サーキット走行イベント「POTENZA EXCITING STAGE 2009」参加リポート
サーキットが初めての人でも楽しめ、運転がうまくなる喜びも

「POTENZA EXCITING STAGE 2009」の第1戦が行われた「Lido美浜サーキット」。好天の中、多くの人がサーキット走行を楽しんでいた

2009年4月19日開催
Lido美浜サーキット



 POTENZAエキサイティングステージ2009事務局(プロクルーズ)が主催し、ブリヂストンが後援するサーキット走行イベント「POTENZA EXCITING STAGE 2009」。このPOTENZA EXCITING STAGEは、サーキットでのタイムアタックを楽しむイベントで、全国各地のサーキット7カ所で地区大会の開催が予定されている。地区大会で速いタイムを記録した参加者は、決勝大会に参加でき「POTENZA使いNo.1」を目指すこともできる。

 サーキットというと、サーキット未経験者にとってはハードルの高いイメージもあるが、POTENZA EXCITING STAGEでは経験者向けの「POTENZA RE-11 GP タイムアタック」のほか、サーキット走行を楽しみつつインストラクターによるドライビング講座も受けられる「スキルアップ」、フリーにサーキット走行のできる「サーキットラン」クラスも用意されている。さらに2009年はビギナー向けの「POTENZA RE-11 GP タイムアタックビギナーチャレンジ」クラスなどが新設され、サーキット初心者向けのメニューが充実したものとなった。

 Car Watchでは、4月19日に第1戦が開催された「Lido美浜サーキット」のタイムアタックビギナーチャレンジに参加してみたので、その模様をここにリポートする。

バラエティ豊かな車が集まったLido美浜サーキット
 Lido美浜サーキットは、知多半島の南部にあたる愛知県知多郡美浜町にある。コース全長は1200m、コース幅は10m~15mというミニサーキット。知多半島道路の美浜IC(インターチェンジ)からおよそ10~15分ほどで到着し、右左折ポイントには看板も立っていたので、迷うこともなかった。

Lido美浜サーキットの入口にはPOTENZA EXCITING STAGEのゲートが設けられていた受付を済ませると当日のプログラムのほか冊子やコクピットのクーポン券などをもらうことができた当日のスケジュール。サーキットコースとパドックで多数のプログラムが組まれているのが分かる
Lido美浜サーキットのレイアウト。1周1200mというサーキットだがコース幅も広く明るい雰囲気。一番左の第1コーナーと、一番右のヘアピンがポイントとなるコーナーピットからコース左側を見る。左奥が1コーナー側コースのセンター部分。手前がメインストレート。参加車両が向かっていくのがバックストレート
センターハウスからコース右側部分を見るコース右奥に位置するコーナー。手前の黄色い線はピットに向かうピットレーンとなる

 6時半から入場を開始し、車を止める位置を決めたら、受付で参加受付をすませる。参加受付をすると、当日のプログラムのほか車に貼るゼッケンシートをもらえるので、参加規則に従ってサーキットを走行するための準備を開始する。

 この段階で参加車両をあれこれ見てみたが、国産のスポーツ車はもちろん、輸入車やワゴンタイプの車などバラエティ豊かな車が参加していることに気がついた。ただ、その中でもシビックやインテグラ、S2000などの参加が多く、ホンダ車の人気が高い印象を受けた。Car Watchは、1997年式のスバル インプレッサWRX STi Version III(以下STI3)で参加。インプレッサとして初めて280PSに到達したモデルで、馬力を出すのに苦労したのかターボラグが目立つモデルだ。このSTI3に、大会の冠名ともなっているPOTENZAのフラッグシップモデル「RE-11」を履いて参加した。

当日集まった参加車両の一部。国産車、輸入車などさまざまな車両が勢ぞろいしたCar Watchは写真手前に写っている1997年式のSTI3で参加。ボンネットが開いているのは、これからテーピングなどの作業を行うためタイヤは参加規定にもあうPOTENZA RE-11を履いて参加。ハイグリップタイヤであるにもかかわらず乗り心地も結構よいという不思議なタイヤ。東京~愛知の往復をなんなくこなせ、サーキット走行もOKでした

