アクアラインと本四道路の休日料金値下げ、順調にスタート 道路の交通量は増加も、混乱はなく |
高速道路の料金引き下げの本格実施に先立って、3月20日から東京湾アクアライン(アクアライン)と本州四国連絡橋(本四道路)の休日通行料金が上限1000円となった。同日と21日、両道路を運営するNEXCO東日本(東日本高速道路)とJB本四高速(本州四国連絡高速道路)は、3月20日の交通量を発表した。
高速道路料金引き下げは政府の景気対策の一環として行われるもので、ETC利用車に限り地方部の料金を休日は1000円を上限とするほか、平日全時間帯を3割引にするなどの施策が行われる。アクアラインと本四道路の休日通行料金もこれに伴い、上限1000円となる。
ほとんどの施策は3月28日から開始されるが、アクアラインと本四道路は他の高速道路よりも料金システムの変更が容易なため、開始が約1週間前倒しされ、20日0時からの料金引き下げとなった。
高速料金引き下げについてはさまざまな議論があるが、特に休日に利用者が集中することで渋滞や事故増加、SA/PAの混雑などが懸念されており、先行するアクアラインと本四道路の状況が注目を集めていた。
各社が発表した20~22日の3日間の平均交通量(小型車のみ)は次の通り。前年比、前週比とも交通量は増えており、とくに本四道路では高い伸びが記録されている。アクアラインでは22日の16時40分~19時の間、強風により通行止めとなったため22日の交通量は対前年・前週比とも下回ったが、好天に恵まれた21日は、60%以上の伸びを示している。
交通量 | 対前週(2009年3月15日)比 | 対前年(2008年3月22~23日)比 | |
アクアライン | 3万9900台 | 28%増 | 25%増 |
大鳴門橋 | 3万2900台 | 90%増 | 60%増 |
瀬戸大橋 | 2万7900台 | 120%増 | 90%増 |
多々羅大橋 | 1万1400台 | 111%増 | 119%増 |
アクアラインの浮島IC | 木更津金田の料金所で1000円が表示された | 海ほたるの川崎側の入口。満車のため、臨時駐車場に誘導される車両 |
渋滞もほぼ例年通りだが、アクアラインの川崎側となる川崎浮島JCT上り線で21日17時頃に発生した渋滞は25kmに及び、前年の3月23日の17.6kmを上回った。
3連休初日にも関わらず、大きな混乱は報告されておらず、ひとまず休日料金値下げは順調なスタートを切った。今後は大型連休の状況や、全国の高速道路への展開、経済効果の評価などに注目される。
■混乱無く順調なスタート
料金引き下げの初日となる20日、アクアラインを訪れてみた。アクアラインの交通量は多く感じられたが、渋滞等は発生していなかった。
途中にある海ほたるPAは午前11時の時点で満車となっており、臨時駐車場に誘導された。関係者によれば、海ほたるが満車になるのは観光シーズンであるこの時期には珍しくないとのこと。料金引き下げにより利用者が増加すると見込み、駐車場に配置する誘導員を通常の休日よりも2割増やしたこともあってか、川崎側からも木更津側からも、PA入口で数分待たされただけで入場でき、特に混乱は見られなかった。
11時の時点で海ほたるは満車 | 本線脇の臨時駐車場が使われた | |
アクアラインでは特に渋滞は起きなかった |
海ほたる内の店舗やトイレは混雑しており、ある従業員は「いつもの休日より忙しい。はやり1000円の効果」と言っていたが、こちらも特に混乱はなかった。
一方、千葉県富津市金谷と神奈川県横須賀市久里浜を結ぶ東京湾横断航路「東京湾フェリー」の3連休中の利用者は、20日と22日はやや減少、21日は前週並み。20日、22日は悪天候だったこともあり、また極端な減少は見られなかったので、この3連休ではアクアラインの影響があったかどうかはわからないという。しかし同社では今後、休日利用客は3割減ると予想している。
海ほたる内も混雑した | 通行料引き下げ記念のおみやげも | |
金谷の東京湾フェリー乗り場。関係者は「いつもより車は少ないが、(20日は)午前中が雨だったので、アクアラインの影響かどうかはわからない」と言う |
(編集部:田中真一郎)
2009年 3月 23日