機構と共同研究を行ない、DNAマーカーを用いることでイチゴの品種改良を効率化する技術を開発したと発表した。

 今回、トヨタと農研機構はトヨタが独自に開発した「DNAマイクロアレイ技術」をベースに、イチゴの遺伝情報を高精度に解析する技術開発に成功。また、うどんこ病や炭疽病などイチゴの重要病害に強い個体、および「四季成り性」を有する個体を選抜することができるDNAマーカーの開発に成功した。

 イチゴの品種選抜は、有用な性質を持った2品種を交配して得られる種子から数千の子孫を育て、段階的に優良個体を絞り込んでいるが、今回開発したDNAマーカーをイチゴの品種選抜に用いると、簡単なDNA検査で必要な遺伝子をもつ子孫を判別できるため、評価の初期段階で候補を大幅に絞り込むことができるとしている。

 これにより、病害抵抗性や四季成り性の選抜に要する期間を通常の2分の1に短縮でき、栽培面積も3分の1で済むなど、イチゴの品種改良の効率化に寄与すると同社は考えている。

 トヨタと農研機構はこれらの結果を同日開催されている日本育種学会で発表。今回発表したDNAマーカーは、農業関係者に幅広く活用してもらえるよう積極的に情報開示・提供に応じていきたいとしている。