事前準備はテーピングに始まり空気圧チェックに終わる
 サーキット走行の準備は、1にテーピング、2にテーピング、3、4もテーピングで、5が空気圧など各部チェックとなるだろう。テーピングはヘッドライトやテールライトなどの灯火類に行うもので、万が一ぶつけてしまったときに破片などが飛び散らないようにするためのもの。また、バッテリーの+(プラス)ターミナルや、ブレーキ液の入っているブレーキリザーバータンクのキャップなどが大きな振動を受けても外れてしまうことのないように、こちらにもテーピングを施す。

 テーピングに使用するテープは、ビニールテープや塗装養生用の強粘着テープなどを用いればOK。そのほかタイム計測用のトランスポンダーの取り付けにガムテープなどがあるとよいだろう。基本的にボディーにかかるように貼り、壊れた場合に飛び散らないようにすればよいのだが、実はこのテープが結構おしゃれアイテム。青いボディー色の車は青いビニールテープを使って貼ったりと、工夫している参加者が多かった。

サーキットの1日はテーピングから始まる。ボディーにかけつつ灯火類をテーピングしていく。黒のビニールテープを使ったが、ボディーカラーとあわせておしゃれに決める参加車が多かったこんなふうに×印にすれば万全。黒いビニールテープのため、あまりおしゃれには決まらないヘッドライトまわりはこんな具合に。やはりおしゃれ感は不足気味
バッテリーの+(プラス)ターミナルもテービング。-(マイナス)ターミナルは外れてもショートすることがないが、+は大トラブルにつながるので要注意ブレーキリザーバータンクのキャップにもテーピング。外れるものには、積極的にテーピングをしておこうテーピングを終えたエンジンルーム。あまりきれいなエンジンルームでないのは12年ものの車のため
一通り灯火類のテーピングを終えたら、ゼッケンナンバーを貼る。ここは透明なテープを使用左がラップタイムを計測するトランスポンダーで、右がそのトランスポンダーを止めるプレート。プレートを車体にまず貼り付ける取り付け個所は指定されているのでそれに従って。今回はリアのナンバープレートに白いガムテープでプレートを貼り付けた
プレートを取り付けトランスポンダーをはめ込む。最後にクリップで固定すればOK。しっかり取り付けられているか確認しておこう

 各部のテープ貼りを終えたら、車からサーキット走行に不要なものを降ろしていく(順番はどちらでもかまわない)。今回の規定では、スペアタイヤや運転席以外のフロアマットなど。ドリンクホルダーなども万が一の際に危険なので、すべて取り外す。サーキット走行時は強くブレーキをかけることになり、車内で飛び回ってしまうものなどは外しておくわけだ。もちろん軽量化にもつながるので、可能な限り走行に不要なものは降ろしておこう。

 最後に空気圧をはじめ、各部の点検をする。とくに高い負荷のかかるタイヤの空気圧は要チェックで、楽しくサーキットを走るためには欠かせない作業だ。初めての場合、どの程度にあわせればよいか分からない部分もあるが、タイヤサイズを変更していない場合規定空気圧にあわせておけばよいだろう。今回はノーマルと同じ205/50 R16のRE-11を履いたので、前2.3/後2.1にあわせた。

サーキット走行に不要なものは、車から降ろしておく。これはスペアタイヤ規定書に運転席以外のフロアマットも降ろすと書かれていたので、それに従いフロアマットも降ろすドリンクホルダーなど、車内の小物も降ろす。サーキット走行では高い加減速が発生するので不要なものは取り外しておくのが安全につながる
タイヤの空気圧をチェックしているところ。これも必ずやっておきたい作業少し低かったので、エアポンプで空気を追加無事フロントタイヤを2.3にあわせ終えた。指定空気圧を基準に、高くするなり低くするなり調整していけばよいだろう。まずは指定空気圧で走ってみることが大切

