アクアラインを1000円で渡って南房総をドライブ ETCの利用で高速代はほぼ半額に |
ドライブに駆り出したのはマツダロードスターRSソフトトップの6MTモデル |
3月20日よりアクアラインが土日祝日1000円化された。そこで神奈川県川崎市北部に住む記者が、実際にアクアラインを使って千葉をドライブしてきたので、その模様をお届けする。目的地は都内よりひと足早く春を迎える南房総だ。パートナーは2008年12月にマイナーチェンジしたマツダ「ロードスター」。オープンエアーで春の空気を存分に感じられる車だ。
出発したのはアクアライン1000円化の2日目となる3月21日で、前日の天気とは打って変わって雲1つない好天に恵まれた。朝6時から屋根を開けて出発。シートヒーターのおかげで顔以外はほとんど寒くない。ただし、高速だと髪が乱れるので、同乗者がいるときは気を遣いたいところ。
第三京浜から首都高神奈川線を経由してアクアラインに入る。割引開始以前と比べ、交通量は2~3割増しといったところだろうか。確実に交通量は増えているが、時間帯が早いこともあってか前が詰まるほどの混雑はない。そんなことを気にしていたらうっかり海ほたるPA(パーキングエリア)を通り過ぎてしまった。川崎側から向かう場合、トンネルを抜けるとすぐに海ほたるPA入口なので早めに左車線に寄っておこう。
川崎北部を出発し、第三京浜からベイブリッジを渡ってアクアラインを目指す | アクアラインの川崎側は海底トンネル。ひたすらまっすぐに道が延びる | 木更津側に来ると海上の橋になる。この時間にしては交通量は多めだ |
朝焼けの中の東京湾を走り抜け、木更津側に着くと料金所がある。所要時間は約20分程で7時過ぎには千葉に到着できた。ETCレーンを抜けると掲示板には「1000円」の表示だ。記者が初めて利用したときはまだ3000円だったが、“わずか20分足らずの時間で”という気持ちも手伝ってずいぶんと割高に感じたものだ。これが1000円となると湾岸線を使って都内経由でいくよりも安く、時間でもおそらく1時間以上は短縮できていることを、素直に歓迎できる。
千葉に入って最初に目指したのは富津岬だ。富津岬は房総半島から横須賀方向に突き出た岬で、車で岬の突端まで行くことができる。アクアラインから館山自動車道に乗り継ぎ、木更津南IC(インターチェンジ)で降りたら、国道16号、県道255号を通って到着。岬の突端には明治百年記念展望塔という展望台があり、自由に上ることができる。当日は対岸の横浜ベイブリッジや、うっすらとだが富士山を望むこともできた。
富津岬の無料駐車場にて。後ろに見えるのが明治百年記念展望塔。右側には富士山も見える | 横浜にあるベイブリッジをはっきりと見ることができた | 展望台の上からの眺め。左が木更津、右が館山になる |
取材日は潮の関係で休みだったが、富津では潮干狩場がオープンしていたり、最寄りの富津漁港には、釣り船の乗船場や、名物の穴子料理を食べさせてくれる食事処も並ぶ。まだ8時ということで、営業している食事処はなかったが、お土産屋を発見し、新ものの生のりを購入した。
富津海岸では早くも潮干狩場がオープン。潮の関係で日によって潮干狩りができる時間がことなるので、事前に富津漁業組合のWebサイトでチェックしておこう | 富津港には、多くの釣り船や漁船があり、港沿いには食事処も多くある。この辺りは穴子が名産 | 新ものの生のりをお土産で購入。味噌汁に入れたり、そのままわさび醤油でいただいてもおいしいとのこと |
お土産も手に入れたところで、次の目的地、南房総のフラワーラインを目指す。富津中央ICに向かい国道465号を南下していくと、目の前の山の上に巨大な観音様を発見。せっかくなので寄り道することにした。しばらく進むと「東京湾観音」の看板があり、ロードスターの軽快なハンドリングで峠道を上っていくと突然目の前に巨大な観音像が現れた。近くで見るとその大きさは圧巻だ。高さ56mで灯台の役目も果たしていると言う。観音像は胎内拝観のみが有料。胎内は20階、314段の螺旋階段になっており、十二支守り本尊や七福神があるほか、展望部から東京湾を見渡すことができる。体力に自信のある人はチャレンジしてみよう。
大坪山に建つ東京湾観音は、材木商の宇佐美政衛氏が世界平和のために建てたもの。原型は世界的な仏像彫刻家の長谷川昴氏 | 駐車場は無料で、胎内拝観のみ有料。拝観料は大人500円、中高生400円、5歳~小学生300円 | 観音像は内部に入れるようになっていて、展望台からの景色を眺めることもできる |
体力には自信のない記者は早々に退散し、今度こそ富津中央ICから、館山自動車道~富津館山道路へ連絡し、終点富浦を目指す。この頃になると交通量も増えてきて、時々前が詰まることも。鋸南富山ICを過ぎるとハイウェイオアシス富良里があるので食事をとることにした。ハイウェイオアシスの1階では地元で捕れた海の幸や新鮮野菜が販売されており、2階では地元食材を使った軽食や、漁協直営の食堂で本格的な海鮮料理を味わうこともできる。
