ニュース
【SUPER GT 第4戦 SUGO】予選レポート。復活のホンダ「NSX」勢が1-2-3独占、ポールは8号車 ARTA NSX-GT
GT300は前戦に続いて25号車 VivaC 86 MC
2017年7月22日 18:29
- 2017年7月22日~23日 開催
SUPER GT 第4戦 SUGO GT 300km レースが、宮城県のスポーツランドSUGO(宮城県柴田郡村田町)において7月22日~7月23日の二日間に渡り開催されている。7月22日には明日の決勝レースのグリッドを決定する予選が行われ、GT500、GT300クラスそれぞれで予選1回目(Q1)、予選1回目の上位だけで上位グリッドを決定する予選2回目(Q2)が行われた。
GT500のポールポジションは8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志組、BS)で、2位となった100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也組、BS)にコンマ5秒以上の差をつけて獲得した。
なお3位も17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史組、BS)でホンダ勢が予選1-2-3を独占した。ホンダ関係者によると明日八郷社長の来場も予定されており、まさに御前試合で今シーズン初めてレクサス以外のメーカーとして優勝できるかどうかに注目が集まっている。
GT300のポールポジションは、前戦オートポリスでポール・ツー・ウインを決めたポイントリーダーの25号車 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太組、YH)で、前戦に引き続きポールポジションからスタートしてシリーズポイントで2位以下との差をさらに広げられるかが注目ポイントとなる。
ポイントリーダーの25号車 VivaC 86 MCが前戦オートポリスに続いてポールポジションを獲得
GT300の予選は雨がパラパラと来ているが、路面を濡らすほどまでにはならないという微妙な天候の中、予選1回目が始まっていった。しかし、結局予選中は雨が強くなることは無く、結局予選終了までドライのままで行われることになった。
そうした中で各車がタイムアタックを始めた頃に、2号車 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規組、YH)が3コーナーの先でコースアウト、これによりコースサイドに一時停止したことにより赤旗が提示され、予選は一時中断になった。これにより、2号車は赤旗の原因を作ったと認定され、このセッションのタイム抹消になってしまった。
残り10分で再開した予選で、早々にトップタイムをマークしたのは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)。続いて18号車 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴/川端伸太朗組、YH)、3位には25号車 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太組、YH)が続く展開になった。
予選2回目(Q2)でも、88号車 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/平峰一貴、YH)がSPコーナーでクラッシュしてタイヤバリアに突っ込むという事故が発生。幸いドライバーは無事だったものの、これでまたもや赤旗中断となり、残り7分から予選は再開された。
そうした中で最速タイムをマークしたのは松井孝允選手のドライブする25号車 VivaC 86 MC。前戦オートポリスについで、25号車 VivaC 86 MCがポールポジションをマークする展開となった。
25号車は現在ポイントリーダーで、最も重い58kgというウェイトハンデを搭載していながら、見事にポールポジション獲得で、現在ランキング2位の4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)が8位に終わったので、明日のレースで優位なポジションに立ったと言える。
2番手は18号車 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴/川端伸太朗組、YH)で、マザーシャシーの86が1-2という展開になった。予選3番手は60号車 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(飯田章/吉本大樹組、YH)。
順位 | カーナンバー | 車両 | ドライバー | タイヤ | ウェイトハンデ | Q1 | Q2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 25 | VivaC 86 MC | 松井孝允/山下健太 | YH | 58 | 1'19.034 | 1'18.657 |
2 | 18 | UPGARAGE BANDOH 86 | 中山友貴/川端伸太朗 | YH | 4 | 1'18.941 | 1'18.753 |
3 | 60 | SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 | 飯田章/吉本大樹 | YH | 6 | 1'19.417 | 1'18.868 |
4 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口卓人/山内英輝 | DL | 30 | 1'18.836 | 1'18.936 |