 また、順番が前後してしまったが、サーキット走行に必要なものを紹介しておく。イベントの規定にもよるのだが、ヘルメットとグローブは必須のことが多く(POTENZA EXCITING STAGEも必須)、自分専用のものを用意したい。

 ヘルメットは大きく分けて、あごまでカバーする「フルフェース」タイプと、あごをカバーする部分のない「ジェット」タイプがある。オープンカーではフルフェースタイプが必須となっていたが、自分の好みで選べばよいだろう。ただし、ヘルメットの安全基準である「新JIS(規格番号JIS T 8133)」をクリアしていること。今回もそうだったが、旧規格である「JIS C種以上のヘルメット」と書いてある場合、2000年以降の新規格である新JIS対応のものを用意しておこう。

 グローブに関しては規格はないが、難燃性の素材であり、自分の手の大きさにあうものを。軍手などはすべりやすく燃えやすいため不可。指先の出るようなオープンフィンガータイプも不可。車向けのレーシンググローブをお勧めする。

 そのほかあったほうがよいものとしては、各種の工具類。基本的なサイズのドライバーやスパナはもちろん、タイヤ交換ができる程度の準備はしておきたい。また、タイヤの空気圧を確認するための空気圧計や、空気を入れるためのエアポンプなども用意しておきたいところ。工具などはあればあるだけ便利だが、最低限のものがあれば、後は徐々にそろえていけばよいだろう。

安全を確保するためのヘルメットはサーキット走行には必須と言ってよい。POTENZA EXCITING STAGEでももちろん義務づけられており、オープンカーでは右のあごまでカバーするフルフェースタイプが必須。頭の形は人それぞれなので、JISなどの安全基準をクリアし自分の頭のサイズにあうものを選んでおきたい。バイク用のものでもOKだ。真ん中のグローブは滑りにくく難燃性のものを。軍手は当然不可今回持ち込んだ工具類。左上から時計回りに、空気圧計、各種工具、シガーソケットからの電源で動作する電動エアポンプ、油圧ジャッキ。工具類はあればあるほどよいが、基本的な工具類と空気圧計、エアポンプがあれば問題ないだろう準備作業を終えたらスタッフから車検を受ける。主に見ているポイントはテーピングがきちんと行われているかどうかとのこと
車検を終え、申請書のタイヤと照らし合わせたら、車検の合格印をタイヤにポンと打つフロントウインドー上部に参加クラスのステッカーも貼られたビギナーチャレンジ参加車には「D」マーク。このマークが同じ車両ごとに走行を行っていた

52秒台→51秒台→50秒台。タイムを縮めていく喜び
 今回参加したPOTENZA RE-11 GP タイムアタックビギナーチャレンジは、15分の練習走行を3回行い、最後に15分のタイムアタックを行うというもの。1日十分にサーキットを楽しめるようなプログラムとなっている。練習走行時にもタイムを計測してくれ、走行ごとにラップ表も出る。1回の走行時間である15分というと短いようだが、Lido美浜サーキットは1周1200mほどなので、速い人で45秒程度で周回しており、15分間気合いを入れっぱなしで走ると疲れてしまうほど。集中力が持続する時間を考えてもちょうどよい長さだろう。

 記者は、数年前にミニサーキットの走行会に参加したのが最後で、サーキットはひさびさ。また、Lido美浜サーキットは初めてのサーキットとなるのでドキドキものだった。そのため、前日の夜からサーキットのレイアウトをなるべく頭にたたき込んでおいたのだが、やはり事前知識と実際は違い、意外なほど広いコース幅に一安心したしだい。

 イベントは最初に参加者に対してブリーフィングが行われる。内容は、どのような流れでイベントが行われていくのか、コースで振られる旗の種類はどんなものかなど。安全に直結する部分なので、しっかり聞いておく必要がある。その後開会式が行われ、実際の走行が開始となった。

