トヨタ、プリウス プラグインハイブリッドを市場導入
PHV燃費は57.0km/L、2年後には市販化を目指す

プリウス プラグインハイブリッド

2009年12月14日納入開始



 トヨタ自動車は、「プリウス プラグインハイブリッド(PHV)」を12月14日より市場導入する。2010年前半をめどに、日・米・欧の特定顧客を中心に約600台を順次納入。2年後には、一般ユーザーにも手の届く価格設定で市販化し、年間数万台規模の販売を目指すとしている。

 プリウスPHVは、3台目プリウス(Sグレード)をベースにリチウムイオン電池を搭載し、家庭用電源からの充電を可能としたもの。電池容量を大幅に増やすことで、EV走行距離を拡大し、充電した電気を使いきった後は、従来のハイブリッド車と同様に走行することができる。

給電中のプリウスPHV右フロントフェンダーにはプラグインハイブリッドのバッヂ左フロントフェンダーに充電インレット
インレット開扉状態/内カバー閉扉状態内カバー開扉状態充電コネクター接続状態
充電コネクターインパネラゲッジ

 当初市場導入される約600台は、国内外の特定利用者に対して納入されるもので、日本では、官公庁、『EV・PHVタウン』選定自治体、電力会社をはじめとする法人などに対し約230台をリース。米国では、官公庁、企業、大学、研究機関などを対象にデモプログラムとして約150台を提供し、走行データの取得やインフラの開発推進などを行う予定。また、欧州では約200台をリース、フランスのストラスブール市へ約100台の他、英国やポルトガルに導入が決定している。さらにドイツやオランダなど約10カ国にも導入を検討しており、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどにも導入する予定だとしている。

 プリウスPHVでは、満充電の状態から、EV走行で、23.4kmを走行可能。EV走行時の最高出力は100km/hとなっている。プラグインハイブリッドでの燃費は57.0km/Lで、ハイブリッド時の燃費は30.6km/L。なお、プリウスのSグレードの燃費は30.4km/L、Lグレードの燃費は32.6km/Lとなっている(いずれもJC08モード)。また、車両重量は1490kgで、ベースのSグレードに対し約140kgの増加。その他、車両に関する詳細は以下のとおり。エンジンやモーターの諸元、出力、またボディー寸法などは、プリウスのSグレードと同等になっている。

主要諸元
排気量1797cc
変速機電気式自動変速機
駆動2WD(FF)
全長4460mm
全幅1745mm
全高1490mm
ホイールベース2700mm
トレッド前1525mm
トレッド前1520mm
車両重量1490kg
乗車定員5人
最小回転半径5.2m
タイヤサイズ185/65R15
平成17年基準排出ガス低減レベル75%低減レベル
充電電力使用時燃料消費率(プラグイン燃費値)-km/L(専ら外部充電による電力により走行)
ハイブリッド燃料消費率30.6km/L(CO2排出量 76g/km)
プラグインハイブリッド燃料消費率57.0km/L(CO2排出量 41g/km)
充電電力使用時走行距離23.4km
電力消費率6.57km/kWh
EV走行換算距離23.4km
一充電消費電力量3.56kWh
2015年度燃費基準達成レベル
システム名称THS II Plug-in(リダクション機構付)
エンジン1.8L ガソリン(2ZR -FXE:高膨張比)
最高出力73(99)/5200kW(PS)/rpm
最大トルク142(14.5)/4000Nm(kgm)/rpm
モーター交流同期:3JM
最高出力60(82)kW(PS)
最大トルク207(21.1)Nm(kgm)
駆動用電池リチウムイオン
容量5.2kWh
定格電圧345.6V
充電所要時間AC100V 約180分
AC200V 約100分
システム最高出力100(136)kW(PS)
システム電圧最大650Vに昇圧
EV走行距離23.4km
EV走行最高速度約100km/h
エネルギーモニター。写真左がプラグイン充電、右がEV走行中の表示
HVインジケーター:エコドライブHVインジケーター:チャージ
HVインジケーター。左上からエコドライブ、チャージ、パワードライブ、EV・HV走行比率
PLUG-IN効果画面。走行をするごとに森が増えていく
ビジュアルシステム:情報モード機能表示画面バッテリーユニット(Li-ion)単品
プリウスPHV主要コンポーネント駆動用バッテリー

 なおトヨタメタポリスでは、プリウスPHVに関する意見を募集している。、Webアンケートページよりエントリー可能で、募集はを12月18日17時まで。

(瀬戸 学)
2009年 12月 14日