5 | 3 | B-MAX NDDP GT-R | 星野一樹/高星明誠 | YH | 22 | 1'19.595 | 1'18.942 |
6 | 31 | TOYOTA PRIUS apr GT | 嵯峨宏紀/久保凜太郎 | BS | 2 | 1'19.766 | 1'19.204 |
7 | 51 | JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 | 中山雄一/坪井翔 | BS | 56 | 1'19.158 | 1'19.237 |
8 | 4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口信輝/片岡龍也 | YH | 54 | 1'19.512 | 1'19.411 |
9 | 65 | LEON CVSTOS AMG | 黒澤治樹/蒲生尚弥 | BS | 46 | 1'19.096 | 1'19.512 |
10 | 7 | Studie BMW M6 | ヨルグ・ミューラー/荒聖治 | YH | 24 | 1'19.160 | 1'19.611 |
11 | 52 | 埼玉トヨペットGreenBraveマークX MC | 番場琢/脇阪薫一 | YH | - | 1'19.433 | 1'19.989 |
12 | 33 | D'station Porsche | 藤井誠暢/元嶋佑弥 | YH | 34 | 1'19.740 | 1'20.241 |
13 | 21 | Hitotsuyama Audi R8 LMS | リチャード・ライアン/柳田真孝 | DL | - | 1'19.636 | no time |
14 | 88 | マネパ ランボルギーニ GT3 | 織戸学/平峰一貴 | YH | - | 1'19.285 | no time |
15 | 9 | GULF NAC PORSCHE 911 | ジョノ・レスター/峰尾恭輔 | YH | 24 | 1'19.834 | - |
16 | 50 | Ferrari 488 GT3 | 都筑晶裕/新田守男 | YH | - | 1'19.880 | - |
17 | 11 | GAINER TANAX AMG GT3 | 平中克幸/ビヨン・ビルドハイム | DL | 30 | 1'19.883 | - |
18 | 111 | エヴァRT初号機 Rn-s AMG GT | 石川京侍/山下亮生 | YH | - | 1'19.906 | - |
19 | 26 | TAISAN SARD R8 FUKUSHIMA | 山田真之亮/ジェイク・パーソンズ | YH | - | 1'19.915 | - |
20 | 360 | RUNUP GT-R | 柴田優作/青木孝行 | YH | - | 1'20.039 | - |
21 | 55 | ARTA BMW M6 GT3 | 高木真一/ショーン・ウォーキンショー | BS | 34 | 1'20.162 | - |
22 | 87 | ショップチャンネル ランボルギーニ GT3 | 細川慎弥/佐藤公哉 | YH | 16 | 1'20.162 | - |
23 | 10 | GAINER TANAX triple a GT-R | 富田竜一郎/吉田広樹 | DL | 10 | 1'20.280 | - |
24 | 30 | TOYOTA PRIUS apr GT | 永井宏明/佐々木孝太 | YH | - | 1'20.480 | - |
25 | 48 | 植毛 GT-R | 高森博士/田中勝輝 | YH | - | 1'21.234 | - |
26 | 35 | ARTO 86 MC 101 | ナタウッド・ジャルーンスルカワッタナ/ナタポン・ホートンカム | YH | - | 1'21.531 | - |
27 | 2 | シンティアム・アップル・ロータス | 高橋一穂/加藤寛規 | YH | - | no time | - |
28 | 5 | マッハ車検 MC86 GTNET | 坂口夏月/藤波清斗 | YH | 6 | no time | - |
ホンダ勢が1-2-3-5という予選結果を獲得、明日は雨の予報でレースは混沌とした状況が予想される
GT500の予選は、予選1回目(Q1)では、まさかの展開が発生した。夏場に強いと見られているミシュランタイヤを履いた23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)、46号車 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲/千代勝正組、MI)が14位、15位と最下位に並ぶ展開になってしまった。
今回日産勢は年間でペナルティなしで利用できる2基まで利用できるエンジンの、2基目を投入したにもかかわらずこの展開で、ミシュランが持ち込んだタイヤとのマッチングもうまく行かなかったようで、最下位に2台が並ぶというまさかの展開になってしまった。
結局日産勢でQ2に進めたのは24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH)と、新エンジン投入で巻き返しを期した日産勢にとっては不本意な結果となってしまった。
それとは逆に5台中4台がQ2に進むことになったのが、ホンダのNSX-GT勢。64号車を除くNSX-GTは全車が予選2回目に進むという好調ぶり。今回は練習走行でもホンダ勢は上位に来ており、全体的に調子はよさそうだ。