参加者に対するブリーフィングでは、イベントの流れやコース上で降られる旗の説明などが行われる。これは走行の終了を示す市松模様のチェッカーフラッグ。イエローフラッグやレッドフラッグは、サーキットやイベントごとに使われ方が異なるので、必ず理解しておく開会式は、鈴木学氏の司会で始まった。鈴木氏は、実況中継も担当するなど大忙し全日本ジムカーナに参戦中の西原正樹選手。このイベントではスキルアップの講師なども担当
イベントを盛り上げてくれるポテンザギャルのMIHOさん。レースクィーンがパドックを歩いているのは、やはり華やかな感じいよいよサーキット走行の始まり。写真は先導車の日産シルビア。最初の1周は先導車が付く形でのサーキット走行が行われていたスキルアップクラスの走行風景。これは最初の慣熟走行のシーンで、このクラスでは先導車が位置を入れ替えつつ走行していた。つまり、参加者は先導車の走りを後ろで見ることができるという趣向
スキルアップクラスの慣熟走行でポジションチェンジを先導車が指示している。先導車はゆっくりしたペースで走ってくれるので、サーキットが初めての場合でも安心だサーキットランクラスを走っていたアウディTT。サーキットランでは、決勝戦への出場権はないものの15分間×4の走行を楽しめる。また、ブリヂストンのタイヤ以外でも参加可能で、「POTENZAじゃないけれどサーキットは走ってみたい」という人向け各クラスの走行はこのチェッカーフラッグが出されると終了

 自分の走行時刻になると、いざ出発。最初の練習走行の際には、先導車が付いてサーキットの慣熟走行を、ピットアウト→走行→ピットインと1周行ってくれるため、そこで大きな流れをつかんでおく。その後は時間一杯みっちり走ることができる。

 1回目は「慣れるため、慣れるため」と自分に言い聞かせつつ、あまりアツくならないように周回。とはいえ、直線ではきっちりアクセルを踏み感触を確かめながら走行した。自分的にLido美浜サーキットでは、直線の後の1コーナー(コース図で一番左にあるコーナー)と、バックストレートを下ったところにあるヘアピン(コース図で一番右にあるコーナー)がなかなか難しく、1回目はどのくらいの速度で進入するのか探りつつ走行。その結果、1回目のベストタイムは52秒189となった。

 2回目は主に1コーナーの進入を工夫しながら走ってベストタイムは51秒182。3回目はバックストレートを下ったところにあるヘアピンでの進入速度を工夫しながら走ってベストタイムは50秒626となった。サーキットに慣れてきたこともあるのだろうが、毎回着実にタイムが縮まっていくのはうれしいものだ。速い人は45秒台近辺でコンスタントに周回しているので、それと比べるとまだまだだが、初めてのサーキットでもあるので自分的にはOK。タイムアタックは自分との戦いなので、1歩1歩タイムを詰めていければよいだろう。

 また、RE-11を履いて初めてサーキットを走ってみたのだが、驚いたのは安心してサーキットを走ることができたこと。1コーナーや奥のヘアピンでは特に左前輪に負担がかかるのだが、唐突な滑り出しどころか大きく滑ることもなく、不安なくコーナリングが行える。3回目ともなると路面温度が40度を超えるほどの暑さとなったが、熱ダレの兆候すら感じない。もちろんそれほど攻め込めていないというのもあるが、それでも初めてのサーキットでこの安心感は精神的な負担を減らしてくれるし、何より素直にサーキットを走ることを楽しめる。走行後毎回タイヤの表面を確認してみても、負担のかかる左前輪のほうがやや減り気味程度で、とくにトレッド面が荒れることもなく、見た目の安心感も高いものだった。

Lido美浜サーキットの走りを写真で簡単に紹介。最初は前の車に続いてコースイン。タイムアタックなので、前走車との間隔はある程度あけたほうがよい。これらは1コーナーにかけての写真
1コーナーを立ち上がって、奥の2連続ヘアピンへ
サーキット図の一番右に描かれていたヘアピンコーナーが難しかった。下りながら入っていくので速度に気をつけつつも、オーバースピードにならないように。最後にS字っぽく立ち上がって、メインストレートへと向かう
3回目の走行を終えた段階での左前輪。このサーキットでは左前輪にとても負荷がかかるが、RE-11の表面は減りが見られる程度で、ブロックの表面やエッジにイヤな荒れが出ることもなかった。ちょっと荒れているように見える部分は、サーキット場のタイヤかすの付着によるお弁当の引換券も付属しており、お昼にはお弁当とお茶がもらえる。食事に並んだりする必要がなく、ありがたかった午前中に路面温度は40度を超えていた。午後はさらに高くなったはずだが、RE-11で熱だれなどの症状は出ることがなかった