10時頃にもなると交通量はかなり増え、ハイウェイオアシスの入り口は渋滞になっていた | ハイウェイオアシス富良里は、道の駅富良里とみやまも兼ねており、一般道からもアクセスできる | 漁協直営の網納屋で、地元で揚がった魚のづけ丼、バラちらしをいただく。お値段900円なり |
食事を済ませハイウェイオアシスを出発すると、ちょうど入れ違いで入ってきたロードスターに乗るカップルから手を振られた。こんなことが起きるのもロードスターならではだろう。富浦ICを降り、国道127号、国道410号を南下すると、房総半島南端の白浜へ到着する。
白浜のあたりはこの季節、菜の花やポピーが満開。このまま西へ向かうと菜の花に囲まれた房総フラワーラインがあるが、菜の花の時期はもうすぐ終わりなので、そのまま国道410号を北東に向かい、途中県道251号や297号を使って海岸線のルートをドライブすることにした。
このあたりは同じ海岸線であっても、砂浜があったり屏風岩と呼ばれる奇岩があったりと次々とその表情を変えていく。また、花摘みができる道の駅白浜野島崎や、おいしい食事が楽しめる道の駅ちくら・潮風王国、異国情緒あふれる道の駅ローズマリー公園といった道の駅があり、観光客を集めている。記者も潮風王国で食事をするつもりでいたが、駐車場が満車で断念した。
館山の国道410号線沿いにある日帰り温泉「南房総城山温泉 里見の湯」。大人1580円、小人600円 |
菜の花畑や海岸沿いで写真撮影を楽しみながら北上し、国道128号にぶつかったところでドライブを終了し、帰路につくことにした。泊まりであれば、このまま北上して鴨川あたりに1泊し、翌日は今ならETCカードを見せれば入場料が割引になる鴨川シーワールドを満喫したいところだが、帰路は渋滞が予想されるので、早めに切り上げることにした。
ところが館山で「南総城山温泉 里見の湯」の看板を発見。これまた寄り道の虫がうずいて立ち寄った。駐車場には地方ナンバーだけでなく地元のナンバーも多く、なかなかの人気。まだ建物も新しく、しなびた温泉とは違うが、岩盤浴などもあって家族で楽しめる温泉だ。タオルなどもすべて用意されているので、記者のように突然立ち寄っても満喫することができる。
すっかりくつろいだおかげで高速道路は大渋滞。そのため海岸沿いを走る国道127号を使って北上することにした。このあたりの海岸線は入り組んでいて、道路もカーブが連続するが、ステアリングやアクセル、ブレーキに対して非常にリニアな反応をするロードスターは、まさに手足のように操ることができて、不安どころか楽しく走ることができた。
アクアラインも見事に渋滞。どうせなので行きに通りすぎてしまった海ほたるPAに寄ることにしたが、21時の時点で駐車場は満車で、入り口も渋滞。結局自宅に着いたのは23時近くになってしまった。
21時にもかかわらず海ほたるPAは満車で入り口から渋滞。もちろんこまめにアイドリングストップする | 海ほたるPAの駐車場に着いたころには、本線の渋滞は解消していた |
計329kmを走行し、燃費は12.1km/L。今時の車としては普通かもしれないが、スポーツカーの走りを楽しんだ上での燃費としては、十二分に評価に値する燃費だろう。
総走行距離は329kmで、燃費は12.1km/L |
最後に、今回のドライブで掛かった高速通行料金をまとめてみた。帰路は渋滞を避けて富津金谷ICまで一般道を使い、富津竹岡ICでまた渋滞を避けて一般道に降りるという変則的なルートを使っている。おかげで午後の通勤割引では50円しか引かれず、再度高速に乗った富津中央~木更津金田第一間は割引が適用されなかった。こういう悩みも今週末からは解消されるはずだ。
利用IC(自) | 利用IC(至) | 通常料金 | 割引後料金 | 割引額 | 割引内容 |
京浜川崎 | 保土ヶ谷 | 200円 | 200円 | ||
三ツ沢本線 | 湾岸アクア | 600円 | 580円 | 20円 | 平日・土曜3%オフ |
アクアライン(川崎→木更津) | 3000円 | 1000円 | 2000円 | 上限1000円 | |
木更津金田第一 | 木更津南 | 700円 | 350円 | 350円 | 通勤時間帯割引 |
富津中央 | 富浦 | 1000円 | 550円 | 450円 | 休日昼間割引 |
富津金谷 | 富津竹岡 | 150円 | 100円 | 50円 | 通勤時間帯割引 |
富津中央 | 木更津金田第一 | 950円 | 950円 | ||
アクアライン(木更津→川崎) | 3000円 | 1000円 | 2000円 | 上限1000円 | |
湾岸浮島 | 第三京浜接続 | 600円 | 480円 | 120円 | 平日・土曜夜間 |
保土ヶ谷 | 京浜川崎 | 200円 | 200円 | ||
合計 | 1万400円 | 5410円 | 4990円 |
(編集部:瀬戸 学)
2009年 3月 26日