東芝の新型バッテリー「SCiB」が電動バス開発プロジェクトに採用
Eliicaの清水教授のプロジェクトに協力

5月の「人とくるまのテクノロジー展」に展示されたSCiB

2009年8月7日発表



SCiBの特長

 東芝は8月7日、同社の新型バッテリー「SCiB」が、「電動フルフラットバスの地域先導的普及モデル策定とシステム化の実証研究」に採用され、同研究に協力すると発表した。

 SCiBは、新素材などで長寿命を実現したバッテリー。バッテリーは充放電を繰り返すと容量が減り、使用できなくなるが、SCiBは6000回の充放電後も90%強の容量を維持するという。また5分間で90%の急速充電が可能で、-30度の低温でも使用できるほか、熱に強い素材を採用することで安全性も高いと言う。

 「電動フルフラットバス」の実証研究は、環境省による産学官連携環境先端技術普及モデル策定事業の1つとして、7月に採択されたもの。代表は高速電気自動車「Eliica」の開発で知られる清水浩教授(慶應義塾大学環境情報学部)。Eliicaの技術とSCiBを用いて、ディーゼルエンジンのバスと同等以上の性能と経済性を持つ、フルフラットのバスを開発するのが目標。神奈川県で実際に走行させ、実証実験を行う予定。

 電動バスの仕様は、車体サイズが約9×2.4×2.7mで、大型バスより小さいにもかかわらず、Ellicaの集積台車とインホイールモーターなどを使うことでフルフラット化し、大型バス並の69名の定員を確保するというもの。1充電の航続距離150km、最高速度100km/h、登坂力20%、充電時間10分を目標とする。ボディーはいすゞ自動車が、充電インフラは東京電力が、実証実験には神奈川県バス協会が協力する。

(編集部:田中真一郎)
2009年 8月 7日