 記者はタイムアタックビギナーチャレンジに参加したのだが、このクラスには非常に目立つ車が走っていた。それはセリカの痛車(いたしゃ)。最終型のセリカのボディーにイラストをプリントした車で、記者のSTI3よりもハイペースでの走行を行っていた。あまりに目立っていたので、オーナーの絢汰(けんた)さんにお話をうかがったところ、イラストは絵師の和(なごみ)いつきさんに描いてもらったオリジナルのものだと言う。愛知県の豊川市から参加したとのことで、豊川稲荷にかけてイラストも狐っ子にしてあるとのこと。エンジンまわりの配管などにも手が入ってるほか、フロントバンパーのエアスクープもFRPで自作してあるそうだ。サーキットはひさびさと言いつつ、ハイペースで周回しており、このイベントを満喫しているようだった。

記者と同じくタイムアタックビギナーチャレンジに参加していたセリカの痛車。エッジを生かしたスタイリングは今見ても古さを感じない
フロントバンパーからやや飛び出しているエアスクープは手作り。とても手作りに見えないほどの仕上がり豊川在住とのことで、豊川稲荷の狐がテーマ。リアハッチすみには「I LOVE 狐っ子」の文字がアメリカ製のインテークパイプでエアクリーナーをバンパー開口部近くまで移動。冷たい外気を取り込むための工夫だ
リアシートはなく、イラストが掲示されていたイラストは和いつきさんの手によるものとのこと

サーキット走行のほかにも楽しめる工夫が
 POTENZA EXCITING STAGEでは、サーキットを単に走るだけではない工夫が凝らされている。たとえばスキルアップクラスに参加すれば15分×3回のサーキット走行のほかにプロドライバーによる同乗走行や座学であるスキルアップ講習を受けることができる。今回講師として参加していたのは、全日本ジムカーナ選手権に参戦中の西原正樹選手で、Lido美浜サーキットの走り方などをスキルアップクラス参加者に詳細に解説していた。

 また、パドックには、キャロッセやレイズ、エンドレスなど各パーツメーカーがブースを設置。各メーカーの最新製品を見て回ることができるほか、ブースを巡るスタンプラリーも行われていて、すべてのブースでスタンプを押してもらうと記念品をもらえるようになっていた。ネイルアートを無料で体験できるコーナー、レースゲームが楽しめるコーナー、そして昼にはビンゴ大会や西原正樹選手のトークイベントなども開催されていた。とくに西原正樹選手のトークイベントには、フォーミュラ・ニッポンのトップドライバーでもあった土屋武士選手が飛び入り参加し、RE-11のテクノロジーの解説や、レースに挑む際のメンタルな部分の持ち方についてアツく語っていた。

