車でのレジャーを低燃費でよりお得に「エコタイヤ特集」

 エコタイヤは、走行中にタイヤと路面の摩擦から発生する「転がり抵抗」を低減することで、自動車の走行抵抗を軽減し、燃費向上を図ることに重点を置いて開発されたタイヤだ。転がり抵抗低減に重点を置きながらも、従来モデルと同等の走行性やグリップ性能を確保しているとする点も特徴だ。このほか、タイヤのゴム素材などに天然由来のものを使用したものや、製造過程でのCO2削減を図っているものもあり、製品自体が企業のエコ対策への取り組みを示すものにもなっている。

 近年では、原油高による低燃費化や、地球温暖化対策などへの関心高まりから、各社ともエコタイヤのアピールに力を入れている。ここでは、主要メーカーが販売しているエコタイヤを紹介する。3月から実施されたETC休日特別割引を受け、ゴールデンウィークの旅行を車移動で計画されている方は、エコタイヤを利用してさらなる低燃費を実現し、よりお得な旅を楽しんでみてはいかがだろうか。


ENASAVE 97
ダンロップファルケンタイヤ「ENASAVE 97」
2008年3月発売
185/65R15 88H:1万5960円
195/65R15 91H:1万7850円
205/65R15 94H:2万160円
195/55R16 86V:2万2575円

 ENASAVE(エナセーブ) 97は、2006年に発売したエコタイヤ「ENASAVE ES801」のコンセプトを発展させた新製品。ES801で採用した改質天然ゴムを従来のトレッド部のみでなく、サイドウォールやインナーライナー部にも採用することで、製品の天然資源使用比率を97%まで高めている。また、「ENR(Evolutional Natural Rubber)テクノロジー」によって合成ゴムと同等の高い気密性を実現しているほか、サイドウォールには「高耐久性ENラバー」を採用し、サイドウォールゴムに求められる耐久性を確保している。

 トレッド部では、植物由来のゴム物性改良剤を採用してゴムの柔軟性を最適化した「天然資源比率向上ENラバー」を採用し、トレッドゴムに求められる転がり抵抗の低減と高いグリップ力を発揮。トレッドパターンには転がり抵抗の低減を図る「方向性 新パターン」を採用し、「デジタイヤエコ EC201」と比較して、転がり抵抗を35%低減している。


ENASAVE 97の天然資源の比率ENASAVE 97のトレッドパターンENASAVE 97とデジタイヤエコ EC201の転がり抵抗の比較

ダンロップファルケンタイヤ株式会社
http://tyre.dunlop.co.jp/
ニュースリリース
http://www.dunlop.co.jp/newsrelease/2007/2007_052.htm
製品情報
http://www.enasave.jp/


PROXES Ne
東洋ゴム工業「PROXES Ne」、「PROXES CT01e」
PROXES Ne:2008年12月11日発売
185/65R15 88H~225/45R18 91W(5サイズ):オープンプライス
PROXES CT01e:2008年6月3日発売
185/65R15 88H (1サイズ):オープンプライス

 PROXES Ne(プロクセス・エヌイー)は、ハイブリッドカーなどのエコカーに最適化し、エコカーの車両特性を損なわない低燃費性を実現したと言うエコタイヤ。タイヤトレッド部に新配合のゴムを採用することで転がり抵抗を軽減。同社独自の開発技術「T-mode」によりウェットブレーキ性能も確保し、同社のベーシックタイヤ「TEO plus」と比較して、転がり抵抗を24%低減し、ウェット制動性能を17%向上させたと言う。

 また、タイヤ内部のノイズプロテクションシートや変則的なトレッドパターンの採用などによって静粛性も向上。55偏平以下のサイズでは、偏平化に伴う性能向上を図るために、トレッドパターンを変更するなどのチューニングを施している。加えて、同社のすべてのタイヤで採用されている「エアキープライナー」も採用しており、タイヤ内部のインナーライナーを新配合物で空気が抜けにくい構造として、空気圧の低下を抑制している。

 このほか、タイヤの骨格部分にあたるカーカスには、帝人ファイバーが開発した再生ポリエステルコードを採用。製造過程でのCO2を削減できるため、地球環境に貢献できるとしている。

 PROXES CT01e(プロクセス・シーティーゼロワンイー)は、同社のコンフォートタイヤ「PROXES CT01」と同等の性能を保ちつつ、環境性能を向上したとするエコタイヤ。PROXES CT01と比較して、転がり抵抗を22%低減し、ウェット制動性能を6%向上させたほか、天然ゴム、シリカ、低燃費パウダー、再生繊維などの天然由来資源を採用している。


PROXES Neの概要PROXES CT01e

東洋ゴム工業株式会社
http://www.toyo-rubber.co.jp/
ニュースリリース(PROXES Ne)
http://toyotires.jp/cm/topics081211_1.html
ニュースリリース(PROXES CT01e)
http://www.toyo-rubber.co.jp/news/2008/080520_5.html
製品情報(PROXES Ne)
http://toyotires.jp/catalog/pxne.html
製品情報(PROXES CT01e)
http://toyotires.jp/catalog/pxct01e.html
関連記事
【2008年12月11日】東洋ゴム、エコカー向けの新タイヤ「PROXES Ne」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20081211_38259.html


MICHELIN ENERGY SAVER(14インチ)
日本ミシュランタイヤ「MICHELIN ENERGY SAVER」
2009年2月発売
185/55R14 80H~215/60R16 99H XL(21サイズ):オープンプライス