ここまで3連勝で、上位の車両のハンデウェイトが重たくなっているレクサス勢は1号車 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組、BS)、6号車 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組、BS)、19号車 WedsSport ADVAN LC500(関口雄飛/国本雄資組、YH)がQ2へと進出することになった。
予選のQ2でもホンダ勢の勢いは止まらなかった。その中でも圧巻の走りを見せたのは、野尻智紀選手のドライブする8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志組、BS)。全てのセクターで、最速タイムを意味する”赤表示”を出す走りで、1周をまとめて1'10.915という2番手以下にコンマ5秒の大差をつけてポールポジションを獲得した。それに続いたのがブリヂストンタイヤを履いたホンダ勢で、100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/伊沢拓也組、BS)が2位、17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史組、BS)が3位となった。ホンダは16号車 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐組、YH)が5位になっており、予選で1-2-3-5に並ぶという望外の結果を得た。なお、明日はホンダの八郷社長の来場も予定されており、ホンダ勢にとっては御前試合のレースとなる。
レクサス勢の最上位は4位に入った19号車 WedsSport ADVAN LC500、日産勢の最上位は24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの6位となり、いずれもヨコハマタイヤ勢が4-5-6にならぶ展開となっている。ヨコハマタイヤは24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rがタイヤ無交換作戦を決めて昨年のこのレースを制しており、明日雨が降らずにドライのままのレースになると、この4-5-6に並んでいるヨコハマタイヤ勢が面白いレースを見せてくれそうだ。
なお、明日の天気予報は高い確率で雨が予想されており、各チームとも雨をにらんだ展開を予想している。しかし、今日も天気予報では雨が降るとされながら、コースを濡らすほどは降らなかったこともあり、どうなるかはまさに"神のみぞ知る"という状況だ。
順位 | カーナンバー | 車両 | ドライバー | タイヤ | ウェイトハンデ | Q1 | Q2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻智紀/小林崇志 | BS | 6 | 1'11.579 | 1'10.915 |
2 | 100 | RAYBRIG NSX-GT | 山本尚貴/伊沢拓也 | BS | 34 | 1'11.869 | 1'11.469 |
3 | 17 | KEIHIN NSX-GT | 塚越広大/小暮卓史 | BS | 36 | 1'11.761 | 1'11.491 |
4 | 19 | WedsSport ADVAN LC500 | 関口雄飛/国本雄資 | YH | 18 | 1'11.597 | 1'11.669 |
5 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT | 武藤英紀/中嶋大祐 | YH | 4 | 1'11.699 | 1'11.739 |
6 | 24 | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R | 佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | YH | 6 | 1'12.136 | 1'11.745 |
7 | 1 | DENSO KOBELCO SARD LC500 | ヘイキ・コバライネン/平手晃平 | BS | 30 | 1'12.024 | 1'11.803 |
8 | 6 | WAKO'S 4CR LC500 | 大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ | BS | 60 | 1'12.163 | 1'12.163 |
9 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 安田裕信/ヤン・マーデンボロー | BS | 14 | 1'12.201 | - |
10 | 64 | Epson Modulo NSX-GT | ベルトラン・バゲット/松浦孝亮 | DL | - | 1'12.269 | - |
11 | 37 | KeePer TOM'S LC500 | 平川亮/ニック・キャシディ | BS | 72 | 1'12.306 | - |
12 | 38 | ZENT CERUMO LC500 | 立川祐路/石浦宏明 | BS | 60 | 1'12.356 | - |
13 | 36 | au TOM'S LC500 | 中嶋一貴/ジェームス・ロシター | BS | 64 | 1'12.430 | - |
14 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | MI | 36 | 1'12.436 | - |
15 | 46 | S Road CRAFTSPORTS GT-R | 本山哲/千代勝正 | MI | 16 | 1'12.595 | - |