タイムアップを目指す人向けのスキルアップクラスでは、プロドライバーによるコース攻略講習も行われる講師を務めるのは全日本ジムカーナの西原選手。タイムアップのツボだけでなく、エスケープゾーンが少ない危険なコーナーなどの説明もあった同乗走行の模様。プロドライバーの走りを間近で見られる上、その後の走行時間があればその経験を走りに生かせる
パドックには各パーツメーカーのブースが設けられているブリヂストンのブース。RE-11はもちろん、SタイヤのRE-11Sや、RE050を展示ネイルアートを無料体験できるコーナー。早速体験している女性もいたようだ
CUSCOブランドでおなじみのキャロッセは、デモカーのエボXを展示していたほか、イベント特価でグッズやパーツを販売レイズのブースには、RE30の新色「ブラックマシニング」や、TE37のDNAを受け継ぐ新作VR.G2やVR.G7、VR.G10を展示ティーズのブースにはおなじみブリッドのフルバケやセミバケがズラリ。実際に座ることもできるようになっていた
ウェッズのブースでは、ウェッズスポーツブランドの軽量ホイールのほか、KRANZEブランドの新作ホイールも展示多くのホイールを展示していた共豊コーポレーションだが、目を引いたのが軽量化することで燃費にも貢献するホイール「K-ECO ep-01」HKSは、サスペンションやマフラー、オイルなどオリジナルパーツを展示。デモカーのオデッセイにはレーシングサクションが装着されていた
ホイールやエキマニなどのパーツを展示していた5ZIGEN。デモカーも展示お昼時には西原正樹選手と、飛び入り参加の土屋武士選手とのトークイベントも実施。一番右が土屋武士選手現在はスノコオイルでおなじみの日本サン石油の社員でもあるという土屋武士選手。オイルの開発協力を行っている
RE-11Sと西原正樹選手。タイヤのテクノロジーの話というより、レースにおけるメンタル面に関してのトークが多かったときには、タイヤに関する話も。これはRE-11の特徴でもあるシームレスステルスパタンについて。土屋武士選手はこのパターンにブリヂストンのウェットテクノロジーが生きていると言う土屋武士選手の所属する日本サン石油のイベントバス。土屋武士選手はこのバスの近くにいるので、何でも聞いてくださいと語っていた
土屋武士選手と話す参加者。トップドライバーとゆっくり話をできるのも、レースとは異なるイベントのためだろうスタンプラリーも楽しめ、15個所のブースを巡ると記念品がもらえる。これはエンドレスのブースでスタンプを押してもらっているところポテンザギャルのMIHOさんとのツーショット撮影会も開催されていた
MIHOさんは、さまざまなサポートイベントのお手伝いも。これはビンゴ大会の風景から

トラブル発生によりタイムアタックは不出走
 15分の練習走行×3を終えた後はいよいよタイムアタックとなるのだが、実は3回目の練習走行を終えた後STI3にトラブルが発生してしまった。3回目の走行を終え、エンジンを冷やすためにボンネットを開けたところ、まるでヘビ花火が爆発したような黒いヒモ状のものがラジエーターにたくさん付いていた。「なんだこれ?」と思ったが原因はすぐに判明。エアコンのコンプレッサーを動作させるためのVベルトがバラバラにちぎれてしまっていたのだ。

 いくら当日暑くてもサーキット走行をする以上エアコンなどは動作させておらず、無負荷の状態で(ただVベルトが回っていただけで)、ちぎれてしまったのだ。STI3ではパワステポンプと発電機となるオルタネーターにもVベルトがかかっているのだが、なんだかこちらもヤバイ状態に。Vベルトは主成分がゴムでできており、新車時から交換した覚えもないので、大幅に劣化していたのだろう。最悪エアコンは動作しなくても問題ないが、さすがにオルタネーターが動作しなくなると愛知から東京に帰ることは不可能になる。そこで、49秒台突入を目指したタイムアタックを中止し、ここでPOTENZA EXCITING STAGEをリタイヤ。近くのスバルディーラーをインターネットで探し、修理してから東京に向かうことにした。

3回目の走行を終え、ボンネットを開けたら黒いヒモの状のものがうねうねと。エアコンのコンプレッサーを動作させるVベルトがバラバラになってちぎれていましたもう1本のVベルトもヤバイ感じに。こちらはオルタネーターの動力となっており、これが切れると万事休すよく見るとオルタネーターの中からも、Vベルトのかすが一杯入っていた。大きなトラブルにつながらなくて何より。Vベルトはタイヤと同じくゴムが主成分のため、経年劣化をしてしまうもの。チェックを怠っていたのが原因

 ざっと探したところ、美浜町の北に位置する半田市にスバルディーラーがあることが分かり早速電話をしてみた。Vベルトの在庫確認をすると「はい、ございます」とのことで、半田市のスバルディーラーを目指すことにした。小さなディーラーを想像していたのだが、到着してみると名古屋スバル半田店は非常に大きなディーラーでビックリ。昨年建て替えたばかりで、知多半島にはこのディーラーしかないと言う。およそ15分ほどで作業は終了し、無事東京に帰ってくることができた。