 ENERGY SAVER(エナジー セイバー)は、欧州では2008年から販売されているミシュランのエコタイヤ。欧州自動車メーカーの新車装着用タイヤとしても数多く採用されており、日本に導入されている車両では、フォルクスワーゲンの新型「ゴルフ」や、フィアットの「フィアット500」などで採用されている。

 タイヤゴムには新開発の「フルシリカコンパウンド」を採用しており、同社従来製品の「MICHELIN ENERGY 3」と比較して、転がり抵抗を約7%低減し、ウェットブレーキ性能を約6%向上させている。トレッド部には、ストレートグルーブや独自サイプで構成し、ウェット性能の強化を考慮した左右非対称パターンを採用。車重を考慮して、14インチと15/16インチとで異なるパターンを設定している。

 このほか、摩耗が進行してもコンパウンドの剛性や特性の変化を防ぎ、ウェットブレーキ性能を長期間持続させる「デュラブルセキュリティー・コンパウンドテクノロジー」、トレッド部が路面により均一に接地するように最適化し、グリップ性能向上と偏摩耗抑制に貢献するロングライフ設計、といった技術を採用している。


MICHELIN ENERGY SAVER(15/16インチ)14インチ、15/16インチの非対称トレッドパターンタイヤの路面接地面のイメージ

日本ミシュランタイヤ株式会社
http://www.michelin.co.jp/
ニュースリリース
http://www.michelin.co.jp/media_center/news/products/090119.html
製品情報
http://www.michelin.co.jp/tires/pc/energy_saver/index.html
関連記事
【2009年1月19日】ミシュラン、2種類のトレッドパターンを採用した「MICHELIN ENERGY SAVER」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20090119_38455.html
【2009年4月10日】ミシュラン、新型「ゴルフ」の標準装着タイヤに採用
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20090410_110737.html


ECOPIA EP100
ブリヂストン「ECOPIA EP100」
2008年4月発売
155/65R13 73H~225/45R18 91W(22サイズ):オープンプライス

 ブリヂストンでは、1991年に電気自動車向けのタイヤで初めてECOPIA(エコピア)ブランドを採用し、2002年にトラック・バス用の「ECOPIA M881」と「ECOPIA R221」を、2005年に小型トラック用の「ECOPIA M812」を発売している。EP100は、乗用車向けのエコタイヤとなる製品で、日本経済新聞社が主催する「2008年日経優秀製品・サービス賞 優秀賞 日経産業新聞賞」を受賞している。

 性能面では、同社の材料技術の「NanoPro-Tech」を適用した「ECOPIAコンパウンド」により転がり抵抗を軽減。トレッド部では、ブロック剛性を向上させる「リブ連結ブロック」、ブロックの変形を抑制する「ハイアングルラグ」によってブレーキ性能を確保しているほか、横方向の力に対してパターン剛性を確保する「3Dカットリブ」、ロードノイズを低減する「サイレントACブロック」を適用。一部サイズでは、転動によるエネルギーロスを低減する新開発のサイドゴムも採用し、転がり抵抗を低減している。

 これらの技術によって、ウェット性能を高めた同社のベーシックタイヤ「B'STYLE EX」と比較して、転がり抵抗を30%低減し4.2%の燃費向上を実現。あわせて、B'STYLE EXと同等のウェットブレーキ性能を確保していると言う。


ECOPIA EP100とB'STYLE EXの転がり抵抗の比較ECOPIA EP100とB'STYLE EXの燃費の比較ECOPIA EP100とB'STYLE EXのウェット性能の比較

株式会社ブリヂストン
http://www.bridgestone.co.jp/
ニュースリリース(発売)
http://www.bridgestone.co.jp/info/news/2007102301.html
ニュースリリース(サイズ拡大)
http://www.bridgestone.co.jp/info/news/2008060501.html
製品情報
http://www.bridgestone.co.jp/tire/ecopia/
関連記事
【2009年1月5日】ブリヂストン、エコタイヤ「ECOPIA EP100」が日経優秀製品・サービス賞を受賞
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20090105_38365.html


DNA Earth-1
横浜ゴム「DNA Earth-1」
2008年2月発売
155/65R13 73H~275/30R20 97W(70サイズ):オープンプライス

 DNA Earth-1は、タイヤゴムにオレンジオイルを配合した「アースワン専用ナノパワーゴム」を採用しており、同社製品の「DNA ECOS」と比較して転がり抵抗を21%低減し、燃費も4.4%向上している。トレッド部には、高いウェット性能と耐摩耗性、静粛性を発揮できる新パターンを採用し、オレンジオイルとの相乗効果でウェットブレーキ性能を向上。DNA ECOSと比較してウェット路面での制動距離を3.4m短縮。静粛性も、DNA ECOSよりノイズを0.3dB低減している。

 このほか、衝撃を効率よく分散する新設計のラウンドプロファイルや、インチアップ時の乗り心地改善を追求した新設計の専用シャロウフィラーを採用。70サイズの豊富なラインアップで、多くの車種に対応する。


アースワン専用ナノパワーゴムの概要DNA Earth-1のトレッドパターンなどの概要DNA Earth-1とDNA ECOSの転がり抵抗などの比較

横浜ゴム
http://www.yrc.co.jp/
ニュースリリース
http://www.yokohamatire.jp/yrc/japan/release/2007/0712/20071213_2.jsp
製品情報
http://www.yokohamatire.jp/yrc/japan/tire/brand/dna/dna_earth1.html

(編集部:)
2009年 4月 24日