スバル、最大50kg軽量化した「インプレッサWRX STI spec C」 限定900台の18インチタイヤ仕様は価格据え置き |
スバル(富士重工業)は「インプレッサWRX STI」に「WRX STI spec C」を追加設定し、7月23日より発売する。WRX STI spec Cは、アルミ製ボンネットや軽量ガラスの採用などによる軽量化と、ボールベアリングターボや専用ECUの採用による加速性能の向上などにより、モータースポーツでの使用を前提に、パフォーマンスの向上を図ったモデル。ベースモデルに対し30kg軽量化した18インチタイヤ仕様と、エアコンレスなどにより50kg軽量化した17インチタイヤ仕様が用意され、価格は18インチタイヤ仕様が368万5500円、17インチタイヤ仕様が337万500円。18インチ仕様は12月27日受注分までの900台限定となる。
18インチタイヤ仕様(WRブルー・マイカ) | 17インチタイヤ仕様(ピュアホワイト) | HIDプロジェクターロービームランプは18インチタイヤ仕様のみに設定 |
WRX STI spec Cは、モータースポーツにおける速さを追求したグレード。インプレッサでspec Cという名が最初に付けられたのは、2001年のこと。当時のインプレッサをベースに、90kgもの軽量化と、走りに特化した装備を与えられ発売された「WRX STi type RA spec C」が最初で、それ以来、インプレッサシリーズの中で、もっともスパルタンなグレードにspec Cの名が与えられている。現行のインプレッサでは初登場となるこのspec Cも同様で、速さをストイックに追求したグレードとして、軽量化や装備の変更が図られている。
具体的には、まず軽量化として、アルミ製ボンネット、小型バッテリー、軽量ガラス(フロント、フロント&リアドアウインドー)、軽量タイプの18インチ鋳造アルミホイールを採用するほか、スペアタイヤを排しパンク修理キットに変更している。
アルミ製ボンネット | 小型バッテリー |
軽量タイプの18インチ鋳造アルミホイール | スペアタイヤを廃止し、パンク修理キットを用意する |
パワーユニットでは、タービンの軸受けにボールベアリングを採用し、フリクションの低減とともに、ECUを最適化することでアクセルレスポンスを向上。また、インタークーラーに水を噴くことで吸気温度を低下させるインタークーラーウォータースプレーを採用しているほか、燃料ポンプを構造変更し、燃料が偏りやすい高負荷旋回時にも、安定した燃料供給を可能にしている。最高出力は227kW(308PS)/6400rpm、最大トルクは422Nm(43.0kgm)/4400rpmとスペック的には従来と同様。また、トランスミッションも、従来と同様の6速MTを搭載する。
軸受け部分にボールベアリングを採用したツインスクロールターボ | ||
インタークーラーウォータースプレーを装備 | ウォータースプレーの水タンクはリアサブトランクに設置。容量は3.7L | オートモードスイッチを備える |
シャシーでは、フロントクロスメンバーのエンジンマウント結合部と車体取り付け部の剛性を高め、ステアリングの応答性を向上するとともに、パワーステアリングのオイル吐出量を増やすことで、素早いステアリング操作時の操舵感を改善した。
サスペンションはスプリングレート、減衰力ともに専用にチューニングされ、リアスタビライザーやリアサブフレームブッシュの仕様変更とあわせて、ロール剛性の最適化と路面接地性の向上を図り、足まわりのしっかり感を高めていると言う。
クロスメンバーの剛性を向上 | 専用にセッティングされたサスペンション |
タイヤには歴代のspec Cと同様「POTENZA RE070」を採用。サイズは245/40 R18。ブレーキはブレンボ製でキャリパーはゴールドになる。また、駆動系では、リアのLSDを従来のトルセン式から機械式に変更している。
タイヤはブリヂストンのPOTENZA RE070 | ブレンボ製のキャリパーはゴールドに塗装される | リアのLSDは機械式を採用 |
ボディーカラーには、専用色の「サンライズイエロー」「ピュアホワイト」に加え、「WRブルー・マイカ」「スパークシルバー」「オブシディアンブラック・パール」の計5色を用意。サンライズイエローは9月23日までの期間限定受注生産となる。インテリアでは、18インチタイヤ仕様車に、ファブリックとジャージー素材を組み合わせ、赤いステッチをあしらった専用バケットシートを標準装備するほか、オプションとしてブラックアルカンターラと本革を組み合わせ、赤いステッチをあしらったレカロ製専用シートも用意している。
18インチタイヤ仕様車のインテリア。標準で専用のバケットタイプフロントシートを装備する | オプション設定のレカロシートもspec C専用となる | |
17インチタイヤ仕様車のインテリア。スポーティーフロントシートを装備 | 赤ステッチ入り本革巻ステアリングホイールは全車標準装備 |
(瀬戸 学)
2009年 7月 23日