「人とくるまのテクノロジー展」、新型レガシィやプリウスを展示

2009年5月20日~22日
パシフィコ横浜
入場無料(登録制)



 社団法人自動車技術会は自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展」を5月20日から22日まで、横浜市の横浜国際会議場(パシフィコ横浜)で開催している。入場は無料だが、登録が必要。開場時間は10時~17時。

 自動車関連の部品、材料、ソリューションなどが一堂に会する展示会。320社が出展し、会期中に5万人の来場が見込まれている。

 検査機器や製造機器、開発ソフト、要素技術など、自動車関連の技術者や学生を主な対象とした展示がほとんどだが、いくつかエンドユーザーにも興味深いものもあるので、初日の模様をここで紹介する。

新型レガシィ1色のスバルブース

スバルは新型レガシィを速攻展示
 スバルブースには、同日発表の新型レガシィが開場30分後から展示された。展示車はツーリングワゴンの2.5i S-Package。



ドアを開けて車内に乗り込める状態で展示されている
パワートレーン、シャシなど新型レガシィの技術を解説したパネル
トヨタブースは新型プリウスとiQを展示

トヨタは新型プリウス
 トヨタブースは18日に発表されたばかりの新型プリウスを展示。ブースのほかに、会場に設けられた「エコカー展示コーナー」にも実車が展示されており、こちらも自由にさわれるようになっている。



新型プリウスのエンジンルームとハイブリッドシステムプリウスのバッテリー
エコカー展示コーナーの新型プリウス。自由に乗り込んで操作できるので、新型プリウスのインターフェイスを確かめる人が絶えなかった
ステアリングのタッチスイッチの、さわっている位置をセンターメーターに表示するタッチトレーサーディスプレイハイブリッドシステムの動作状況のインジケーター矢崎総業ブースには新型プリウスのセンターメーターとヘッドアップディスプレイの展示がある
アイシン精機は新型プリウスとレクサスRXの電動ウォーターポンプを展示デンソーの新型プリウス用エアコンユニット。省エネ効果のあるエジェクターを、車載用に小型化した

マツダは未発表の新型アクセラ
 マツダブースには未発表の新型アクセラを展示。クランク位置を調整することでリスタート時間を短縮したアイドリングストップシステム「i-stop」システムなどをアピールした。

マツダブースの新型アクセラi-stopシステム搭載であることをアピールi-stopシステムのディスプレイ
新型アクセラに採用されたシングルナノ触媒。貴金属の使用量を減らすことができるエコカー展示コーナーにはプレマシー・ハイドロジェンREハイブリッドを展示。水素ロータリーエンジンで発電機を回すシリーズ式ハイブリッドカー

そのほかの自動車メーカーなど

日産自動車はキューブベースの電気自動車の試作車とリチウムイオンバッテリーを展示
日産が開発したドライブシミュレーター。フーガに搭載されているインテリジェントペダル(前車との車間が詰まるとアクセルペダルを押し戻す力を発生させて減速を促す)と、レーンディパーチャープリベンション(レーン逸脱防止と、レーンへの復帰支援)を体験できる
ホンダはインサイトのカットモデルやパワートレーンを展示。実車はエコカー展示コーナーにあり、自由に乗り込める
ホンダブースのインサイトのインパネ。エコドライブ支援機能などをデモ海外で発売している世界初のフレックス・フューエルバイクついにPGM-FI(電子制御燃料噴射)化されたモンキー
三菱自動車ブースのDSSS(安全運転支援システム)対応ii-MiEVのモーターとインバーターが明電舎のブースに展示されているスズキの燃料電池セニアカー
イギリス、フランス、ベルギーは自国の自動車産業をアピールするパビリオンを出展。イギリスにはロータス・エンジニアリングが出展している。写真はエヴォーラのシャシー。サイズやエンジン搭載位置の変更が容易で、ガソリン以外のパワーソースにも対応できると言うロータスの可変圧縮比単気筒エンジン
ロータスのエコエリーゼ用シート。再生可能で生分解性のある天然素材を採用しているロータスと同じUKパビリオンに出展しているトロトラックは、F1のフライホイール式KERS(運動エネルギー回生装置)用のCVTを展示。トロトラックはトロイダルCVT(写真右)のメーカー
童夢の「究極のインサイト」プロジェクト。インサイトがさかさまになっているのは、第1弾のアンダーパネルとホイールカバーを見せるため。第2弾以降はバンパーやグリル、ミラーの形状を見直し、カーボンコンポジットパーツで軽量化する
会場でよく目に付いたのがドライブレコーダーの展示。これはホリバアイテックのカメラ一体型「どら猫3」。カー用品店でも2万円前後で販売されているが、より高機能な業務向け製品もあるKYBのバイク対応ドライブレコーダー。常時記録型で、16GBのSDHCカード(別売)を使えば最大サイズのムービーでも8時間記録できるパソコンユーザーにはDVDドライブなどのメーカーとしておなじみのシナノケンシが、プレクスターブランドでドライブレコーダーに参入した。すでに長野のタクシー会社で導入事例があると言う。業務向けで、車載機は8万円前後、画像再生と運行管理のソフトが15万円程度
デンソーのフルカラーTFT液晶メーターパネル。走行モードでメーターの色を変えたり、歩行者検出機能付きナイトビジョンを表示できる
アイシン精機のドライバーモニターシステム。ステアリングコラム上のカメラでドライバーの顔を撮影し、顔の向きやまぶたの開度から居眠りを検出するデルタ工業はシートのセンサーで生体信号を検出し、居眠りを警告する。センサーはシートに埋め込むこともできるが、シートの上に置いて使う(写真左の右のシート)こともできる
東芝の運転者状態認識システムもステアリングコラム上のカメラでドライバーの状態を認識する。写真では、ドライバーの顔が向いている方向をディスプレイ上で黄色い枠で表示している。居眠りだけでなく、よそ見や不注意なども警告する
セイコーエプソンの感情認識デバイス。車内の人間の感情を声から判断する。興奮状態ならリラックスさせる音楽をかけるなどの対策を自動的にうつ仕組みなどに応用できるセイコーエプソンのHDRカメラ。トンネルの出口など、暗闇と明るい光が混在する(高コントラスト)状況でも情報量の多い画像を撮影できる
ジェイテクトの超軽量マニュアルステアリングシステム。「シンプルな極み」と銘打たれたこのシステムは、インドの低価格車「タタ・ナノ」に採用された東芝のTranShare技術によるカーナビ
東芝のTranShareカーナビ。日本全国の地図が内蔵されているが、普段使えるのは居住地周辺など、よく参照するところだけにしてカーナビを低価格化。旅行などで遠出するときは、行き先の地図を活性化するキーを携帯電話などの通信で購入する。データ通信料を減らしつつ、カーナビを低価格にするための仕組み
東芝のSCiBバッテリー。リチウムイオン充電池の一種だが、負極の材料を変えることで、安全で高耐久かつ長寿命のバッテリーとした。容量はリチウムイオンより小さいが、ニッケル水素よりも大きいので、ハイブリッドカーなどに最適日立の車載用リチウムイオンバッテリーは世界最高の出力密度を実現した
トヨタ紡織の着せ替えシート。ユーザーが手軽にヘッドレストと座面を変更できる。トヨタ・ヴィッツの特別仕様車に採用されている
トヨタ紡織のサッカー専用スタジアムベンチシートZFのデュアルクラッチトランスミッション会場の外に設けられたコースでは、エコ運転セミナーが開かれている

(編集部:編集部:田中真一郎)
2009年 5月 21日