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東洋ゴム、空気充填不要の新タイヤ「ノアイア」を公開

「X字型スポーク構造」で耐久力を向上

2017年9月8日 発表

東洋ゴム工業が開発した空気充填不要の新タイヤ「ノアイア」

 東洋ゴム工業は9月8日、空気充填不要の近未来型エアレスコンセプトタイヤ「noair(ノアイア)」を公開した。

 ノアイアは、外側の路面に接するトレッド部分にはゴム部材を用い、内側には高剛性の特殊な樹脂のスポークを採用して「走る、曲がる、止まる」というタイヤの基本性能を成立させた。

 過去の試作モデルでは「楕円形のスポーク構造」によって、荷重を支持していたが、ノアイアではタイヤ幅の奥側と手前側を交互に交差させる「X字型スポーク構造」を採用して耐久力を向上させた。

 また、スポーク本数を過去モデルより100ピッチに倍増したことで接地圧を分散させて、接地時に発生するスポークによる打撃音を緩和させ、これまで以上の静粛性を実現。

 同社が行なった実車走行フィーリングテストでは、車内音と乗り心地において課題が残るものの、操縦安定性や車外騒音に飛躍的な改善を確認するとともに、過半の指標において、同社市販製品(空気入りタイヤ)に近づく進化を実現させたという。

 同社では、空気充填不要のエアレスタイヤは、EV等の未来型モビリティが普及した社会において求められるメンテナンスフリー性、安全性において、そのニーズを満たすポテンシャルを秘めていると考えている。今後については、実用化に向けて解決すべき課題はあるものの、現時点の技術レベルを公開し、さらなる研究と技術開発を進めていくとしている。