フィアット500、日本独自のファッションブランド・コラボレーション展開
110周年記念モデル「500 HAPPY!」もキャンペーンに一役

フィアット500 HAPPY!とフィアットのアランプレセ カントリーマネージャー(右)、ユナイテッドアローズの百々クリエイティブディレクター

2009年11月20日
東京 渋谷マークシティ



 フィアット グループ オートモービルズ ジャパン(フィアット)と、衣服・雑貨のセレクトショップを展開するユナイテッドアローズは11月20日、両社のコラボレーションによるプロモーションを開始すると発表した。

 これに際し、フィアットはフィアット500をベースとした限定車「フィアット500 HAPPY!」を、ユナイテッドアローズは傘下のブランド「グリーンレーベル リラクシング」(GLR)でオリジナル スタイリングを発売する。

 両社は同日、東京 渋谷のユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング 渋谷マークシティ店前で記者発表会を開催。フィアットからはティツィアナ・アランプレセ カントリーマネージャー、ユナイテッドアローズからはGRLの百々徹クリエイティブディレクターが登場した。

 なお、500 HAPPY!の詳細は関連記事も参照されたい。

フィアット110周年記念モデル
 フィアット500 HAPPY!は、このコラボレーションの象徴的存在。500の最上級モデル「LOUNGE」をベースとし、ビンテージグリーンの車体色、ポルトローナ・フラウ製のブラウンレザーシート、ビンテージ風15インチホイールなどで、コラボレーションメッセージを意識して「古き良き時代」を演出している。

 500 HAPPY!には1.2リッターの「1.2 8V」と1.4リッターの「1.4 16V」が用意されるが、限定台数は両モデル110台ずつ、計220台となっている。110という数字には、フィアット創立110年記念の意味もある。

フィアット500 HAPPY!
外観上の500 HAPPY!ならではのポイントは、ビンテージグリーンの車体色、ビンテージスタイルの15インチホイール、クロームメッキのドアミラーなど
シートはポルトローナ・フラウの高級レザー。ブラウンとホワイト、そしてビンテージグリーンでクラシックな雰囲気を出している

フィアット500とGLRが共有するもの
 フィアットは2008年に、イタリアのファションブランド「DIESEL」と、フィアット500のコラボレーションモデルを全世界で発売。日本でもこの3月に発売された。

 今回のコラボレーションは日本のファッションブランドと、日本だけで行われるもの。またクルマだけでなく、プロモーションキャンペーンを共同で行う。

 フィアットがファッションブランドとコラボレーションする理由をアランプレセ マネージャーは「500のようなクルマはファッションの要素が大きく、クルマとライフスタイルが1つになっている」からと説明する。

 その相手としてGLRが選ばれたのは「エコで、コンパクトでスタイリッシュ、無駄がなく、上質でシンプルなライフスタイルというコンセプトを(フィアット500とGRLが)共有している」から。また「(フィアットが生まれた)欧州では、エコはガマンするものでなく、楽しく、生活のクオリティを高く保つもの。そこもGLRと似ていると思う」と言う。

GLR渋谷マークシティー店の店先にも500 HAPPY!のディスプレイがGLRが販売するコラボレーション用のオリジナル スタイリングには500 HAPPY!のタグが付く百々クリエイティブディレクターとアランプレセ カントリーマネージャー

5つの共有テーマをムービーで表現
 500 HAPPY!とオリジナル スタイリングの発売もキャンペーンの一環だが、核となるのは、特設サイト「5×HAPPY」の開設と、そこで5本のショートストーリー ムービーを配信すること。百々氏によればこの5本のムービーは「フィアット500とGLRが共有できる5つの基本テーマをベースにした」もの。

 5つのテーマとは「やさしく」「かけがえのない」「ウィットに富んだ」「心地よく」「ほがらかで」。GLRはメンズ、ウイメンズ、キッズの衣服と雑貨を取り揃えたファミリー向けブランドであり、その名称が表すとおりエコロジー志向で、ソフトかつリラックスしたムードの品揃えと店作りがなされている。ここもハードで若者向けのブランドだったDIESELとは対照的なところだ。

 ムービーは特設サイトにおいて、11月20日から毎週金曜日に1本ずつ、5週にわたって配信される。特設サイトは携帯電話からのアクセス(http://5xhappy.jp/m/)も可能。

 特設サイトとムービー以外にも、フィアットの正規ディーラーとGLRの店頭で、前述の5つのテーマに則した5種類のスペシャル グリーティングカードを無料で配布するほか、タイでのマングローブ植林事業に、コラボレーション製品の売り上げに応じた寄付が実施されるといった、エココンシャスな活動も行われる。

すでに公開されている1本目のムービーは、親子3人が、フィアット500 HAPPY!を介して女性サックス奏者と触れ合うというもの。発表会には出演者の作田聖美さんと大村ららちゃんが登場し、劇中と同じように演奏のコラボレーションを見せた
写真左の左から作田聖美さん、大村ららちゃん、伊勢佳世さん、高嶋宏行さん。高嶋さんは、3年前まで自動車メーカーに勤めていたとのことで、フィアット500 HAPPY!の内装を「コスト的によく成り立つなと感心するくらい、作り込んである」と“プロの目”で高く評価していた

(編集部:田中真一郎)
2009年 11月 20日