Vベルトを取り付けていただいた、名古屋スバル半田店。外観からも分かるとおり、規模の大きなディーラーだったピットも写真のようにとてもきれいなもの。ピットに収まるSTI3がどこか悲しい作業はVベルトのカバーを外すところから始まる。ボックスレンチを使って手際よく作業は進んでいった
Vベルトのカバーを外したところ。手前のオルタネーターにはベルトが掛かっているものの、奥のエアコンのコンプレッサーにベルトはないオルタネーターに掛かっていたベルトも傷んでいたので交換することにした。下が傷んだベルトで、上が新品のVベルト。よく見ると山の数が違う。すでにVベルトは手ひどく傷んでいたわけだ傷んだベルトのアップ写真。今にも切れてしまいそうな状態。こんな状況になるまで使ってはいけませんね
外すときとは逆の手順で新品のVベルトを取り付けていくVベルトを取り付け終えたところ。後はカバーを取り付ければ作業は終了。無事東京に帰ることができました

第2戦は筑波サーキットのコース2000で
 今回、新設されたタイムアタックビギナーチャレンジに参加してみて感じたのは、15分×4という走行時間は、サーキット走行には十分なものだということと、4回に分かれていることでいろいろ考える時間があるのだなということ。実際STI3に関して言えば、劣化していたVベルトが切れてしまって15分×3で終了となったが、走行時間にもの足りなさは感じなかった。ほかのクラスの走行もあるため、1回の走行にはおよそ1時間のインターバルがあるが、自分の走行を振り返りつつほかの人の走りを見て研究をするのにちょうどよく、このインターバルがあったからこそ、毎回1秒ほどタイムを詰めていくことができたと言える。

 「ぜひ、タイムアタックビギナーチャレンジに参加してみては」と言いたいところだが、このクラスはそのサーキットを何度が練習走行したことはあるが、タイムアタックは初めてという人向きで、サーキット初心者にお勧めのクラスはずばりスキルアップだろう。スキルアップであれば、15分の慣熟走行と、15分のサーキット走行×3に加え、プロドライバーの走り方講座や同乗走行などもあるので、初めてのサーキットでもいろいろなことが勉強できる。

 POTENZA EXCITING STAGEは下記の表のように今後6つの地区大会が開催されていく。主催するプロクルーズによると、筑波サーキットで5月10日に開催される第2回大会のスキルアップクラスに若干の空き枠がまだあり、「今週の土曜日(4月25日)までであれば受付可能なので電話してみてください」とのこと。第3回大会以降は、申込み期間が5月12日以降となるので、どのクラスでも申込み可能だ。参加規定などが設けられているので、POTENZA EXCITING STAGEのWebページを参考にして、近くで開催される際には参加を検討してほしいし、休日は上限1000円のETC割引もあるので、観光を兼ねて遠くのサーキットにでかけてみるのもお勧めだ(今回は、東名川崎IC~美浜IC間で2250円。これは知多半島道路がETC割引対象外のため)。

開催開催日開催場所
第2回大会5月10日(日)筑波サーキットコース2000(茨城県)
第3回大会6月7日(日)タカスサーキット(福井県)
第4回大会6月21日(日)十勝インターナショナルスピードウェイ(北海道)
第5回大会7月11日(土)本庄サーキット(埼玉県)
第6回大会8月8日(土)岡山国際サーキット(岡山県)
第7回大会9月5日(土)スポーツランドSUGO(宮城県)
決勝大会12月13日(日)筑波サーキットコース2000(茨城県)

【申込先/お問い合わせ先】
POTENZAエキサイティングステージ2009事務局
株式会社プロクルーズ
〒355-0225
埼玉県比企郡嵐山町鎌形1607-7
TEL:0493-62-1074
FAX:0493-62-1075

http://www.procrews.co.jp/

(編集部:編集部:谷川 潔)
2009年 4月 23日